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授業情報/Course information

科目一覧へ戻る 2023/03/18 現在

科目名/Course title 児童文学特殊研究D/Specialized Studies in Children's Literature (D)
担当教員(所属)/Instructor 佐藤 宗子 (人間総合学部児童文化学科)
授業科目区分/Category 修士 児童文学専攻専門科目 
授業形態/Type of class 演習
開講期/Semester 2023年度/Academic Year  通年/ONE-YEAR
開講曜限/Class period 水/WED 2
対象所属/Eligible Faculty 大学院文学研究科修士課程/Graduate School of Liberal Arts,大学院文学研究科博士課程(後期)/Graduate School of Liberal Arts,大学院文学研究科博士課程(前期)/Graduate School of Liberal Arts,大学院文学研究科博士課程(後期)言語・文学専攻/Graduate School of Liberal Arts Department of Language and Literature
対象学年/Eligible grade 1年 , 2年 , 3年
単位数/Credits 4
副題
/SubTitle
「現代児童文学」を考える
授業のねらいと達成目標
/Course Objectives
日本の「現代児童文学」について理解を深めることを基本とし、そこから近代の児童文学、翻訳・再話群、子どもの文化との関わり等を多角的に考察していくことをめざす。
その際、批評的文章と作品を関わらせつつの読解と、批評的文章の執筆に熟達することを身につける。

【2022年度以前入学者】
この授業は、ディプロマ・ポリシー中の「児童文学および児童文化に関する広い視野と高度な知識を身につけていること」および「研究倫理の遵守と、専門分野に関する適切な研究方法に支えられた、高度な情報収集能力を持ち、文献・資料を読み解く力を身につけていること」に対応している。

【2023年度入学者】
この授業は、ディプロマ・ポリシー中の「児童文学および児童文化に関する広い視野と 高度な知識 に基づいた思考能力」および「研究倫理を遵守 し 、 専門分野に関する適切な研究方法に従って、情報収集を行う能力および 文献・資料を読み解く能力」を身につけていることに対応している。
授業概要
/Course description
今年度は、1960年代なかばに焦点を当てていきたい。前期は、「現代児童文学」出発以降、発展していく状況について、1965~66年に発表された批評を中心に検討していく。各受講者の興味・関心のある分野や、これまでの児童文学履修歴などを考慮して進めたい。
後期は、引き続き66~67年の批評について、同時期に刊行された批評書も念頭に置きつつ、また同時期刊行の代表的な創作にも目を向け、読み解いていくこととする。さまざまな論考や作品をテクストにしながら、各受講者の問題意識を尊重しつつ、テクストを基にしながらも、適宜問題をトピック的に拾い上げていけるように努める。
授業計画(授業の形式、スケジュール等)
/Class schedule
前期は批評的文章の再録集である『現代児童文学論集』のうち、1965年から66年にかけての部分を取り上げていくことを中心とする。テクストについては、プリントを配布するなどする。その際、下記の流れは随時、変更していくことがある。受講者の状況を確認しながら、進め方については途中で柔軟に対応する。
第1回 はじめに――「児童文学」に関する認識の確認
第2回 日本の児童文学における「現代児童文学」と1965年の状況
第3回 鳥越信「日本児童文学の戦後二十年」
第4回 上野瞭「「ビルマの竪琴」について」…前半を読む
第5回 上野瞭「「ビルマの竪琴」について」…後半を読む
第6回 新冬二「失われた時間を求めて」
第7回 大藤幹夫「上・加太理論を批判する」
第8回 上笙一郎「大藤批判を批判する」
第9回  横谷輝「いま児童文学にとって何が必要か」➀
第10回  横谷輝「いま児童文学にとって何が必要か」➁
第11回  古田足日「戦後の創作児童文学についてのメモ」(一)
第12回 古田足日「戦後の創作児童文学についてのメモ」(二)
第13回 小沢正「ファンタジーの死滅」…『目をさませトラゴロウ』を参考に
第14回 乙骨淑子「戦争体験の作品化」…『ぴぃちゃあしゃん』を参考に
第15回 中間まとめ…同時期の創作について

後期は、再録集収録の1966~67年の批評を読んでいくことを中心とする。また、その後、この時期の創作から、代表的な日常的作品に注目して、複数の作品を読み、問題追究を図る。各受講者の問題意識を尊重しつつ、テクストを基にしながらも、随時問題をトピック的に拾い上げていく。各受講者が自身の問題意識とすり合わせつつ、「児童文学」の課題を追究していくように努める。
第1回 石上正夫「こどもと戦争児童文学」上
第2回 石上正夫「こどもと戦争児童文学」下
第3回 大藤幹夫「再び〝大衆的〟児童文学について」
第4回 加太こうじ「児童文学大衆化論序説」
第5回 秦敬「〝白い花〟の系譜」
第6回 秦の論に関連して、今江祥智作品
第7回 上野瞭「わたしにおける「起点」」
第8回 横谷輝「戦争児童文学の問題」
第9回 皿海達哉「非戦争体験者から見た戦争児童文学」
第10回 鶴見正夫「戦後の子どもの歌・序」…童謡・少年詩について
第11回 横谷輝「再説・戦争児童文学の問題」
第12回 横谷輝「児童文学批評の方法」
第13回 大石真『チョコレート戦争』
第14回 古田足日『宿題ひきうけ株式会社』
第15回 この年代を考える―総括

なるべく視野を広げることを意識しつつ、進行する予定である。
全体的に、進め方としては、
・受講者各自の問題意識の表明
・受講者各自の基礎知識の確認
を、意識していきたい。
準備学習・履修上の注意
/Notices
各自の問題意識に絡めて、視野を広げるよう、さまざまな作品や批評に接してほしい。
各授業における予習復習時間数の平均は4時間程度の予定。
受け身の受講態度にならないよう、授業中も積極的に発言することが望まれる。
教科書・参考書等
/Textbooks
【教科書】テクストは、前期・後期ともに、再録集の分についてはプリントを配付する予定である。また、取り上げる創作作品については、各自手配してほしい。

【参考書】必要に応じて、授業時に随時指示する。
成績評価の方法
/Evaluation
【評価方法】
レポート(60%)と、授業への参加状況(40%)をもとに評価する。
授業で扱ったことを念頭に置いて、各自、適宜のテーマを設定し、授業期間中の指定した時期に、少し長めのレポートを書いてもらう。毎回の授業時のコメントや参加状況も、それに加味する。レポートについては口頭でコメントを付す。

【評価基準】
レポート=適切な課題設定、論理性、表現力の点から評価する。
授業への参加状況=積極的に発言し、授業に参加しているかという点から評価する。

【課題(試験やレポート)に対するフィードバックの方法】
全体にわたることは授業時に総括的にコメントをし、その他、個別にコメントを伝える予定である。
備考
/Notes
【討議(ディスカッション、ディベート)を取り入れている】
【グループワークを取り入れている】
【発表(プレゼンテーション)を取り入れている】
【フィールドワーク、実習、実験、実技を取り入れている】

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