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科目一覧へ戻る | 2020/12/07 現在 |
科目名/Course title | アメリカ文学講義A/Lecture on American Novels A |
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担当教員(所属)/Instructor | 朝日 由紀子 (文学部英語英文学科) |
授業科目区分/Category | 英語英文学科専門科目 |
授業形態/Type of class | 講義 |
開講期/Semester | 2020年度/Academic Year 後期/AUTUMN |
開講曜限/Class period | 木/THU 4 |
対象所属/Eligible Faculty | |
対象学年/Eligible grade | 2年 , 3年 , 4年 |
単位数/Credits | 2 |
副題 /SubTitle |
もうひとりの自分 |
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授業のねらいと達成目標 /Course Objectives |
英米文学だけでなく、19世紀文学に特徴的に見られる興味深いテーマのひとつが、「分身」あるいは「ダブル」である。それは、作家の想像力が人間心理の奥深い闇に分け入って遭遇した謎として、現代の読者にとっても関心を引くテーマである。 本講義の目的は、そのテーマを最も代表する作品を生んだアメリカの作家Edgar Allan Poeに焦点を絞り、その文学世界の特色と、Poeの人間への深い洞察を理解していくことにより、あらためて「自己」の問題を掘り下げていくところにある。 この科目はディプロマ・ポリシーの「専攻する言語と文学、文化に関して、専門的な知見と技能を身につけている。」に対応している。 |
授業概要 /Course description |
小説は、本来、人の生き方に関心をもつ者ならだれでも面白く読めるものであるが、読む技術として、小説技法を知り、文学言語に対する感受性を磨くことで、いっそう深く作品世界を鑑賞することができる。すぐれた小説を読むことは、自分と自分を取り巻く世界を新鮮な目で発見していくことにつながることを、授業を通じて経験していってほしい。 Edgar Allan Poe の短編"William Wilson"(1839)と、中編"The Fall of the House of Usher"(1839)を取り上げる。Poeは、 自身の言葉によれば、「魂の恐怖」というテーマに心奪われた文学者であった。本講義で考察する作品は、魂の中にひそむ理性では捉えられない闇の力の探究者Poeの代表的な作品である。「分身」をめぐる問題を考察する上で、最適な作品といえる。 |
授業計画(授業の形式、スケジュール等) /Class schedule |
作品研究として、まず"William Wilson"を読む。この古典的な作品から「分身」あるいは「ダブル」というテーマのもつ面白さを知り、さらに、そのテーマに対する問題意識を深める。その上で、"The Fall of the House of Usher" に登場するロデリック・アッシャーとその双子の妹マデラインとの関係を考察する。また、両方の作品は、 「語り手」が語っていく一人称形式の作品であることにも注意したい。 1回目 授業の進め方について説明 2回目 「テーマ」に関する解説 3回目 Edgar Allan Poe の生涯と文学活動について 4回目 William Wilson-1の解説 5回目 William Wilson―2の解説 6回目 William Wilson―3の解説 7回目 William Wilson―4の解説 8回目 William Wilson―5の解説 9回目 The Fall of the House of Usher―1の解説 10回目 The Fall of the House of Usher―2の解説 11回目 The Fall of the House of Usher―3の解説 12回目 The Fall of the House of Usher―4の解説 13回目 The Fall of the House of Usher―5の解説 14回目 The Fall of the House of Usher―6の解説 15回目 まとめ |
準備学習・履修上の注意 /Notices |
文学作品を通じて、「人間」について、「自己」について、深く考えてみるという態度で授業に臨んでほしい。 |
教科書・参考書等 /Textbooks |
Edgar Allan Poe /Tales of Mystery and Imagination/ (Oxford UP) "William Wilson" "The Fall of the House of Usher" |
成績評価の方法 /Evaluation |
毎回の授業で、配信する「作品解説資料」を参考にしながら作品を読み、リアクションペーパーを提出する。それにより、出席確認と評価を行う。期末に課題レポートの提出を 求めるので、これらを総合して成績評価をする。 |
備考 /Notes |
本授業は、主にCampusSquareを利用した【オンデマンド型】遠隔授業として実施する。 |