学びの内容

ゼミ生による「ゼミ紹介」シリーズ(全10回)を始めます!

2022年5月30日

文学部フランス語フランス文学科では、3年生から2年間「ゼミ」に加入します。それぞれのゼミの人数は3、4年生合わせて20名程度。学年の垣根を越え、研究テーマについて、ディスカッションや発表をしつつ知識を深めていく授業です。

これから10回にわたり、フランス語フランス文学会誌『リリア・カンディダ52号』に掲載された、ゼミ生が執筆した紹介文による <専門ゼミ紹介> をいたします。
第一回目は「海老根ゼミ」です。


「海老根ゼミ」(海老根龍介先生)

海老根ゼミでは「リライト」や「アダプテーション」について研究をしています。「リライト」というのは、その名の通り作品の書き換えを意味し、ジャンルを超えた作品の書き換えを「アダプテーション」といいます。
ゼミの一年を通しての主な流れとしては、前期は講義と討論、後期に発表となっています。
まず前期の授業では、いくつかの作品を鑑賞し意見交換をします。例えば、ディズニーアニメ映画と実写映画の二つの『シンデレラ』と、シャルル・ペロー原作の『サンドリヨン』について同一のシーンを比較し、どのような時代背景から書き換えがされているのかなどを、それぞれのジャンルやメディアが持つ特性なども考慮に入れて検討します。
後期は、前期の講義で学んだ作品の掘り下げ方を参考に、個人やグループでテーマ・作品を決めて発表をします。対象となる作品は小説や映画だけにとどまらず、バレエやミュージカルなどの舞台作品、音楽と詩、聖書と絵画など、それぞれ全く異なるものを選んでいます。ここでも発表終了後に意見交換や質疑応答があります。
前後期どちらにおいても大切なことは、内容を聴いた上で自分なりに理解することです。そうすることによって自分なりの考え・意見・疑問点などが生まれてくると思います。学期末にはそれぞれ自分の選んだテーマでレポートを作成します。
ゼミ全体の雰囲気はとても和やかで、今年はコロナウイルス対策のためにグループ発表がおこなわれませんでしたが、学年の境界は感じられず、上級生の発表に対する質疑応答などでも、聴き手側からの積極的な発言が求められ、非常に発言しやすい環境にあります。また、自分の言葉や考えを様々な人に理解してもらうように組み立てて、まとめる力が身につきます。
小説や、映画、舞台が好きな方、物事を論理的に比較することに興味がある方には勧めたいゼミです。


 
 
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