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授業情報/Course information

科目一覧へ戻る 2024/03/14 現在

科目名/Course title 初等教育演習Ⅱ/Seminar for Child Care and Primary EducationⅡ
担当教員(所属)/Instructor 宮下 孝広 (人間総合学部初等教育学科)
授業科目区分/Category 初等教育学科専門科目 
授業形態/Type of class 演習
開講期/Semester 2024年度/Academic Year  後期/AUTUMN
開講曜限/Class period 火/TUE 2
対象所属/Eligible Faculty
対象学年/Eligible grade 3年 , 4年
単位数/Credits 2
授業のねらいと達成目標
/Course Objectives
 担当者は、教育心理学と教育方法を専門としているので、これらの領域に関する研究と実践を、共に学んでいきたいと考えている。
 また、将来、教育者・保育者となる者として教科指導や教育・保育の各領域に関する理論と方法について学び、また教育・保育現場で生じる問題に対しての専門的研究と課題解決に向けた教育・保育実践に繋がる研究視点や手法を学び、卒業研究に繋げる力を培う。
 具体的なテーマは、教示行為の発達、表象の発達、及び心理学的アプローチによる教室での実践研究である。これらについて学ぶことを通じて、「教育心理学」と「教育方法」の授業で扱った内容を振り返り、「初等教育基礎演習」で学んだ諸領域の理論や知識を活用しながらさらに深化させ、4年次の「卒業研究」に向けて研究の方法論と具体的な心理学的アプローチについて基本的な事柄を習得することを目標とする。
授業概要
/Course description
子どもは日常的な経験から学ぶだけでなく、周囲の子どもや大人に自分の知っていることを教えることができる。その原初的な形態はすでに1歳代から見られ、幼児期を通じて認知発達・社会性の発達が進むにしたがって、やって見せる、言葉で教える、さらには教える相手が何を求めているかの理解に基づいて、あえて教えないという教え方をするようにもなる。児童期になれば学校での授業場面でお互いに教えあったり、発表というかたちで学んだことを伝えたりするように発展する。
 心理学の領域ではこのような内容は「教示行為の発達」というテーマで研究されており、また協同学習や協調学習といった学習形態の研究としても扱われる。
 教示行為の発達の基盤となるのが「表象の発達」である。教示行為においては学び手である他者の心の内を表象することが課題となるが、表象の発達は、もともと自己の周囲にある外界を頭の中に思い描くことから始まっている。その発達過程がどのようなものであり、複雑化・高度化する中で、教示行為を含む様々な認知的活動が、どのように深化していくのかについても概観する。
 この授業では「教示行為の発達」とその児童期以降の発展、さらには「表象の発達」に関する文献講読を通じて、その基礎となる心理学的な研究方法についても学ぶ。
 並行して、主には小学校における実践研究に関する文献を講読したうえで、それらを参考にしながら参加者各自が取り組む実践研究について、その構想の報告と討論を行いたい。幸い学生諸姉は2年次までに教育体験、保育体験で子どもたちと直接関わる機会を持っており、3年次も何らかのかたちで継続している人も多いと期待される。日常の何気ない活動の中で、子どもの教示行為や表象活動に関する知見(必ずしもこれらにこだわらないが)を拾い上げ、研究としてまとめていくことを行うことを通じて、4年次の卒業研究への第一歩としたい。
授業計画(授業の形式、スケジュール等)
/Class schedule
(前期から続けて)
第16回:概説⑤:表象の発達
第17回:心理学文献講読④メディア理解と表象発達
第18回:心理学文献講読⑤「魔術」と表象発達
第19回:心理学文献講読⑥ファンタジーと表象発達
第20回:概説⑥:表象発達から見た遠隔教育の課題
第21回:教育実践研究④:学校におけるフィールドワーク①学力格差に向き合う学校
第22回:教育実践研究⑤:学校におけるフィールドワーク②力のある学校
第23回:教育実践研究⑥:学校におけるフィールドワーク③学力保障の要因
第24回:心理統計学の基礎①:データの数値化
第25回:心理統計学の基礎②:関係の把握
第26回:心理統計学の基礎③:統計的検定
第27回:心理統計学の基礎④:サンプリング
第28回:課題研究①:研究テーマの検討(個人発表1)
第29回:課題研究②:研究テーマの検討(個人発表2)
第30回:課題研究③:研究テーマの検討(個人発表3)、まとめ
第28回~30回の個人発表は参加者全員が順に行う。
準備学習・履修上の注意
/Notices
演習科目なので、各自の分担に応じて、準備を入念に行ってもらいたい。また発表や、討論における話題提供など、授業そのものの深まりを学生自身に担ってもらうことも多いので、積極的な参加を期待している。
各回の授業外学習時間は4時間程度を想定している。
【授業外学修の内容】
毎回の授業の予習と振り返りを行うこと。授業において指示した課題を行うこと。
教科書・参考書等
/Textbooks
【教科書】
 特に使用しない。必要なテキストは配布・配信する。

【参考書】
 その都度紹介する。
成績評価の方法
/Evaluation
【評価方法】
 毎回のコメントの提出や、授業時の発表の内容や討論への積極的な参加といった平常点(40%)と、学年末に提出してもらうレポートの評価(60%)を総合して行う。

【評価基準】
 まとめのレポートは、授業で扱った内容についての理解と考察の深まり、そして研究の視点の広がりと明確化を重視して評価する。

【課題(試験やレポート)に対するフィードバックの方法】
 希望者に個別に指導する。
備考
/Notes
【討議(ディスカッション、ディベート)を取り入れている】
【グループワークを取り入れている】
【発表(プレゼンテーション)を取り入れている】
【フィールドワーク、実習、実験、実技を取り入れている】

科目と卒業/修了認定に関する方針(ディプロマ・ポリシー)の対応一覧
/Diploma Policy
https://www.shirayuri.ac.jp/campus/enrollment/diploma01.html

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