学びの内容

【OC報告】7月16日(土)オープンキャンパス報告 模擬授業について

2022年7月22日

7月16日(土)に今年度2回目のオープンキャンパスが行われました。
あいにくのお天気ではありましたが、たくさんの方に足をお運びいただきました。
第2回オープンキャンパスで行われた模擬授業の内容についてご紹介いたします。

模擬授業①
日本語学「博士語の謎-キャラと言葉遣いの結びつきから入る日本語研究-」
担当:川瀬卓先生

特定の喋り方から何らかの人物像を連想させる言葉を、役割語と呼びます。今回の授業では特に「博士語」の起源を、金水敏氏の研究を元に遡りました。
「わし」「そうじゃ」「知っておる」などの言葉で、博士や老人を連想する人が多いと思いますが、実は西日本の方言と似ている部分があります。そのイメージのルーツは江戸時代の歌舞伎まで遡ることができます。江戸時代後半、江戸では関東周辺の言葉をベースとして江戸語が出来上がりますが、老人は由緒正しい言葉として上方語(今で言う関西の言葉)を使っていたという時期があったようです。歌舞伎では、それが図式的に割り当てられていて、老人が「じゃ」や「おる」などの上方風の話し方をします。ここでまず、「上方語=老人」のイメージが定着しました。
この後、現実では、江戸語(そして後の時代では東京語)が世代を問わず話されるようになるのですが、メディア(文芸・演劇など)ではその点が更新されません。そのため、上方語=物知りな老年層というイメージが引き継がれます。やがて、物知りな老年層は博士というキャラクターとしても現れるようになります。メディアの中で引き継がれていった結果、上方語=物知りな老年層=博士という連想が、現代まで用いられているのですね。
このように国語学では、日本語の仕組みを探ることができますよ。
 
 
模擬授業②
近世文学「江戸のクイズに挑戦しよう!」
担当:宮本祐規子先生

江戸時代、社会が安定して人々の識字率が伸び、版本(はんぽん。印刷された本)が増えました。
江戸時代の人は絵が大好き!
「判じ絵」をクイズ形式に紹介して頂きました。
まずは土地を紹介した「江戸名所はんじもの」から。矢を4本持った武士の絵が表すのは「四谷」、赤い羽の絵が表すのは「赤羽」でした!
他にもユーモアに富んだ判じ絵を楽しく見ていきました。
 
更に、山東京伝『小紋雅話』という紋様が描かれた本の中のくずし字も紹介。
現在の私たちが使用しているひらがなは51音で、ひらがなの元になった漢字(字母)も同じく51個。
ですが、当時の字母はもっとたくさんありました。斜めになった「こ」のような字は「た」と読みます。この字母は「多」で、現在私たちが使っている字母「太」と違うので、形も違うものでした。
ひとつ知るだけでわかることがどんどん増え、学ぶことは面白い、と感じる時間でした。
 


夏のオープンキャンパスは次回8月6日(土)が最終回となります。
国語学・古典文学の模擬授業をご用意してお待ちしています。

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