所属 職名 教員氏名 保有学位
基礎教育センター 准教授 松前 祐司 工学博士


I 教育活動
教育実践上の主な業績 年月日 概要
【1.教育内容・方法の工夫(授業評価等を含む)】
学内行事および学内行事を利用した授業成果の発表の実施授業名:コミュニケーション・スキルズ・ワークショップ(2002年)/コミュニケーション・スキルズ・ワークショップA・B(2003~2005年)/コミュニケーション・スキルズ・ワークショップⅡA(2006年)/メディアスキル・フィールドワークショップ(2008年~現在に至る)/メディアーツ・ワークショップC(2005年度)/メディアーツ工房(2006~2007年度)/アトリエ・リス・ブラン・ワークショップ(2008年度~現在にいたる)2002年度~現在に至る「コミュニケーション・スキルズ・ワークショップ」では、カメルーンとケニアにおいて貧困層の小学校を運営している在外日本人(一人は本学設立母体の修道者)との連携により、現地の子どもたちに実際に利用してもらう教材の作成を行う演習を行った。これらの成果物を発表する場所として、白百合祭に授業用ブースを設け、自分たちが制作された教材を実際に使ってもらう子供たちのこと、子供たちが住んでいる地域、環境や文化など、文化など、様々な観点から調べあげた情報とともに、演習の成果物でる翻訳絵本を展示した。 その後、「アトリエ・リス・ブラン・ワークショップ」において学生らが考えた企画内容のプレゼンテーション、さらに、「メディア・スキル・フィールドワークショップ」において学生が制作した「音作品」のプレゼンテーションも行った。昨年度より、図書館の協力により、これらの展示は図書館内において実施している。
学外合宿を伴う授業における安全対策の提案およぴ実践授業名:コミュニケーション・スキルズ・ワークショップ(2002年)/コミュニケーション・スキルズ・ワークショップA・B(2003~2005年)/コミュニケーション・スキルズ・ワークショップⅡA(2006年)2002年度~現在に至る学外合宿を伴う演習を行うにあたり、想定されうる様々な安全対策を十分に施すための準備を行った。最初の年である2002年度においては、大学セミナーハウスが少人数ゼミ以外での大規模な授業として使用されたことがなかったため、演習内容にそったセミナーハウスの利用における課題などを洗い出すための事前調査のため担当教員たちがセミナーハウスに数回にわたって赴き、施設を綿密に調査、セミナーハウス職員の方たちの協力のもと、合宿演習の妨げとなる問題事項を洗い出し、それらを回避する方策を事前に議論、具体的な対策を講じた(その結果、安全性を最優先に考え、セミナーハウス初の全館貸し切りの合宿演習を行うに至った)。また、学生の保証人に対して、合宿演習参加承諾書の提出、緊急連絡先の届け出等各種書類を整えると共に、参加学生には保険証の携帯、あるいはコピーの提出を義務づけるなど、学外演習に際して、学内で未整備であった各種手続きを提案、整備した。
授業用ウェブサイト、および、授業専用メールアドレスによる緊急連絡網の構築および運用授業名:コミュニケーション・スキルズ・ワークショップ(2002年)/コミュニケーション・スキルズ・ワークショップA・B(2003~2005年)/コミュニケーション・スキルズ・ワークショップⅡA(2006年)メディアスキル・フィールドワークショップ(2008年~現在に至る)2002年度~現在に至る「コミュニケーション・スキル・ワークショップ」では、演習内容が多岐にわたり、シラバスに記載された文字情報だけでは学生に科目の説明が十分にできないため、開講二年目の2003年度より授業専用ウェブサイトを構築し、シラバスに書ききれなかった授業の詳しい説明、および、前年度の演習風景を公開した。このようなシラバス以外の詳細な説明、視覚的な情報源は、学生が当該科目を履修登録をする際の貴重な情報として活用された。また、授業が行われている期間、次回の授業までにやるべきことなど、学生に対して様々な連絡を逐次行う必要があっため、その連絡手段としても活用された。さらに、授業専用アドレスを取得し、前期終了後、合宿が実施されるまでの期間において、学生に対する連絡手段として活用した。また、学生から教員に対して緊急連絡をする際の連絡用アドレスとしても使われた。このようないくつかの情報通信手段を利用した連絡体制を整えることは、学外授業を実施する上で最低限必要な危機管理体制であり、その後の学外授業の運用にも活用されている。
基礎学力のオンラインチェックシステムの開発および実施授業名:コミュニケーション・スキルズ・ワークショップ(2002年)/コミュニケーション・スキルズ・ワークショップA・B(2003~2004年)2002~2004年度「コミュニケーション・スキルズ・ワークショップ」の履修希望者を対象に、基礎学力のチェックをするために、OPUSを用いたオンラインチェックテストシステムを開発し、そのシステムを用いてを実施した。人数制限科目であったため、このチェックテストの結果を参考にして、最終的な履修者を決定した。
ワークショップおよび体験型学習プログラムの開発・実践授業名:コミュニケーション・スキルズ・ワークショップ(2002年)/コミュニケーション・スキルズ・ワークショップA・B(2003~2005年)/コミュニケーション・スキルズ・ワークショップⅡA(2006年)2002~2006年度本授業は、様々な異文化体験をさせながらコミュニケーションスキルを向上させることを目的とした合宿を伴う体験型学習プログラムとして開講された。 この演習においては、カメルーンとケニアにおいて貧困層の小学校を運営している在外日本人(一人は本学設立母体の修道者)との連携により、現地の子どもたちに実際に利用してもらう教材の作成を行う演習を通して、子供たちの視線から、また、外国から見た日本を考え、海外援助の諸課題を身近で具体的な問題として考える機会を提供した。また、単に活字だけの学びとならないために、カメルーン、ケニアの現地で実際に子供たちと接している人々を招いての音楽会やシェアリングなど、芸能や文化の側面に関しての学びも深める機会を学生に提供した。