教員紹介

 

光延 真哉 講師

専門分野 近世文学、特に歌舞伎を専門にしています。『東海道四谷怪談』の作者として有名な四代目鶴屋南北や、その師である金井三笑といった、江戸時代中期・後期の歌舞伎の作者(狂言作者)を中心に研究しています。
担当科目 文学史II
国語国文学基礎演習I(古典)
国語国文学基礎演習II
近世文学演習
近世文学講義
卒業論文
担当科目の内容 ■演習について
基礎演習Iでは初期の草双紙である「赤本」、基礎演習IIは為永春水作の人情本『春色梅児誉美』、近世文学演習では並木千柳・竹田出雲・三好松洛合作の浄瑠璃『仮名手本忠臣蔵』を読んでいます。
基本的に演習では、江戸時代当時の原本のコピーをテキストとして用い、発表者には、そこに書かれた文字(くずし字)を解読する翻刻の作業と、不明な語句や人物名・地名等に注釈をつける作業を行ってもらっています。近世は多種多様な本が豊富に残る時代で、今日活字化されているものはそのごく一部に過ぎません。古典籍に慣れ親しんで、くずし字を自由に読みこなせる力は、近世文学を学ぶ上で不可欠なものです。
上記の作品は、いずれも注釈書が既に刊行されていますが、発表にあたっては、注釈書の説明をそのまま引用して終らせるのではなく、自分で各種辞書や先行研究を調べたり、さらには江戸時代の文献を読んだりして、注釈をつけた研究者がどのようなものに目を通して一つ一つの項目を記述していったのか、その過程をもう一度自分の力でたどってもらうことを求めています。
自由記述欄 歌舞伎の魅力を挙げればきりがありませんが、そのうちの1つは、我々現代人が、江戸という時代の空気を肌身で感じることのできる数少ない機会であることだと思います。近世文学に限らず国文学研究において大切なことは、自分をいかに対象の時代の人間の感覚に近づけられるかということです。芭蕉のように、歌枕の地に自分の足で立ってみて初めて感じることがあります。近年、各所蔵機関が貴重書の電子公開を盛んに行っており、私もその恩恵に大いにあずかっていますが、しかしそれだけでは、大切な何かが欠けてしまうと思います。古典籍を自分の手にとり、その本に染みこんでいる何百年も前の空気を自分も吸ってみるというあの感慨は、決して忘れてはいけないものでしょう。
月並みな言葉ですが、今やありとあらゆる情報が社会に充ち満ちています。学生のみなさんには、ぜひともそれらを盲信することなく、自らの足で、自らの目で、自らの五感を使って一つ一つの情報を獲得していってもらいたいと思います。事実、先人の研究者達は、そのような地道な努力を積み重ねながら、偉大な業績を築き上げてきたのです。私はそれら先人達には遠くおよびませんが、みなさんが江戸時代の空気を感じられる機会を少しでも多く提供できるよう、全力を尽くすつもりです。

著書

・『江戸の声 ―黒木文庫でみる音楽と演劇の世界―』(東京大学出版会、2006年、共著)
・「勝俵蔵の初期作『けいせい井堤〓』をめぐって」(『近世文藝』83号、2006年1月、※〓は草冠+さんずい+前)
・「金井三笑と中村座」(『国語と国文学』第84巻第1号、2007年1月)
・「『春世界艶麗曽我』二番目後日考」(『国語と国文学』第86巻第1号、2009年6月)

経歴

東京大学文学部卒業。同大学院人文社会系研究科修士・博士課程修了。
日本学術振興会特別研究員(PD)を経て、2010年より白百合女子大学文学部講師(現職)。
博士(文学)。

 
 
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