学びの内容

【OC報告】8月4日(日)オープンキャンパス報告 学科紹介・模擬授業について

2024年8月8日

8月4日にこの夏3回目のオープンキャンパスを開催しました。猛烈な暑さと日差しのなかの開催でした。足を運んで下さった皆さまが充実した時間を過ごせていましたらこれほど嬉しいことはありません。ありがとうございました。
 
午前からの開催となった今回のオープンキャンパス、国語国文学科では学科紹介と模擬授業がセットになったプログラムを第一部11:10〜12:10と、第二部14:20〜15:20の2回にわたって実施しました。
学科紹介では、幅広い分野をカバーする専門性の高い学びの環境や、学生へのサポート体制をはじめ、卒業までの学びのイメージやカリキュラムを中心にご説明しました。後半では4名の学生が登壇し、「教職課程」について、日本語教師を目指すコースの「日本語教育副専攻」について、「司書課程」について、そしてゼミについて、体験談を交えて紹介しました。今回模擬授業をご担当の伊東先生(説話文学や『方丈記』『徒然草』などの散文を中心に、平安時代後期から室町時代までの中世文学がご専門)のゼミで学んでいる学生は「蟻の熊野詣(ありのくまのもうで)」という言葉を導入に、卒業論文の研究や、中世文学に触れたきっかけなども交えてのお話をしました。


模擬授業は『百人一首』7の歌「天の原ふりさけ見れば春日なる三笠の山に出し月かも」(阿倍仲麻呂)の歌が取り上げられました。
『百人一首』の成り立ち、7の歌の出典である『古今和歌集』での配置、詞書や左注といった和歌の添え書き、7の歌が引用された『土佐日記』での用いられ方などから読み取れる特性や特徴を7の歌と〈重ねてみる〉ことで「昔、奈良で見た月」と「今、中国で見ている月」という昔と今という時間の対比が見えてきて、「昔の日本でも今の中国でも、同じ月を見ている」「その間、長い歳月が流れた」という解釈ができると学びました。模擬授業を通して、丁寧に〈重ねてみる〉ことで〈由来と広がりを知る〉という大学での古典文学の楽しみ方を参加者は体験できたのではないでしょうか。
さらに授業では、仲麻呂が作った「入唐思帰故国  明王不許東帰去 長作咸陽一老父」という漢詩に注目しました。この漢詩から東の日本、西の中国という感覚が仲麻呂にあったことに気付きます。仲麻呂の漢詩を〈隣りに置いてみる〉ことで、「今日も、三笠の方角から東の空に出た月」「今日も、西の空から見る月」という対比や「長い歳月、私だけは、月のようには東に戻れなかった」という思いが見えてきて、「遠い東の三笠山に出た月を、今日もまた、ここ西の中国で見ているのだなあ」「月だけは毎日通っているが、私は今まで帰れなかった」という解釈ができると導きました。大学での古典文学の楽しみ方として〈重ねてみる〉ことのほかに、このように〈隣りに置いてみる〉ことで〈別の視点からの解釈〉を探究するといった楽しみ方があると学べた授業でした。



プログラム終了後には貴重書展示を中心とした、学科の様子や学生の取り組みがわかる展示ツアーを行いました。200年以上前に出版された貴重な和本を、ガラスケースなしでじっくり見ていただくことができました。また、学生が編集から入稿まで関わった発行物や、日本語教育副専攻で使われている教材について、学生スタッフも加わってご紹介しました。



国語国文学科Instagramでは、模擬授業をしてくださった伊東先生出題のミニクイズも投稿しております!ぜひご覧ください。
 
この夏最後のオープンキャンパスは8月24日(土)に開催予定です。
学食利用もできますため、本学の学生気分で1日をお楽しみ頂けることと思います。
ご来場を心よりお待ちしています。
国語国文学科公式Instagramはこちらから
 
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