これらを通して本学の建学の精神(シャルトル聖パウロ修道女会の創立の精神)を具体的に学ぶ機会も提供することができた。 また、この授業は、2002年当時、新しく強羅にできた大学セミナーハウスを利用した夏季集中合宿授業だけの授業構成でスタートしたが、2003年より、前期においては夏季集中に向けての準備授業、後期においては夏季集中の課題を仕上げ、白百合祭において授業成果の展示を行い、最後に一年の演習を学生自らが自分の言葉で振り返る演習を含めた通年授業のスタイルへと発展した。2005年度は改修工事を終えたばかりの4号館を合宿場所として利用し、当時、まだ教室になっていなかった空き部屋に学生を寝泊まりさせることで避難所生活を疑似体験させたり、美術演習室において朝食を自ら作り、食べるという食育の要素も新しく盛り込んだ。ここで得られた知見は、共通科目における初年次教育のカリキュラムを立ち上げる大きなきっかけとなっている。 なお、本授業に関連して、大学教育高度化推進特別経費「教養教育改革推進経費」を申請し、課題「コミュニケーション・スキルズの向上を目的とした教養教育カリキュラムの開発」が採択され、この特別経費を利用して本科目のカリキュラム開発が継続的に行われた。
学科を越えたチームティーチングの実践・その1授業名:コミュニケーション・スキルズ・ワークショップ(2002年)/コミュニケーション・スキルズ・ワークショップA・B(2003~2005年)/コミュニケーション・スキルズ・ワークショップⅡA(2006年)2002~2006年度異文化コミュニケーション演習、絵本翻訳プロジェクト演習(日本語からフランス語への翻訳、日本語から英語への翻訳)を実施するにあたり、フランス語フランス文学科専任教員、および、英語英文学科専任教員に、授業担当教員または合宿演習補助教員として協力いただいた。さらに、外国人留学生、または、外国人TAらにも合宿中の演習補助スタッフとしてお手伝いいただいた。以上のように、学科を越えた複数の教員、外国人留学生、外国人TAによるチームティーチングによって、このプログラムは実施された。 このような学科を越えたチームティーチングの実現により、グループごとに自ら設定した異なる課題に対して、多角的な指導を同時に進めることができたことから、学生は限られた時間の中で非常に高い成果をあげることができた。また、本プログラムは単なる語学の授業ではなく、語学力以外の他者とのコミュニケーション能力を養うことを主目的としていたため第一外国語で未履修である言語を母語とする外国人TA及び外国人留学生と寝食を共にすることにより、疑似留学体験を提供することが可能となった。特に、年齢が近い外国人TAや外国人留学生との生活を共にした交流により、異文化に触れることのより具体的な興味や、外国語習得によってより世界が広がることへの関心が深まり、授業設定時間以外にも学生たちが自主的に非常に多くの準備学習・復習時間を取るなど、学習意欲の向上にもめざましいものがあった。
共通科目におけるチームティーチングおよび学生サポート体制の実践授業名:情報科学基礎演習Ⅰ・Ⅱ(2006年度)/情報科学基礎演習(2007~2008年度)/情報科学基礎演習A・B(2009年度~現在に至る)2005年度~現在に至る共通科目における初年次教育としての「情報科学基礎演習」において、チーム・ティーチング制及びサポート・スタッフによる学生サポート体制の試みを開始した。担当教員及び関係職員間で毎週スタッフミーティングを行い、学生の学修状況や教育内容の調整などを行い、授業に反映させている。多くの大学で見られるような、それぞれの担当教員に教育内容を委ねた形での初年次教育ではなく、複数教員のチームティーチングのもとで担当することにより、同一基礎教育コンテンツによる初年次教育を可能としている。また、そのことにより基本的な事柄に関しては非常勤の担当教員の不在の時であっても、授業内容やフォローアップに関して学生に対応できるようなオフィス・アワーの充実をはかっている。
大学関連施設および事務部署職員との連携による授業の実践授業名:情報科学基礎演習Ⅰ・Ⅱ(2006年度)/情報科学基礎演習(2007~2008年度)/情報科学基礎演習A・B(2009年度~現在に至る)2005年度~現在に至る図書館など大学関連施設やインフォメディアセンター、学生相談室、健康相談室などの事務部署に所属する職員との連携協力により、初年次教育におけるライフ・デザイン(キャリア・デザイン)関連の授業、および、大学教育へのランディング授業を実施している。各施設の職員の方々に実際に関わっていただくことにより、各施設の利用度を高めることが可能となり、大学に慣れていない一年生の様々な不安を低減する手助けになったものと考えられる。特に2011年度は東日本大震災によってオリエンテーション・キャンプが中止されたこともあり、新入生への大学へのランディングの一助として学内オリエンテーション形式で行った。
学科を越えたチームティーチングの実践・その2授業名:メディアーツ・ワークショップC(2005年度)/メディアーツ工房(2006~2007年度)/アトリエ・リス・ブラン・ワークショップ(2008年度~現在にいたる)2005年度~現在に至るコミュニケーション・スキルズ・ワークショップの実施によって得られた知見をもとに、日本に来日した外国人のための企画を考える演習を行うにあたり、フランス語と英語の言語担当として、フランス語フランス文学科専任教員、および、英語英文学科専任教員にご協力いただき、学科を越えた複数による教員によるチームティーチングによって、このプログラムは実施されている。 このようなチームティーチングの実現により、企画立案プロセス演習において、各教員の異なる専門性から様々なヒントを学生に与えることが可能になり、数多くのユニークな企画が立案されている。また、プレゼンテーション演習においても、それぞれの専門性を生かしてプレゼンテーションスキルを指導することができるため、異文化も含めた様々な状況に応じたプレゼンテーションスキルを学生に指導することが可能となった。
