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授業情報/Course information

科目一覧へ戻る 2020/04/16 現在

科目名/Course title 児童文学特殊研究A/Specialized Studies in Children's Literature (A)
担当教員(所属)/Instructor 石井 直人 (人間総合学部児童文化学科)
授業科目区分/Category 修士 児童文学専攻専門科目 
授業形態/Type of class 演習
開講期/Semester 2020年度/Academic Year  通年/ONE-YEAR
開講曜限/Class period 火/TUE 3
対象所属/Eligible Faculty 大学院文学研究科修士課程/Graduate School of Liberal Arts,大学院文学研究科博士課程(後期)/Graduate School of Liberal Arts,大学院文学研究科博士課程/Graduate School of Liberal Arts,大学院文学研究科博士課程(前期)/Graduate School of Liberal Arts
対象学年/Eligible grade 1年 , 2年 , 3年
単位数/Credits 4
副題
/SubTitle
2000年代以後の児童文学史
授業のねらいと達成目標
/Course Objectives
2020年の現在において児童文学の批評を実践することをめざす。そのために、2000年代の児童文学史の定説の再検討および各ジャンルの作品の具体的な検討を行う。これらの模索を踏まえつつ、レポートにおいて、じぶんの関心にしたがって、現代の児童文学について批評を書いてみることを目標とする。
*この授業は、ディプロマ・ポリシー中の「児童文学および児童文化に関する広い視野と高度な知識を身につけていること」および「研究倫理の遵守と、専門分野に関する適切な研究方法に支えられた、高度な情報収集能力を持ち、文献・資料を読み解く力を身につけていること」に対応している。
授業概要
/Course description
現代の児童文学。作品史と批評史。そのなかで2020年の現在がどういう位置にあるのかを知ろうとすること。2001年刊行の『はじめて学ぶ日本児童文学史』「第18章 多様化の時代」において1960~1990年代あたりまでの見取り図を記したが、その後の20年の動向を考えたい。藤本英二や赤木かん子の本からいくつかのヒントを取り出した後、前期は、リアリズム/ファンタジー/ナンセンスという児童文学のわけ方を踏襲して特徴やその変容を見てみる。後期は、児童文学のテリトリーじたいが変容していることを踏まえて童話/YA/エンターテインメント/翻訳という仮の区分を設けて仮説を探してゆく。いずれの論点においても、背後に具体的な作品が想定されているけれども、授業計画にはその一部を示している。
授業計画(授業の形式、スケジュール等)
/Class schedule
第1回:テーマの設定
第2回:「21世紀こども文学論」
第3回:「リアル系・空想系」
第4回:リアリズム1その原理
第5回:〃2ズッコケVSゾロリ
第6回:〃3ソシアビリテ
第7回:〃4ゼロ度:岩瀬成子『もうひとつの曲がり角』
第8回:ファンタジー1その原理
第9回:  〃2ゲドVSハリポタ
第10回:〃3ダークファンタジー
第11回:〃4仮説の文学:佐藤まどか『つくられた心』
第12回:ナンセンス1その原理
第13回:〃2ポスト長新太
第14回:〃3シュール:晴居彗星『お父さん、牛になる』
第15回:発展的学習のプラン
第16回:「児童文学」と競合するジャンル
第17回:童話1ポスト安房直子
第18回:〃 2詩と批評
第19回:〃 3永遠の宮澤賢治
第20回:〃 4幼年童話:たかどのほうこ『へんてこもりにいこうよ』
第21回:YA1『青春の終焉』
第22回:〃 2YA!ENTERTAINMENT
第23回:〃 3横超:いしいしんじ『麦ふみクーツェ』
第24回:エンターテインメント1ゲーム的世界
第25回:〃         2かるみ・速度・スーパーフラット
第26回:〃         3予言:上橋菜穂子『精霊の木』
第27回:翻訳1英語圏以外の文化
第28回:〃 2ユートピアVSディストピア:『小さなトロルと大きな洪水』
第29回:まとめ
第30回:発展的学習のプラン
準備学習・履修上の注意
/Notices
講義形式。プラス質疑応答。
批評・研究は大人の言葉でなされ、理論の用語で語られる。しかし、作品そのものについては読んで面白いという基本のスタンスを忘れずにいてほしい。子どもも研究者も、それは同じだと思う。
各回のアイデアの元になっている文章のプリントなどを配布するので、準備学習や発展的学習として、講義を前提にみずから読むこと。また、そのテーマから気に入ったり気になったりした本を読んだり考えたりすることこそが学習である。各授業におけるその時間数の平均は3時間程度を予定している。
教科書・参考書等
/Textbooks
【教科書】
とくに指定しない。
プリントを配布する。
その他に必要な作品・文献は適宜指示する。

【参考書】
藤本英二.『人気のひみつ、魅力のありか-21世紀こども文学論』. 久山社,2011年.
赤木かん子.『子どもに本を買ってあげる前に読む本』.ポプラ社,2008年.
鳥越信.『はじめて学ぶ日本児童文学史』.ミネルヴァ書房,2001年
成績評価の方法
/Evaluation
【評価方法】
授業での質疑応答など平常点30%とレポート70%を総合して評価する。両者の合計60%以上が単位認定の条件。

【評価基準】
平常点は、授業の参加度・質疑応答・復習や+αの学習の程度など、レポートは、知識の正確さの他にテーマの理解度・文章の表現力・発想のユニークさ・先行研究の参照数・インターネット資料の取り扱いの適切性などをみます。

【課題に対するフィードバックの方法】
レポートは、採点後、コメントを付して返却する。

備考
/Notes
                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                

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