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授業情報/Course information

科目一覧へ戻る 2021/10/30 現在

科目名/Course title 保育の心理学Ⅱ/Child Care Psychology Ⅱ
担当教員(所属)/Instructor 目良 秋子 (人間総合学部初等教育学科) , 宮下 孝広 (人間総合学部初等教育学科)
授業科目区分/Category 初等教育学科専門科目 
授業形態/Type of class 演習
開講期/Semester 2021年度/Academic Year  前期/SPRING
開講曜限/Class period 月/MON 1
対象所属/Eligible Faculty 人間総合学部初等教育学科/Faculty of Human Studies Department of Child Care and Primary Education
対象学年/Eligible grade 3年 , 4年
単位数/Credits 2
授業のねらいと達成目標
/Course Objectives
子どもの心身の発達と保育実践について理解を深め、生活と遊びを通じて学ぶ子どもの経験や学習の過程について知る。また発達心理学・教育心理学・臨床心理学の3つの視点から保育における発達援助について理解する。

この授業はディプロマ・ポリシー中の「子ども一人一人をかけがえのない存在としてとらえ、その個性を尊重しながら知性と感性をともに育んでいくことができる」「人間の生涯発達を見通し、子どもに必要な支援を与えることができ、また保護者にも適切な情報や助言を提供することができる。」に対応している。
授業概要
/Course description
生活と遊びを通して学ぶ子どもの経験や学習の過程を理解し、保育における発達援助について学ぶ。2人の教員が共同で担当し、それぞれの立場から準備した文献の講読と、その内容をめぐっての討論によって進めていく。受講者はすでに保育実習を経験していることと思うが、そこでの知見を、発達心理学・教育心理学・臨床心理学などの理論とつき合わせ、保育実践に関する理解を深化させてもらいたい。

目良担当分
 子どもの生活や遊びのなかで経験することや学ぶことを、発達という視点から捉えていく。子どもの発達は、個人差、環境要因、そしてそれらが相互作用するなかで進んでいく。特に、乳幼児の環境や他者とのかかわりに注目して、具体的な子どもの姿の意味を心理学の理論から考察する。授業では、子どもの行為に関するトピックスをあげ、それらに関連する文献を講読し、生態学的アプローチから子どもの行為の意味と環境とのかかわりについて考えていきたい。子どもと環境に関する最新の文献を講読し、子ども理解から発達援助の方法について考えるところまで繋げたい。

宮下担当分
 アメリカのNICHDという研究機関が行った保育に関する大規模な調査結果の報告書(日本語訳)を中心に、文献講読と討論を行う。研究の結果としては、保育所で行われる保育が家庭における親の養育に決して劣るものではないことが明らかにされ、しかしそれを実現するためには保育の質をはじめ、家庭や親に係わる要因も含めていくつかの条件を満たす必要がある、と論じられている。さらにアメリカと制度も実践も異なる日本の場合はどうなのかについて、これも調査資料等に基づいて考察する。
授業計画(授業の形式、スケジュール等)
/Class schedule
本授業の進め方は、受講者を2グループに分け、各教員が7回ずつ担当し、途中で交替する(計15回)。初回は合同のオリエンテーション(2グループ共通)とします。

第1回 オリエンテーション(本授業のねらいと内容、授業の進め方等について)
第2回 文献講読① 子どもにとっての“環境”を考える-人間発達の生態学から-
第3回 文献講読② 子どもの園生活と環境 “境界”について考える
第4回 文献講読③ 子どもの家庭環境と学力格差① 家庭の経済と学力の関係
第5回 文献講読④ 子どもの家庭環境と学力格差② 親の養育態度と学力の関係
第6回 文献講読⑤ 子どもの問題行動と養育者の育児不安
第7回 文献講読⑥ 子どもと養育環境-アタッチメント理論から考える-
第8回 まとめ 子どもを取り巻く環境について
第9回 文献講読⑦ NICHDの研究の概要(発表と討論、以下同じ)
第10回 文献講読⑧ アメリカの保育に関する量的要因
第11回 文献講読⑨ アメリカの保育に関する質的要因
第12回 文献講読⑩ 日本の保育に関する量的要因
第13回 文献講読⑪ 日本の保育に関する質的要因
第14回 文献講読⑫ 日本の保育実践の特質
第15回 まとめ 日米の比較の視点から

注:第2グループは第2~8回と第9~15回の順序が入れ替わる。

準備学習・履修上の注意
/Notices
提示された文献を熟読すること。わからない語句等については、各自調べておくこと。質問を受け付けるので、予習・復習また今後の学修の発展に役立てること。各回の授業外学習時間(予習・復習)には4時間程度かかると想定される。
事前学習:授業資料や文献をあらかじめ読み、自分の意見をまとめる。
事後学習:授業内容を整理し、課題に関するレポートを作成、提出する。
教科書・参考書等
/Textbooks
【教科書/Text books】
 指定なし。

【参考書/Reference books】
 随時紹介する。
成績評価の方法
/Evaluation
【評価方法/Evaluation】
 毎回の授業課題(60%)と担当教員ごと(7回分)のまとめレポート(40%)により評価する。
【評価基準】
 授業で扱ったテーマを理解し、持論を展開できる。
【課題に対するフィードバックの方法】
 提出された課題にコメントを返す。
備考
/Notes
5/3は遠隔授業(オンデマンド型)で実施する。

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