学科を越えたチームティーチングの実践・その2授業名:メディアーツ・ワークショップC(2005年度)/メディアーツ工房(2006~2007年度)/アトリエ・リス・ブラン・ワークショップ(2008年度~現在にいたる)2005年度~現在に至るコミュニケーション・スキルズ・ワークショップの実施によって得られた知見をもとに、日本に来日した外国人のための企画を考える演習を行うにあたり、フランス語と英語の言語担当として、フランス語フランス文学科専任教員、および、英語英文学科専任教員にご協力いただき、学科を越えた複数による教員によるチームティーチングによって、このプログラムは実施されている。 このようなチームティーチングの実現により、企画立案プロセス演習において、各教員の異なる専門性から様々なヒントを学生に与えることが可能になり、数多くのユニークな企画が立案されている。また、プレゼンテーション演習においても、それぞれの専門性を生かしてプレゼンテーションスキルを指導することができるため、異文化も含めた様々な状況に応じたプレゼンテーションスキルを学生に指導することが可能となった。
来日直後の外国人TAとの関わりを促進・日本文化を紹介する演習の実施授業名:コミュニケーション・スキルズ・ワークショップ(2002年)/コミュニケーション・スキルズ・ワークショップA・B(2003~2005年)/コミュニケーション・スキルズ・ワークショップⅡA(2006年)2005~2006年度「コミュニケーション・スキルズ・ワークショップ」の新しい演習内容として、来日直後の外国人TAとの関わりを促進するための演習を実施。外国人TAに日本文化を紹介するためのプログラムを学外演習を企画・学外実践演習・プレゼンテーション演習を行った。外国人TAの方が日本人学生よりも日本文化についての造詣が深いこと、語学力以外のコミュニケーション力や、仲間や他者への配慮の重要性を直接的に体感する演習となった。
テレビ会議システムを用いた遠隔授業の実施授業名:情報科学基礎演習(2007~2008年度)/情報科学基礎演習A・B(2009年度~現在に至る)2007~2009年度健康栄養学及び情報文化等を専門とする仙台白百合女子大学の教員らと協力・連携により、テレビ会議システムを用いた双方向の遠隔授業を実施した。また、インフォメディアセンターの協力により、テレビカメラの複数利用及びPCとテレビカメラ併用で複数スクリーンを用いての完全双方向のシステムで実施することができた。テレビ会議システムの利用授業にとどまらず、郵便などのアナログ通信手段との併用により、遠隔授業における臨場感や学生の参加度を高めるなど工夫を行った。なお、この実践成果は、テレビ会議システムを使った食育の遠隔授業の実践「法人内大学間ネットワークの活用―FYE(First Year Experience 初年次教育)における食育の事例―」(大道 直人、神田 あずさ、佐々木裕子)として、CIEC(Council for Improvement of Education through Computers) PC Conference 2007において発表した。
共通科目における初年次教育における「大学生のための総合防災教育」の実施授業名:情報科学基礎演習(2007~2008年度)/情報科学基礎演習A・B(2009年度~現在に至る)2008年度~現在に至る2002年度からのコミュニケーション・スキルズ・ワークショップにおける知見に基づき、2008~2010年度において、初年次教育における大学生の社会的役割教育の一環として、調布市消防署の全面的な協力のもと、AED(Automated External Defibrillator 自動体外式除細動器)及び応急手当に関する演習を新入生全員に実施した(2011年度は東日本大震災のため中止)。また、本学全般の安全教育啓発のため、職員の参加も可能とし、学生、教職員に対して、東京防災館などによる救命救急実習への参加を促進した。これらの教育実践は調布消防署より消防庁広報誌に取り上げられ、調布市広報でも地域貢献の一例として紹介された。 2011年においては、東日本大震災発生を受けて、災害時の安全確保手段及び帰宅難民とならないための災害対策諸演習(本学を中心とした東京の幹線道路・危険箇所、大学から徒歩で帰宅するための帰宅マップ作成・災害時の情報収集について等)を実施した。後期においては、東京防災館などによる救命救急実習などに参加させ、そこでの体験をレポートの課題として課すなどして、学生の防災教育への関心を醸成した。さらに、他授業との連携により、被災地において支援を担当してた行政・地域ボランティアの話を実際に聞かせる機会をつくることによって、被災地への関心を高めた。なお、東日本大震災後に導入された緊急時安否確認システムに関しても、インフォメディア・センターとの連携により、この授業で行った。
共通科目における初年次教育における「自校教育」授業コンテンツの開発・実施授業名:情報科学基礎演習(2008年度)/情報科学基礎演習A・B(2009年度~現在に至る)2008年度~現在に至る初年次教育において重要となる建学の精神及び教育の理念と歴史について、設立母体であるシャルトル聖パウロ女子修道女会の会員による授業を全履修者に提供するため、担当教員たちによる授業に加え、本学及び姉妹大学、姉妹校のシャルトル聖パウロ女子修道女会会員たちの協力による授業を実施した。とりわけ遠隔地の姉妹校の会員たちとの間では、テレビ会議システムの利用、及び、一対多による対話を可能とするため音声出力技術等の工夫により、インターネットを利用したテレビ通話システムを授業レベルで使用可能とし、学外のシャルトル聖パウロ女子修道女会会員たちと学生との双方向コミュニケーション対話(同時中継)を可能とし、そのような具体的な質疑応答を通して、学生たちが建学の精神をより身近なかたちで理解することを可能とした。
