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授業情報/Course information

科目一覧へ戻る 2023/03/18 現在

科目名/Course title 専門ゼミ/Seminar (third and fourth years)
担当教員(所属)/Instructor 辻川 慶子 (文学部フランス語フランス文学科)
授業科目区分/Category フランス語フランス文学科専門科目 
授業形態/Type of class 演習
開講期/Semester 2023年度/Academic Year  通年/ONE-YEAR
開講曜限/Class period 水/WED 3
対象所属/Eligible Faculty
対象学年/Eligible grade 3年 , 4年
単位数/Credits 4
副題
/SubTitle
19世紀パリ生活誌—『オペラ座の怪人』と建築・文学・伝説
授業のねらいと達成目標
/Course Objectives
 フランス革命後の19世紀の都市パリは、過去の建造物保存と新たな都市改造計画の中で、次々に姿を変えていきます。その中で誕生した文学作品が、ヴィクトル・ユゴーの『ノートル=ダム・ド・パリ』(1831)であり、ガストン・ルルーの『オペラ座の怪人』(1910)でした。12〜13世紀に建造され、革命後の荒廃に瀕していたノートル=ダム大聖堂は、ユゴーの小説の大成功によって、修復への道が拓かれます。一方、第二帝政期にオスマンによるパリの都市改造が進められる中、1875年に完成したのが「ブルジョワたちの宮殿」とも言われるオペラ座ガルニエ宮でした。時代も異なる二つのモニュメントを舞台にした二つの小説は、建造物をめぐる数々の伝説を取り入れながら、醜悪な怪人を主人公にしたという共通点があります。大きな反響を呼ぶ二作品は、数々の舞台、映画、ミュージカルにリメイクされ、建造物と主人公の二重の魅惑を放ち続けています。
 今年度の専門ゼミではその中でも『オペラ座の怪人』を取り上げ、建築物・文学・伝説という面に着目して、19世紀フランスの文学と社会についての理解を深めたいと思います。前期は『オペラ座の怪人』の小説・映画・舞台・ミュージカルを通して、みなさんにテクスト解釈の発表をしていただく形で進めていきます。後期には、19世紀フランスに関するテーマを自由に選び、学生の皆さんに発表をしていただきたいと思います。
 この授業は、ディプロマ・ポリシーの「専攻する言語と文学、文化に関して、専門的な知見と技能を身につけている」、「専攻する言語や文学、文化について、特定の問題を掘り下げ、自ら調査、研究して考えをまとめることができる」、「異文化と自文化とを見渡す豊かな教養をもとに、多様な人々と協同し、対話する能力を身につけている」に対応しています。
授業概要
/Course description
 ゼミでは、最初の30分程度で、19世紀フランスを中心とした基礎知識の講義を行います。後半の1時間程度では、発表とディスカッションを行います。前期に1回、後期に1回、個人発表を行っていただき、司会も学生が担当します。発表担当者以外も、毎回必ず発言を求められますので、事前に入念な予習をした上で授業にのぞんでください。年間を通して卒論・ゼミ論など論文執筆の方法についても説明します。
授業計画(授業の形式、スケジュール等)
/Class schedule
第1回 導入(1) 19世紀のパリと建築の歴史
第2回 導入(2) 『オペラ座の怪人』とは
第3回 『オペラ座の怪人』小説からミュージカルへ
第4回 オペラ座の歴史  
第5回 19世紀とグランド・オペラ
第6回 人物類型と物語構造
第7回 オスマンによるパリ都市改造計画
第8回 建築物と文学作品
第9回 ジャーナリズムと新聞連載小説
第10回 伝説と虚報から小説へ
第11回 推理小説、怪奇小説、メロドラマ
第12回 崇高とグロテスク、光と闇、昼と夜
第13回 オペラ座という空間
第14回 レポート執筆について
第15回 前期のまとめと評価
第16回 後期導入(1) 小説、舞台、映画、ミュージカル
第17回 後期導入(2) リライトとアダプテーション
第18回 登場人物のキャラクター造形と物語構造(1) 
第19回 登場人物のキャラクター造形と物語構造(2) 
第20回 登場人物のキャラクター造形と物語構造(3) 
第21回 カーニバルと仮面舞踏会(1)
第22回 カーニバルと仮面舞踏会(2)
第23回 現実・伝説・幻想(1)
第24回 現実・伝説・幻想(2)
第25回 リライトとアダプテーション(1)
第26回 リライトとアダプテーション(2)
第27回 リライトとアダプテーション(3)
第28回 その他の発表
第29回 その他の発表
第30回 まとめと評価
進度は履修者の関心や理解度によって変更することがあります。
準備学習・履修上の注意
/Notices
 ゼミではディスカッションを中心に進めますので、配布プリントを参考に入念な準備を行ってください。
本授業の予習・復習にはおおむね4時間を想定しています。
【授業外学修の内容】
毎回の授業の予習と振り返りを行うこと。授業において指示した課題を行うこと。
教科書・参考書等
/Textbooks
【教科書】
ガストン・ルルー『オペラ座の怪人』(村松潔訳、新潮文庫、2022年)

【参考書】
ガストン・ルルー『オペラ座の怪人』(平岡敦訳、光文社古典新訳文庫、2013年)
ジョエル・シューマッカー監督映画『オペラ座の怪人』(2004年アメリカ)
成績評価の方法
/Evaluation
【評価方法】
口頭発表(30%)、前期レポートと夏休みの読書ノート(20%)、学年末レポート(30%)、平常点(20%)

【評価基準】
授業への積極的参加、配布プリントへの取り組み、口頭発表、前後期末レポートを見て総合的に評価します。 

【課題(試験やレポート)に対するフィードバックの方法】
授業中のコメントやmanabacourseなどでフィードバックを行います。
備考
/Notes
【討議(ディスカッション、ディベート)を取り入れている】
【グループワークを取り入れている】
【発表(プレゼンテーション)を取り入れている】
【フィールドワーク、実習、実験、実技を取り入れている】

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