学びの内容

マミヤ フミコ

間宮 史子 教授(人間総合学部長)

専門分野

口承文芸学、ドイツ伝承文学
 
現在私が追究しているテーマは、昔話における異界について、昔話における女性について、また、『グリム童話集』と『グリム童話選集』両方に収められたグリム童話のテクストの変遷について、です。

自己紹介・学生へのメッセージ

■自己紹介
私は、グリム童話をはじめとするヨーロッパの昔話や、日本の昔話を研究しています。そこから発展して、日本とヨーロッパの昔話の比較研究もしています。本来口伝えされてきた昔話は、文字で書かれた文学とは異なる、耳で聞いてわかりやすい簡潔な語り口をもっています。また、世界のさまざまな地域に類似の話があるのは、昔話の国際性を示しています。このような物語の源ともいえる昔話の奥深い魅力をお伝えしたいと思っています。
 
■学生へのメッセージ 
大学時代に将来もずっと続けていけるものを何か見つけられますように。また、時には回り道をすることも恐れないことです。
担当科目
■人間総合学部 児童文化学科
児童文学入門B
児童文学・ドイツA
伝承文学
伝承文学研究
演習
卒業論⽂
 
■大学院 児童文学専攻
伝承文学特殊研究
修士論文指導
研究指導
担当科目の内容
■人間総合学部 児童文化学科
◇児童文学入門B◇
物語の源である口承文学、特に口伝えの昔話について勉強します。昔話とは何か、ということから始めて、書かれた文学とは異なる昔話の文法、また、昔話の語り手や昔話の国際性について学び、昔話の特徴を理解します。
 
◇児童文学・ドイツA◇
ドイツのグリム兄弟が編集出版した昔話集である『グリム童話集』。初版刊行から200年たっても色褪せないその魅力に迫ります。グリム童話がどのように成立し、どのような特徴をもっているかをおさえたうえで、グリム童話における女性、男性、動物といったテーマに沿って個々の話を具体的に検討していきます。
 
◇伝承文学◇
「児童文学入門B」の内容を踏まえ、昔話の文法をおさえたうえで、昔話の比較について学びます。世界のさまざまな地域に類似の構成やテーマをもつ昔話があります。シンデレラなどの国際的な昔話、人間が異界を訪問したことを語る昔話をとりあげて、主に日本とヨーロッパの昔話を比較していきます。
 
◇伝承文学研究◇
さまざまな昔話のテキストを分析的に読みます。日本昔話やグリム童話などの外国昔話を読むことを通して、昔話の構造や構成を把握し、類似の昔話を比較して共通点と相違点を明らかにし、昔話に映し出された人間観や自然観を読み解きます。
 
◇演習◇
昔話の文法をきちんと理解したうえで、絵本化や映像化された昔話作品を検討し、現代における昔話の伝承と、その問題点や課題について考えます。合わせて、4年次の卒業論文にむけて学生各自の研究テーマに沿った準備をします。
 
■大学院 児童文学専攻
「伝承文学特殊研究」では、昔話研究や口承文芸研究の基本的文献を読みつつ、昔話の比較研究やイメージ研究などの方法とその意味について理解することをめざします。論文指導は、昔話や口承文芸についての研究に関して行います。
 
業績
◇単著
『白雪姫はなぐられて生き返った—グリム童話 初版と第二版の比較—』(小澤昔ばなし研究所)
◇共著
『昔話入門』(ぎょうせい)
『口承文学の世界』(弘学社)
『シリーズことばの世界 第2巻 かたる』(日本口承文芸学会編、三弥井書店)
『人間と動物をめぐるメタファー』(弘学社)
『学際的視点からの異文化理解の諸相』(金星堂)
『こえのことばの現在 口承文芸の歩みと展望』(日本口承文芸学会編、三弥井書店)
◇翻訳
『シルクロードの民話5 アラビア・トルコ』(ぎょうせい、共訳)
『オットー・ウベローデ—グリム童話全挿絵集—』(小澤俊夫監修、古今社、共訳)
 
経歴
■略歴
筑波大学大学院地域研究研究科(修士課程)修了後、ドイツのテュービンゲン大学に留学。2000年より白百合女子大学専任教員。
 
■所属学会
日本口承文芸学会
International Society for Folk Narrative Research(国際口承文芸学会)
日本独文学会
 
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