学外合宿を伴う授業における危機管理マニュアルの作成授業名:メディアスキル・フィールドワークショップ(2008年~現在に至る)2008年度~現在に至る「コミュニケーション・スキルズ・ワークショップ」の経験を元に、学外演習実施する上での危機管理対策の重要性を大学に提言し、関係部署と協議の上、「白百合女子大学・危機管理マニュアル」を作成した。このマニュアルの作成をきっかけとし、学内に「安全対策会議」が組織化され、学外合宿を伴う授業に対する安全性のチェック体制が整った。共通科目において合宿演習を伴う授業に関しては、この安全対策会議による安全性のチェックを受けた上で実施されている。
「臨床の知」の視点からみた社会人・職業人とのコラボレーション授業の実施授業名:情報科学基礎演習A・B(2009年度~現在に至る)2008年度~現在に至る社会における「情報」の多様性を実感し、アカデミア以外のいわゆる「臨床の知」に触れる機会を提供するために、各種プロフェッションで活躍する社会人・職業人などとのコラボレーション授業を実施した。特に女性社会人たちとの交流を通し、自らのキャリアについても考える機会を提供した。
「食」をテーマとした学外フィールド演習を伴う体験型演習プログラムの新規開発および実践 授業科目名:食農フィールド演習(2014年度〜現在に至る)2014年度〜現在に至る「食」をテーマとした学外フィールド演習を伴う体験型演習を開発し、2014年度より実施している。本演習は、女子学生にとってとくに重要なキーワードである「食」と「健康」をテーマとした体験型学習プログラムの一つとして位置づけられる演習および講義科目である。フィールド演習では、山梨県北杜市に借りた農地において、専門家による指導のもと、種植えから収穫までの農作業を体験することにより「農」について学び、さらに収穫した野菜を用いて料理を作り、「食事」を作ることをも体験させ、「食と農」の重要性について実践的に学ぶものである。学外演習としては、前期1回、後期1回、借り受けている畑のある山梨県北杜市にあるペンションに合宿し、二日間の農作業、および、ペンションにおける調理実習を経験させること、さらに、日帰り演習を前期1回、後期1回実施し、日帰りで収穫した野菜を各自持ち帰り、自宅で調理すると同時に、学内の多目的演習室においても調理実習させることを演習プログラムとして取り入れた。さらに、「食と農」に関する問題点をグローバルに考えさせる発表形式の演習も組み込まれており、様々な角度から「食と農」に関知識を習得できるような演習プログラムを用意している。
「音と音楽」をテーマとした体験型感性教育プログラムの系統化および実践 授業科目名:教養総合セミナーC、教養総合セミナーE、教養総合セミナーF(2014年度〜現在に至る)2014年度〜現在に至る2008年度より体験型プログラムの一つとして開講していた「メディアスキル・フィールド・ワークショップ」を、2014年度より感性教育の要素を併せ持つ体験型感性教育プログラムとして再構築し、社会人基礎力の一つとして要求されている感性を磨き上げることにも対応できる演習として位置づけるものとした。しかしながら、従来は感性を磨く方法として、絵画や音楽を鑑賞するという受動的姿勢で行わせることが主流であったが、新しい体験型感性教育プログラムにおいては、演習のために用意された身体経験の場に自ら飛び込ませ、そこで身体的に得た経験によって感性が自ずと磨き上げられることを特徴とするものである。従来、体験型プログラムの一つとして開講されていた「メディアスキル・フィールド・ワークショップ」の前期に行っていた「サウンドスケープの演習」は、教養総合セミナーC(サウンドスケープの演習~都市と自然の音を聴く)(前期開講科目)に、夏期集中で行っていた「沖縄伊是名フィールド演習」は、教養総合セミナーF(沖縄伊是名フィールド演習)(夏期集中開講科目)という二つの演習科目に分けて開講するものとした。さらに、「音楽制作演習」を主たる目的とした教養総合セミナーE(音楽を創造する~自らの創造性を発見する)(後期開講科目)を新しく開講した。これらのうち、教養総合セミナーCはこれらのプログラムにおけるベーシック演習として位置づけられ、教養総合セミナーEとFについては、アドバンス演習として位置づけられているため、学生は教養総合セミナーEまたはFを履修するためには、当該年度前期、または、前年度までに教養総合セミナーCを履修する条件が設定されているため、学生がこれらの演習科目をそれぞれの目的に応じて、系統だって履修することが出来るようになった。また、従来は、「メディアスキル・フィールド・ワークショップ」を一年間ですべての演習を履修しなければならなかったが、学生の履修計画に基づき、二つの演習を時間差で履修することが可能になることで履修チャンスを増やすことにもつながるものと考えられる。
アクティブラーニングを全面的に取り入れた初年次教育プログラムの構築および実践 授業科目名:パブリックリテラシー(2015年度)2015年度2014年度までに開講されていた「ライフデザインⅠ」においては、主として講義型授業による初年次教育を行ってきたが、2015年度より初年次教育として開講されている「パブリックリテラシー」においては、グループ活動を主としたアクティブラーニング形式を全面的に取り入れた初年次教育プログラムを構築し、実践を行った。「パブリックリテラシー」においては、学生にとって重要な「責任」「可能性」「健康」「リスク」という4つのテーマを掲げ、これら4つのテーマに絡めて物事を考えさせ、自分の考えたことを他者に伝え、さらに他者の意見を受け止め、それらを議論の中で自分の考えを修正し、オリジナルな意見としてまとめあげ、自ら行動を起こすことができるような学生になることを目指すものとしている。これら体験の場として、自分が所属する学科・専攻の仲良しな友達とではなく、あまり話したことのない他学科・他専攻の学生とも他者に配慮したコミュニケーションが取れるように、均一的なグループ、席配置にならないように工夫をした。
