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授業情報/Course information

科目一覧へ戻る 2020/12/07 現在

科目名/Course title 世界の中の日本思想/Philosophical Thoughts and Ideas in Japan
担当教員(所属)/Instructor 黒住 真 (基礎教育センター)
授業科目区分/Category 共通科目 
授業形態/Type of class 講義
開講期/Semester 2020年度/Academic Year  通年/ONE-YEAR
開講曜限/Class period 木/THU 4
対象所属/Eligible Faculty
対象学年/Eligible grade 1年 , 2年 , 3年 , 4年
単位数/Credits 4
副題
/SubTitle
日本における思想形成:近世から近代、アジア・西欧との比較を視野に
授業のねらいと達成目標
/Course Objectives
この授業はディプロマポリシー(資格)に繫がる「時代を超えて普遍的に求められる深い教養と知性、自己を発見する心を持つ自立した女性になるための基礎的な能力を身につけている」に対応しようとします。 ただし方向はそうであれ、内容はそれぞれ違います。以下それをより述べますから、ご自身なりに考えてみて下さい。
日本で人々は、東アジアや欧米さらに地球上と関わる内外の流通の中で、文化の基礎となる思想・宗教などを種々に形づくって来ました。では、その思想・宗教と称されるものはどんな内容であり、どのような歴史を持って現在に至って来たのでしょうか。この授業では、その形態や時代的な変化を、要点となる事柄や思想家の内容をとらえ知ります。それは日本以外の諸地域との交流や比較にもなります。
授業概要
/Course description
まず日本という場所が、地球上で思想的文化的にどんな位置を占めているのか、世界史を踏まえ大掴みにとらえます。次に時代ですが、今回は、近世(戦後、ある根・型をつくった江戸期)から近代(維新後、欧米との交流での形態をつくった明治大正昭和期)をおもにとらえ、そこから現代(地球化する20世紀末以後)への意味をとらえ考えます。
 日本において近世は、武家が政治を公家が文化を担う、各藩の多元的な世界です。そこには先立って諸宗教またキリスト教との衝突があり、そこから内部において種々の思想・宗教の融合形態が作られました。そこでは言語が大きな働きをしており、ひとつは漢籍、もう一つは和書です。それらを持った資料は具体的に担われるとき、どんなテキストの変化や形成になるのでしょうか。この種々の広がりや伝播をまた生活への介入をとらえます。
近代は、まず欧米の文化を科学とともに影響され、また一国への集中が行われます。そこには幕末までの多元的な場面もありますが、思想や宗教の国家中心のさらなる融合形態があります。この授業では、その近代的な様子をとらえ、また特に哲学思想家たちの言説を追います。たとえば西周・大西祝といった人は、漢籍を背景に持ちながら、西欧の哲学をもとらえていました。西田幾多郎は、禅仏教や陽明学を背景に持ちながら欧米の近代哲学から遡る仕事をします。岩下壮一は、西洋における、ギリシア哲学、キリスト教に基づく中世哲学からの秩序が、普遍的な意味をもつ、と考え、そこから日本・東アジアをとらえます。これらの思想家たちの要点は、それは今後を考える手掛かりにもなるでしょう。
授業計画(授業の形式、スケジュール等)
/Class schedule
前期:
1 世界文化史とその再考
2 日本の思想文化の組立の動向とその秩序
3 日本思想の近世に向かう出来事とその課題
4 近世初期の融合形態と実践 
5 中江藤樹の心学と聖人
6 漢籍・朱子学と伊藤仁斎の批判
7 漢学者・伊藤仁斎の聖人・活物・日常生活
8 荻生徂徠の翻訳論また農本封建制の治世
9 近世前期・漢籍による言語的秩序の形成
10 近世中期・言語的秩序の変容:初期宣長への動向
11 近世中期・本居宣長の情緒的人々と天照御神
11 近世中期の国学的神道と諸宗教──本居宣長 古事記・神話ほか
12 直毘霊の前途・事件と融合
13 近世中期・経済の発生と石田梅岩
14 レポート、議論など
後期:
1 近世後期の農業・経済思想──二宮尊徳ほか
2 幕末の宋学と国家神道―水戸学
3 幕末の宋学の展開と五箇条の誓文──横井小楠
4 明治初期の宋学とキリスト教──中村正直
5 明治中期の国学と哲学・諸思想―井上哲次郎ほか
6 大日本帝国憲法と諸思想
7 近代日本の民衆宗教・民俗
8 明治中期のキリスト教と哲学──大西祝 
9 明治中期の社会思想──片山潜 
10 明治後期の哲学と宗教──西田幾多郎ほか
11 大正期のデモクラシーと地震・恐慌による昭和前期変容―吉野作造・農本主義
12 昭和前期の唯物論と観念論
13 昭和前期の哲学と宗教──岩下壮一
14 戦時期の哲学と宗教――西田幾多郎
準備学習・履修上の注意
/Notices
後期のテーマは、
幕末・明治以後、日本が纏められる時期、人々の仕事はどうなりまた自然やさらに天皇のことはどうとらえられたのか、を有名な思想家や哲学者の発言をもとにみます。
ほぼ昭和前期(敗戦まで)としますが、今後への示唆もあたえてくれる時期です。

方法としては、
講義内容における詳しいレジュメ(内容)と資料とを配付します。
それをよく読んで、コメントを出して下さい。時間はまた指示しますが、一日以上の余裕を持つことにします。ご自分の読み込み・考えをまた記してください。
それをまた次回、お伝えし、さらに次の課題に進みます。
教科書・参考書等
/Textbooks
【教科書】
とくに決めません。授業中に資料を配付します。

【参考書】
授業中に指示します。
成績評価の方法
/Evaluation
【評価方法】
学期末試験(60%)、授業への参加(40%)

【評価基準】
基本的な状態です。

【課題(試験やレポート)に対するフィードバックの方法】
学期中のものは、次回に議論します。
備考
/Notes
◆この授業には次の要素を取り入れています。
【討議(ディスカッション、ディベート)】
コメントにより必要に応じて行います。その他、授業中に指示します。
要素III(基礎的素養)
遠隔授業のため、manabafolioで各回の要旨をレジュメで載せます。
その内容から、いくつか、各自のコメントを求めます。

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