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科目一覧へ戻る | 2024/03/14 現在 |
科目名/Course title | 臨床心理学研究法特論/Clinical Psychological Research Methods |
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担当教員(所属)/Instructor | 小山 真弓 (人間総合学部発達心理学科) |
授業科目区分/Category | 修士 発達心理学専攻専門科目 |
授業形態/Type of class | 演習 |
開講期/Semester | 2024年度/Academic Year 後期/AUTUMN |
開講曜限/Class period | 火/TUE 3 |
対象所属/Eligible Faculty | 大学院文学研究科博士課程(後期)発達心理学専攻/Graduate School of Liberal Arts Department of Developmental Psychology,大学院文学研究科博士課程(前期)発達心理学専攻発達心理学コース/Graduate School of Liberal Arts Department of Developmental Psychology Course of Developmental Psychology,大学院文学研究科博士課程(前期)発達心理学専攻発達臨床心理学コース/Graduate School of Liberal Arts Department of Developmental Psychology Course of Clinical Developmental Psychology |
対象学年/Eligible grade | 1年 , 2年 , 3年 |
単位数/Credits | 2 |
副題 /SubTitle |
臨床心理実践の実績と臨床心理学の知見の循環を目指して |
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授業のねらいと達成目標 /Course Objectives |
今日の心理援助に対する社会的要請に応えるために臨床心理実践の実績を積むことが重要であり、その基盤となる学問体系が臨床心理学である。よって、心理援助の責務に応えるべく、学問体系の構築発展が急務である。そのための臨床心理学研究では、学問的知見を臨床実践の場に提供して実践力の底上げを図るとともに、実践での実績経験を還元した理論化をより確かなものにする研究を推し進めるべく、その模索の只中にある。臨床心理学の研究対象としては心理治療・援助方法、心理アセスメント、治療・援助論に大別されるが、研究知見が学問体系の構築発展に寄与するためには、それぞれの研究対象に適した研究法を選択することが大切である。 そこで本授業では、それぞれの研究対象にはどのような臨床心理学的研究法が有効かについて、検討し判断する力をつけることを目的する。 |
授業概要 /Course description |
これまでの臨床心理学研究を概観しつつ、今後の研究法の多様性、可能性について検討する。具体的に心理アセスメントの実践研究法としてロールシャッハ・テスト(以下ロ・テスト)を取り上げる。人格検査法のひとつであるロ・テストは、100年近く前に考案された手法であり、その研究開発の歴史は長いが、これまで心理測定的手法としての信頼性、妥当性に関し、実証性という観点から多くの批判を受けてきた。近年、この批判に答えるべく、これまでの研究知見を包括しさらに実証性を追及した体系(包括システム)が考案され、現在も進化発展している。そこでこの手法について、臨床的実践例(報告省の作成の仕方、報告の仕方)及び、研究手法(臨床的特徴の記述、テスト技法としての検証など)の運用例について紹介し、実践性、実証性の両面に関しその妥当性を検討する。 |
授業計画(授業の形式、スケジュール等) /Class schedule |
第1回 授業内容及び進め方についての説明、ロ・テストのテスト事例①概要 第2回 ロ・テストのテスト事例①解釈のための予備知識 第3回 ロ・テストのテスト事例①構造一覧表と特殊指標の解説 第4回 ロ・テストのテスト事例①解釈(前半) 第5回 ロ・テストのテスト事例①解釈(後半) 第6回 ロ・テストのテスト事例①結果の運用について 第7回 ロ・テストのテスト事例②概要、スコアリングの確認 第8回 ロ・テストのテスト事例②解釈(その1) 第9回 ロ・テストのテスト事例②解釈(その2) 第10回 ロ・テストのテスト事例②解釈(その3) 第11回 ロ・テストのテスト事例②報告書作成および報告の実際について 第12回 ロ・テストを用いた調査研究、事例研究の紹介 第13回 ロ・テストを用いた実践研究の紹介 第14回 臨床心理学研究の多様性と可能性 第15回 臨床心理学研究の歴史と動向 |
準備学習・履修上の注意 /Notices |
ロ・テストの実施法については、最低限の理解と技法習得(ワークブックの熟読、コーディングの練習)をしておくこと。投影法特論の受講が有効。 |
教科書・参考書等 /Textbooks |
【教科書/Text books】 J.E.エクスナー著、中村紀子他監訳.『ロールシャッハの解釈』金剛出版、2002 J.E.エクスナー著、中村紀子他監訳.『ロールシャッハ・テスト 包括システムの基礎と解釈の原理』金剛出版、2009 【参考書/Reference books】 下山晴彦・丹野義彦編著.『講座臨床心理学2巻臨床心理学研究』東京大学出版,2001 I.B.ワイナー著、秋谷たつ子・秋本倫子訳.『ロールシャッハ解釈の諸原則』 藤岡淳子・中村紀子他著.『エクスナー法によるロールシャッハ解釈の実際』金剛出版,1995 |
成績評価の方法 /Evaluation |
【評価方法/Evaluation】 授業態度20%、リアクションペーパーの内容40%、課題レポート40% 授業態度には、分担発表の内容を含む。 【評価基準】 発表に関しては、内容の理解度、リアクションペーパーに関しては感想にとどまることなく理解や意見の記述が含まれていること、課題レポートに関しては、まとめが目的に即しているかその適合性をみる。 |
備考 /Notes |
この授業には、次の要素を取り入れています。 【発表(プレゼンテーション)】解釈演習において、分担個所を発表して戴きます。 また、 【教科書】『ロールシャッハの解釈』に関しては、研究室に所蔵されているものを全員が一冊ずつ借り出せるように手配する予定です。詳細は追って連絡いたします。 この授業は、臨床心理士及び公認心理師の資格を有し、医療施設や私設開設の領域での実務経験及び臨床指導の経験、研究実績のある教員による授業であり、それらの臨床経験、研究実績を生かして実践的授業を行うものです。 |
科目と卒業/修了認定に関する方針(ディプロマ・ポリシー)の対応一覧
/Diploma Policy
https://www.shirayuri.ac.jp/campus/enrollment/diploma01.html