初年次教育プログラムにおける輪講形式によるアクティブラーニングを取り入れた演習の構築、および演習に関連した授業外イベント実施 授業科目名:パブリックリテラシー(2016年度)2016年度初年次教育科目として開講されている「パブリックリテラシー」においては、2015年度より、グループ活動を主としたアクティブラーニングを全面的に取り入れた初年次教育プログラムを構築し、実践を行っている。2016年度からは、6人の教員による輪講形式の演習を実施し、それぞれの輪講において、アクティブラーニングを積極的に取り入れた授業を展開した。特に、村上祐資先生ご自身が輪講の中でお話し下さった、ご自身が設計した「ダレデモドーム」に関しては、実際に作ってみたいという学生らの声をもとに、2016年8月3日、「ダレデモドーム」の制作イベントをキャンパス中庭において実施した。当日は、パブリックリテラシーの履修者のうち希望者約40名がイベントに参加し、大きなプラスチック段ボールを「ダレデモドーム」の各パーツの型に合わせてカットするなどの作業を行い、ドームパーツを作るプロセスから学生らに体験させ、ほぼ一日かがりで「ダレデモドーム」を2基分を完成させた。 このイベントで制作された「ダレデモドーム」は、8月25日に熊本県八代市にある本学姉妹校の八代白百合学園高等学校、8月26日に熊本市東区にあるさくらんぼ保育園、さらに、8月27日にさくらんぼ保育園に隣接している水前寺江津湖公園において実施された「ダレデモドーム」制作イベントに利用された。授業の中で話されたことをきっかけとして、「ダレデモドーム」制作イベントを授業時間外に実施することにより、学生の興味をさらに深めることが可能になった。
初年次教育プログラムにおける輪講形式によるアクティブラーニングを取り入れた演習の実施 授業科目名:パブリックリテラシー(2017年度)2017年度初年次教育科目として開講されている「パブリックリテラシー」においては、2015年度より、グループ活動を主としたアクティブラーニングを全面的に取り入れた初年次教育プログラムを構築し、実践を行っている。2016年度からは、6人の教員による輪講形式の演習を実施し、それぞれの輪講において、アクティブラーニングを積極的に取り入れた授業を展開した。2017年度もその形式を継続した。
「音」をテーマとした過去に開講していて演習で当時の学生が収録した自然音を用いた「音声教材」を使った遠隔授業の実施(2020年度)2020年4月〜現在に至る2020年度より新規科目として開講している「自然(じねん)といのち」という授業において、音声だけの教材を作成し、その教材を用いてオンデマンド型の授業を実施した。「音」をテーマとして開講していた演習で当時の学生が収録した自然音を用いることで、時を超えた卒業生とのコラボレーションが実現した。
Zoomを用いた外部協力者(元本学非常勤講師)とのコラボレーション授業の実施(2021年度)2021年2020年度より開講している「自然(じねん)といのち」という授業において、過去に本学の非常勤講師としてお勤め頂いた特定非営利活動法人フィールドアシスタント理事長・村上祐資氏にご協力頂き、Zoomを用いたコラボレーション授業を行った。
Zoomを用いた実務経験者(元学外授業協力者)とのコラボレーション授業の実施(2021年度)2021年2020年度より開講している「自然(じねん)といのち」という授業において、過去(2014〜2016年度)に学外授業実施に際してご協力頂いた「minoみーの」代表の加々美みのり氏にご協力頂き、Zoomを用いたコラボレーション授業を行った。
実務経験者にZoomを用いて授業に参加して頂き、サイエンス授業の枠を超えた新たなコラボレーション授業の実施(2022年度)2022年2020年度より開講している科目「自然(じねん)といのち」において、実務経験者として株式会社ティオーエムファクトリー代表であり、ジャーナリスト・野中ともよ氏にZoomを使って授業に参加して頂き、サイエンス授業の枠を超えた新たなコラボレーション授業が実現した。
【2.作成した教科書、教材、参考書】
情報リテラシー基礎 Part2              電子書籍(Google Documnentエリアにて公開中)2011/12/1共同執筆者:松前祐司、佐々木裕子、三日市紀子、大久保成、村木桂子
ライフデザイン Part1                電子書籍(Google Documnentエリアにて公開中)2011/12/1共同執筆者:佐々木裕子、松前祐司、三日市紀子、大久保成、村木桂子
ライフデザイン Part1                電子書籍(Google Documnentエリアにて公開中)2011/12/1共同執筆者:佐々木裕子、松前祐司、三日市紀子、大久保成、村木桂子
情報リテラシー基礎 Part1              電子書籍(Google Documnentエリアにて公開中)2011/12/1共同執筆者:松前祐司、佐々木裕子、三日市紀子、大久保成、村木桂子
【3.教育方法・教育実践に関する発表、講演等】
CIEC(Council for Improvement of Education through Computers)PC Conference 20072007/8/2「法人内大学間ネットワークの活用―FYE(初年次教育)における食育の事例―」(大道 直人 神田 あずさ(仙台白百合女子大学)、松前祐司(本学)において、テレビ会議システムを使った食育の遠隔授業の実践についての発表。
調布市内小学校における「音」に関する特別授業の実施 教養総合セミナーC、F2016年度調布市内にある上ノ原小学校からの依頼で、5年生を対象とした「音」に関する特別授業を行った。本学基礎教育センターで展開している「音」と「音楽」に関連するプログラム(教養総合セミナーC、F)のうち、「音」そのものに対する興味を深めることをPCMレコーダーを実際に使ってもらいながら、「音」を記録するという録音について体験してもらった。今後、学生と子どもたちの交流の場に、「音」を軸とした教育プログラムを実現できればと思っている。
【4.その他教育活動上特記すべき事項】
各種短期ワークショップ(学習意欲向上のため)の実施授業名:情報科学基礎演習Ⅰ・Ⅱ(2006年度)/情報科学基礎演習(2007~2008年度)2004~2008年度学生の学習意欲の向上のため、パソコンを用いた短時間の各種ワークショップを実施した。授業で身につけたパソコン技術をベースに、実際の生活場面などにおけるそれらの技術の習得・応用を行った(授業時間外ワークショップ)。これらのワークショップは、学生のみならず、教職員も参加が可能なものとして実施した。
