学びの内容

【報告】オンライン・スクーリングを開催いたしました(その3)

2023年3月14日

前回に引き続き、今回は現代文をご担当くださった名木橋先生への質問と回答をいくつか紹介いたします。



Q,先生が一番好きな近代文学はなんですか。
 
A,特に太宰治、江戸川乱歩、中原中也、立原道造に関心があります。一番好きな作品は、中原中也の詩集『在りし日の歌』です。
 
 
Q,国語に答えが無いとよく先生から教えられましたが、テストなどには答えがあります。「何が正解で何が不正解なのか」のボーダーラインが未だに理解することが出来ません。大学に入って学ぶことで、その答えは見つけることが出来るのでしょうか。
 
A,試験問題の出題者は、あらかじめ正解・不正解をはっきり設定して問題を作りますから、出題者の考える基準に沿っていない解答は不正解となります。ですが試験でなければ、特に近代以降の文学作品の読解に不正解というものはなく、どのように読んでも正解です(ただし事実誤認など明らかな間違いは不正解となりますが)。
そのうえで近代文学研究では、根拠を作品中の表現や構造、作者の生涯、影響を受けた芸術思潮、時代的文脈などに求め、自身の論をより確かなものへ練り上げていく作業が大切になってきます。近代文学研究の評価は、基本的に【正解/不正解】ではなく、【読みが深い/読みが浅い】、【解釈が精密である/解釈が粗雑である】、【研究として価値が高い/研究として価値が低い】といった基準で判断されることになります。
ではどんな読み方が「深い」のか? あるいはどんな解釈が「精密」なのか? また「価値の高い研究」とはどういったものなのか? これらについて、4月以降少しずつ学んでいっていただければと思います。

名木橋先生の回答は以上となります。

前回の平沢先生の「固定概念に捕らわれない」に引き続き「深い読み方」・「精密な解釈」・「価値の高い研究」も大学でも学びならではのものとなります。4月からの授業を楽しみにしていただければと思います。


 
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