学びの内容

「ゼミ紹介」第5回目は<辻川ゼミ>です!

2022年6月28日

 フランス語フランス文学科の「専門ゼミ」を紹介するコーナー。第5回目は「辻川ゼミ」です。
(フランス語フランス文学会誌『リリア・カンディダ52号』に掲載された、ゼミ生が執筆した紹介文による <専門ゼミ紹介> です)


辻川ゼミ(辻川 慶子先生)

19世紀パリ生活誌——文学・芸術作品と19世紀の衣食住
2021年度の専門ゼミでは、前期は19世紀の文学作品である『椿姫』を読み、割り当てられた箇所を自身で考察し、ゼミ内で意見を述べ合うことで、当時の情景や生活文化の理解を深めていきました。後期は発表中心に行い、各自が興味のある発表テーマを選び、1人30分程で発表、質問という順で行います。ゼミ生全員で発表テーマについて考えます。
発表テーマは人それぞれです。例を挙げると、前期に取り扱った『椿姫』を取り上げ、結婚や高級娼婦、馬車等の興味をもった点について調べる発表や、芸術大国であるフランスの絵画やバレエについて理解を深めるための発表もありました。その他にも、香水やファッション、フランスの模様、建築スタイル、写真技術、19世紀の衣食住、マスメディアといったテーマがあり、19世紀フランスを様々な角度で知ることができます。また興味深いのが、全く関係がないテーマであっても、発展していく過程に共通点が見られることです。そこでテーマ間に繋がりが生まれるため、フランス文化の奥深さを感じることができます。

各々文献を通して準備を行うため、非常に濃密な内容の発表が続きます。発表および発表後の質問や感想を通して、フランスに関する新しい気付き、日本に関する気付きも生まれてきます。自分の興味のあるテーマを自由に調べ、ゼミ全体で共有することで、さらにテーマを追及できることがこのゼミの魅力です。

私は「フランスと日本におけるバレエ環境の比較」というテーマで、卒業論文を書きました。今までフランスはバレエ大国だと考えていましたが、今回の調査を通してバレエを国家的芸術として支援を掲げている一方で、特にプロバレエダンサーを目指す少数の方へ向けた英才教育に力を入れていると感じました。対して日本では⺠間のバレエ教室が多数存在するため、バレエ人口が多く、裾野が広いため、民間であってもバレエダンサーを目指せることがわかりました。それぞれの良さを取り入れながら、どの指導者からも生徒の才能を活かせるような指導を受けられ、バレエを極められる環境が整えられることが必要だと感じました。

最後に辻川ゼミでは、フランス文学や文化全般からフランスを知ることができます。発表は3、4年生ランダムで、意見も学年関係なく述べていくので、ゼミ全体の信頼感や一体感が生まれます。様々な視点からフランスを見ることで、生活文化の理解を深めることができます。このゼミでは、知識としてフランスを学ぶというよりも、より自然なフランスの理解が得られると思います。一緒にフランス文化への理解を深めていきましょう!


 
 
  

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