パソコン・スキル習得におけるキャッチアップ体制の実践授業名:情報科学基礎演習Ⅰ・Ⅱ(2006年度)/情報科学基礎演習(2007~2008年度)2006~2008年度演習授業を欠席した学生及び習熟度において課題のある学生に対するキャッチ・アップ体制を整えた。必要に応じて、授業時間外において、補習、個人指導などのフォローを実施した。
遠隔授業実施のための環境整備授業名:情報科学基礎演習(2007~2008年度)/情報科学基礎演習A・B(2009年度~現在に至る)2007-2009年度情報関連教育共通教材コンテンツ開発を目的とした情報システムの共有化のための環境整備、および、情報交換のための交流活動を実施した。
共通科目における初年次教育におけるeラ-ニング教材コンテンツの開発授業名:情報科学基礎演習A・B(2009年度~現在に至る)/ライフデザインⅠ(2012年度~)2007年度~現在に至る共通科目における初年次教育におけるeラ-ニング教材コンテンツの開発授業名:情報科学基礎演習A・B(2009年度~現在に至る)/ライフデザインⅠ(2012年度~)
地域連携による日本の伝統文化体験スタディーツアーの実施授業名:メディアスキル・フィールドワークショップ2010年度体験型学習プログラムに関する開発研究プロジェクトの一環として、宮崎県綾町にある「綾の手紬染色工房」を主宰する染織作家であり、現代の名工・秋山眞和先生指導による「日本の伝統文化・体験スタディーツアー」を実施した。このツアーには、2010年度「メディアスキル・フィールドワークショップ」を科目等履修生として履修していたフランス人留学生、および、本学学部生が参加し、藍染めや草木染めの演習を通じて、日本の伝統文化の一つである養蚕技術、織物技術、染織技術について学んだ。また、「綾わくわくファーム」において、「食」に関する演習に参加し、フランス人留学生は日本の食文化について学んだ。また、このツアー期間中に宮崎日日新聞の取材を受け、「宮崎日日新聞」(2010年6月13日発行)の紙面において、本スタディーツアーのことが報じられた。さらに、MRT宮崎放送のラジオ番組「綾ラジオ畑」(9:15~9:30)にツアーメンバー全員が生出演し、このツアーのことがラジオでも話題として取り上げられた。
卒業生サポートメンバーおよび学生ボランティアサポートメンバーによる合宿演習サポート体制の構築授業名:メディアスキル・フィールドワークショップ2010年度2008年度「メディアスキル・フィールドワークショップ」を履修した卒業生を当該科目の正式なサポートメンバーとして登録し、2010年度の当該科目の合宿演習に参加してもらった。さらに、2009年度同科目を履修し、単位を取得した現役学生らが当該科目の学生ボランティアスタッフとして再度、2010年度の当該科目の合宿演習に自主的に参加た。同科目をすでに履修した卒業生および現役学生によるサポート体制により、我々教員には入り込めない範囲における学生同士のサポート、または、卒業生による学生サポートが実現した。
まなばフォリオの導入及びそれを活用した24時間学習支援体制の整備授業名:情報科学基礎演習A・B(2009年度~現在に至る)2010年度~現在に至る文部科学省の平成21年度大学改革推進事業「大学教育・学生支援推進プログラム」として採択された「e-システム(電子ポートフォリオ)を活用したキャリア力養成」(社会で求められるキャリア能力、さらにその基盤となる社会人としての資質向上を目指したキャリア支援体制作り)の中心的な取り組みとして運用が開始された電子ポートフォリオシステム(manaba folio)の具体的な使用法の教授及びフォローを開始した。学生たちのこのシステムの円滑な利用を促進するためにイントロダクション的授業と共に、このシステムを授業内で積極的に利用し、学生たちの授業外学習(自宅学習を含む)の支援を行っている。また、実際の授業などでの使用上の問題点や課題などについて、インフォメディア・センターと協力しつつ、システム開発者に対してフィード・バックを積極的に行うことによって幾つかのシステム上の改善をみた。
看護師およぴフードコーディネータによる健康サポートに重点を置いた合宿演習サポート体制の構築 授業名:メディアスキル・フィールドワークショップ2012年度2012年度「メディアスキル・フィールド・ワークショップ」においては8名の履修者があったため、学生の健康面をサポートする体制をよりいっそう強化する必要性が生じた。そこで、今回はじめて、現役の看護師、および、フードコーディネータの女性お二人にサポートメンバーとして加わって頂いた。演習の全行程に看護師に同行してもらったことにより、演習中の体調不良、小さなケガに対し、迅速かつ適切な対応をすることが可能となった。また、フードコーディネータに伊是名島滞在中の食事管理をしてもらうことで、疲労により食欲が落ちてくる学生に対して栄養管理された食事を提供することが可能となった。2012年度の演習において、大きく体調を崩す学生がでなかったことは、お二人の参加が大きく貢献した結果であると考えられる。食に関するサポート体制がとても重要であることが今回の事例において確認された。
鎌倉シャツとのコラボレーション 授業名:アトリエ・リスブラン・ワークショップ2012年度「アトリエ・リスブラン・ワークショップ」の演習において学生が考案したデザインのシャツを鎌倉シャツとのコラボレーションにより商品化し、2012年度白百合祭等で販売し、好評を得た。考案した学生は、鎌倉シャツでのプレゼンなど、商品化までのプロセスを実体験でき、教室では得られない様々な経験を積むことができた。このような商品化までのプロセスまで継続的に学生が体験できる体制を整えることが今後必要であると感じた。
