英語英文学科
粂井輝子 (教授)
アメリカはいろいろな国から新天地を求めてやってきた人たちによって作られた「移民の国」。「日系移民」という切り口で、アメリカ文化の起源を研究しています。
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(聞き手)(以下略)今年の春からはじまったこの企画も4回目を迎えました。個人的にも、シラバスなどではわからない、先生方の研究内容や素顔に触れることができ、インタビューそのものが楽しくなってきたところです。正直に言いますと、記事は二の次といった感覚でして…(笑)。
ホームページの企画はいつも拝見しています。研究室の様子も写真を撮られることがわかっていましたから、部屋の中を綺麗にしておかなければと思っていたのですが、結局、ご覧のとおりのありさまです。あっ、その辺りは撮らないでください。ぐちゃぐちゃですから…(苦笑)。
早速ですが、先生のご専門は「アメリカ史」・「アメリカ研究」ですよね。このところ、書店へ行くと、とにかく「アメリカ論」的な著作が数多く平積みされ、これがまたよく売れています。9・11の同時多発テロを契機として、「テロとの全面戦争」を前面に打ち出し、アフガニスタン、イラクと軍事攻撃を進めるアメリカ一国主義の背後にあるものは何なのか、その先に何が待っているのかということへの不安感がその背景にあるのではないかと思います。たとえば、アメリカ人ドキュメンタリー映画監督のマイケル・ムーアの「STUPID WHITE M
断片的あるいは一方的な側面からの分析では「アメリカ」という国を語ることはできません。
このインタビューを通して今のアメリカの素顔に迫ろうというのも無理がありますね。アメリカという国はその成り立ちからして特異なものです。
そもそも「アメリカ的」とはいったいどのようなものを指すのかその定義さえ曖昧だと言えます。
ただ、そういった「アメリカ的」と言われるものが過去、どのようなプロセスを経て、そう思われるようになったのか、ということについて焦点を当てて考えていくことは、現在はもちろん、今後のアメリカの動きを考える上で重要なことになってくるのではないでしょうか。流れは突然にして生まれるわけではありませんから。ご指摘の書籍で盛んに指摘されている「新保守主義の台頭」も、その流れの中にあるというわけです。
先生が特に研究テーマとされている「日系アメリカ人史」や「アメリカ合衆国の移民の国民化」というテーマはマイノリティーの立場からアメリカを考えるという側面を多分に持っていると思いますが、研究内容について簡単にお教えいただけますか。
そもそもアメリカはいろいろな国から新天地を求めてやってきた人たちによって作られた「移民の国」とも呼べます。基本的にはアングロサクソン系白人・プロテスタントの文化と言われてきましたが、移民はそれぞれが自国の言語・文化・生活習慣を持ってこの国にやってくる。ところが、アメリカという国は移民を受け入れる寛容さの一方で、移民の国民化を積極的に推し進めてきた国家なのです。マイノリティーである移民がそのような状況の中で、どのように「アメリカ化」されていったのか、また逆に自国の文化をどのように固持しようとしたのか、これは今日言われているアメリカ文化の成立のプロセスを明らかにする意味では欠かせない要素だと思います。私は日系移民という切り口でこの点にスポットをあてていますが、結果としてそれが、「日本の文化」そのものに対する検証につながってくる部分もあり、奥深さを感じています。
白百合では「アメリカ文化概論」や「アメリカ文化講義」といった授業で、アメリカの文化・文学・政治・経済について取り扱われていますが、ほかにはどのような授業を担当されているのですか。
「3年セミナー・文化」ではアメリカの大衆文化をテーマとしています。領域としては幅広いですから、授業科目の副題に「成功神話からバービー人形まで」とあるように、学生各自がアメリカ文化と関わりのあるテーマから自由に題材を選び、研究を進めるものとなります。ちなみにバービー人形などは、日本のリカちゃん人形を想像してもらえばわかるように、時代の変化によって、その衣装やサブキャラクターの設定が様変わりします。ある意味、その時々の生活様式の写し鏡のようなものです。学術的分析をすると面白い結果が出ると思いますよ。また、卒業論文を書く学生を対象とした「特別演習」では、3年セミナーで行った分析をより高度化させた論文作成を進めていきます。過去に学生が扱ったテーマは、「コカコーラ」や「ディズニーランド」といったアメリカ文化の象徴に関する研究のほか、民族問題、家族問題、環境問題など多岐にわたります。
授業のほかに、先生は学内では教務部長として英語英文学科のアドヴァイザーとしても学生のみなさんと関わりを持たれています。その意味では他の先生方とは違った視点で白百合生の素顔に接する機会が多いかと思われますが、その辺りはいかがですか。
白百合の学生は、授業態度がとにかくいいと思います。大学には珍しく(?)、出席チェックが厳しいなんていう事情もあってか、その「学び」に対する真摯な姿勢には好感が持てます。それに、基本的なしつけがきちんとしているというか、目上の人に対する礼儀作法などもきちんとしている学生が多いですね。強いて学生への要望があるとすれば、「もう少し貪欲さを表に出してもいいのでは?」ということかな。ただその辺の「奥ゆかしさ」が昔から変わらない白百合生らしさというところでもあるのでしょう。3年生のアドヴァイザーは今年から担当していますが、できるだけ多くの学生と話をする時間を持てるよう、オフィスアワーのほかに、昼休み時に私の研究室で一緒に昼食をとりながら、コミュニケーションを図る時間をつくっています。「相談」という名目で時間を設けることで生じる堅苦しさを排除する意味では、ざっくばらんな雰囲気で話ができる「ランチアワー」の時間は学生の本音も垣間見られて結構面白いですよ。
どうもありがとうございました。
(聞き手 / 「アンシャンテ」編集部 2003年6月27日 研究室にて)