NHK-BS放送番組収録体験を用いた情報リテラシー教育の試み 授業名:情報リテラシー2013年度1年生必修科目「情報リテラシー」においては、SNSなどのネットコミュニケーションツールの有用性、危険性などについても演習を行ってきた。しかし、学生個人の実体験に基づいた情報リテラシー教育が必要であると考え、NHKより収録協力の依頼があったBS番組「写ね?る」への収録に「情報リテラシー」の履修学生を参加させ、情報リテラシーを学ぶ実体験の場として演習を行った。BS番組「写ね?る」では、Twitterを使って番組に出演している人だけではなく、番組に出演していない外の人でもTwitterを使って発言ができる新しいタイプの番組であるが、白百合の学生代表として番組内で発言する場合に気をつけるべき事など、様々なマナーを番組収録に実際に参加することで学び取ることができたという大きなメリットが認められた。また、番組収録までの期間、NHK側と学生側でLINEを使ったコミュニケーションを取ってもらうことで、仕事上でのコミュニケーションのマナー、その難しさを学生たちは実感したようである。以上のことから、「SNS=悪い」という短絡的な指導ではなく、学生たちが実際に使っているコミュニケーションツールをどのように使っていくことで、問題の無いツールとして使えるのかを学生自身に考えさせ、その有用性を体験させるとても良い機会であったと思われる。今後も、このような機会を用いて、様々な実体験をさせることによって、社会に出てからもこれらのツールを有効に使うスキルを身につけさせることは重要であると考えられる。
現地でのイベント開催による地域交流の試み 授業名:メディアスキルフィールド・ワークショップ2013年度2013年度の「メディアスキルフィールド・ワークショップ」においても、学生の栄養および健康面を管理する女性スタッフを2012年度に引き続き同行してもらい、学生の疲労度に合わせて食事の管理を行ってもらい、とてもよい結果が得られたが、さらに、地域のお母さまたちに向けた料理教室を実施し、学生たちにその手伝いをさせることで、地域と学生との交流をさらに深めることが出来た。料理教室の後、宿泊場所として利用させてさせて頂いていた公民館の敷地において、地域の子どもたちとの交流を深めるためにバーベキュー大会や花火大会を実施した。ただその地域にお邪魔するのではなく、地域に対して我々が様々なイベントを実施させてもらうことにより、単年度で関係が終わるのではなく、次年度へのつながりを強固にすることが可能となり、少しずつ、白百合女子大学の学生たちの存在を地域の人達に理解してもらうことができるようになった。2014年度もその地区で演習をさせて頂くことを約束させていただけたことは我々にとっても大きな収穫であったと考える。また、学生たちもまた来年参加したいという気持ちにさせてくれた地域の人達に心から感謝したい気持ちであった。以上のことから、同じ日本でありながら、大きく文化の異なる地域との交流は、非常に重要な体験になっていると考えられる。
一般家屋を用いた合宿および卒業生による学生サポートの試み 授業名:教養総合セミナーF〜沖縄伊是名フィールド演習2014年度2014年度「教養総合セミナーF〜沖縄伊是名フィールド演習」においても学生の栄養および健康面を管理する女性スタッフを2013年度に引き続き同行してもらい、学生の疲労度に合わせた食事の管理によって、学生たちが体調を崩すことなく演習を終わらせることができた。また、今回は、2009年度に「メディアスキル・フィールド・ワークショップ」を履修した卒業生1名がサポートスタッフとして参加してくれたことにより、社会経験を積んだ卒業生によるきめ細かなメンタル等の学生対応ができたことは大きな成果であった。通常は、地区の公民館または民宿などを合宿場所としているが、2014年度関しては勢理客区が管理している一般家屋(空き家)を借り、そこで学生たちは共同生活を送ることにより、島の生活を肌で感じ取ることが出来るという貴重な経験をすることができた。また、合宿期間が勢理客区と伊是名区の8月豊年祭の期間に重なったため、両地区の祭に参加させてもらうことができた。さらに、勢理客区のご厚意により、新品の祭に使う衣装をお借りし、地区の家を一軒一軒練り歩く祭行事等にも参加させてもらうことにより、島の方々との交流をさらに深めることができた。本演習では大変お世話になっている伊是名島出身の木版画家である名嘉睦稔氏もこの豊年祭にあわせて帰郷されたため、出身地における名嘉睦稔氏の生の姿に触れ、島での楽しいひとときを過ごすことが出来たことは、学生にとって特に貴重な経験であったと考えられる。
地域農家との連携を取り入れた体験型プログラムの構築および実践 授業科目名:食農フィールド演習2015年度2014年度「食農フィールド演習」においては、演習地域に畑を借りて農作業をしている方の畑の一部をお借りして演習をおこなっていたが、管理して下される方(埼玉在住)は演習地域の住人ではないため、地域との連携要素を取り入れ、学生が地域住民とコミュニケーションを取りながら農作業演習を学び、実践できるようにすること、キャリアという面から農業で生計を立てている方の話を直接聞くチャンスを得ることを目的とし、2015年度においては、演習地域にある「畑山農場」のご協力を頂き、地域農家との連携をもとに農作業演習を行った。学生たちの農作物は畑山農場の一部において育てられているため、農場の横に住んでいらっしゃる管理者によって毎日管理され、急な気候変動により農作物にトラブルがあった場合には即対応してくださったおかげで、十分な収穫を得ることができた。また、後期の合宿演習においては、管理者のご自宅に入れて下さり、職業としての「農業」についても様々な角度からお話をお伺いすることができた。一般企業に就職し、会社員として働くという生き方とは違うもう一つの選択肢を考える上で、学生はとても参考になった話であった。
格安航空会社および地域交通機関を利用した体験型プログラムの構築および実践 授業科目名:教養総合セミナーF(沖縄伊是名フィールド演習)2015年度2008年度から2013年度まで開講していた「メディアスキル・フィールド・ワークショップ」および、2014年度の教養総合セミナーF(沖縄伊是名フィールド演習)においては、那覇空港近くで借りたレンタカーを用いて沖縄本島を移動し、本島から伊是名島にフェリーでレンタカーを搬送し、さらに、そのレンタカーを用いて伊是名島内を移動し、伊是名島での演習終了後、再び、本島までフェリーでレンタカーを搬送し、本島の演習を継続する方法をとっていた。これは、本島において、那覇から運天港(伊是名島へのフェリーが出港する港)までの区間において、定期的に運行される公共機関が無かったため(臨時運行はあった)、そのような方法を選択するしかなかった。しかしながら、2014年度より、那覇から運天港までの区間に定期運行バスが走り始めたことにより、那覇から運天港までレンタカーを借りる必要が無くなり、伊是名で唯一のレンタカー会社の車保有台数の増加、車両リプレイスにより、伊是名島でレンタカーを借りて演習を安全に行うことが可能になったことにより実現したものである。さらに、2015年の春に成田空港にLCC(格安航空会社)専用ターミナル(ターミナル3)が整備されたことにより、東京〜那覇において格安航空会社を利用しやすくなった。さらに、那覇において新しく出来た格安ホテル(LCH)を利用することにより、学生の負担を大幅に軽減(前年度比較で約2万円)することが可能になった。本島内において、レンタカーから定期運行バスに交通機関を変更したことによって、運転担当のスタッフは長時間の運転からも解放され、より安全な合宿演習の遂行が可能となったことも大きなメリットであった。
長距離バスおよび路線バスを利用した体験型プログラムの構築および実践 授業科目名:教養総合セミナーF(沖縄伊是名フィールド演習)2016年度那覇から運天港までの区間にやんばる急行バスが定期便として運行を開始したことにより、2015年度より、那覇から運天港までの往路においてレンタカーを使う必要が無くなったが、伊是名島での演習を終え、伊是名から本島に戻った後、本島の北谷にあるボクネン美術館において伊是名村出身の版画家・名嘉睦稔氏による特別授業を行っているため、運天港から那覇までの復路においては、2015年度はレンタカーを名護で借りて北谷を経由して那覇に戻らなければならなかった。しかしながら、レンタカーを運転するスタッフの疲労のことを考えると、特に復路に使っていたレンタカーを公共交通機関に置き換えることにより、安全性が高められると考え、2016年度より、高速道路を走るやんばる急行バスを途中下車し、路線パスに乗り換えることで、目的地である北谷のボクネン美術館に向かうことが可能であることが判明した。さらに、北谷での演習を終えた後、那覇に向かう路線パスを利用することで、那覇で宿泊するホテルの近くまで戻ることが可能となり、安全に那覇に戻ることが可能となった。さらに、やんばる急行バスの高速バス停から路線パスのバス停まで10分ほど歩くことになるが、人通りの少ない幅の広い歩道を移動するため、安全にバスを乗り換えることが可能であった。2015年度までレンタカーの利用が必須であったが、このように公共交通機関をできるだけ利用する行程により、より安全に本島における移動が可能になった。
地域交流を目的とした「もの作りイベント」の実施 授業名:教養総合セミナーF(沖縄伊是名フィールド演習)2016年度教養総合セミナーF(旧メディアスキル・フィールド・ワークショップ)においては、地域の子供会との協力により、様々な交流イベントを実施してきた。2016年度においては、「パブリックリテラシー」の関連イベントと実施した「ダレデモドーム」制作イベントを沖縄伊是名フィールド演習にもそのまま持ち込み、9月11日、伊是名区子供会の協力をもとに、伊是名区の小学生、中学生、そして、教養総合セミナーFの履修者である本学学生が協力し合って、「ダレデモドーム」の設計者である村上祐資先生の指導の下、「ダレデモドーム」制作イベントを実施した。現地の子どもたちと一緒に、何かを作り上げるというイベントは初めて行ったが、地域との交流という観点からもとても有意義なイベントとなった。「ダレデモドーム」を制作した後、村の交流施設をお借りし、子どもたちとともにたこ焼きを制作するイベントも行った。子どもたちは、「食」の制作にも興味を持ってくれて、保護者のみなさんともども、楽しい時間を共有できたことが大きな成果としてあげられる。
地域レストランとの連携を取り入れた体験型プログラムの構築および実践 授業科目名:食農フィールド演習2016年度2016年5月の学外合宿において苗植えし、夏に収穫した野菜(トマト、ルッコラ、バジル等)を八ヶ岳エリアで営業しているイタリアレストランに無償提供し、お客様に出される料理の一素材として利用してもらった。収穫された野菜を無駄なく多くの方に食べてもらえることと同時に、近隣のレストラン業界との交流を通じて、様々な職業への興味を育むことができた。「食」を通じた新たな地域交流の形として、今後も展開していく予定である。
みんな食堂「仙川スープ」とのコラボレーション授業準備 授業科目名:自然といのち2022年度2021年7月より、仙川駅近くにありますコミュニティ・カフェ「POSTO」において、毎月第3水曜日に、みんな食堂「仙川スープ」がオープンしており、その中でボランティアで「読み聞かせ」を行っています。みんな食堂「仙川スープ」は、本学正門近くにある「ベーカリープロテア」の店主川崎友子氏が運営しており、過去に開講されていた「食農フィールド演習」において、「食と健康」についてお話いただいた実績があります。そこで、2020年より開講している「自然といのち」において、「食と健康」というテーマを地域連携という形でコラボレーション授業を行う準備を進めている。2023年度には、なんらかの形で授業に参加して頂く予定です。
II 研究活動
著書・論文等の名称 単/共 発行・発表の
年月
発行所・発行雑誌等
(巻・号を含む)の名称
該当頁数共
著者名等
【著書】
【MISC】
【論文】
白百合女子大学における情報教育の30年(1988-2018):創造的学習としての情報教育共著201912白百合女子大学研究紀要 白百合女子大学 5559-88 大久保 成、高田 夕希、長屋 和哉、三日市 紀子、阿久戸 義愛、房 賢嬉、村上 晶、村木 桂子、倉住 修、山内 宏太朗
【口頭発表】
III 学会等および社会における主な活動
年月日 学会等名称