学びの内容

ハタノ エツコ

秦野 悦子 教授(学科長)

専門分野

発達心理学(発達語用論 障害児のコンサルテーション 子育て支援)

自己紹介・学生へのメッセージ

■自己紹介
鎌倉で生まれ育ち、家庭を持ってから横浜、川崎と移り住み、その後、藤沢に定住した「神奈川っ子」です。早起きの私は、朝陽のさしこむ書斎で鳥のさえずりを耳にしながら一日が始まります。一日の終わりは、陽の沈んだ海辺で、黄昏時の空が紺碧から紫紺に変わっていく時とともに地球のシルエットを楽しみながら過ごしてみたいものだと思うことがあります。
■研究テーマ
1.保育・教育困難幼児に対する認知特性を生かした保育支援
保育所または幼稚園など幼児集団に通う子どものうち満3歳以上で、明らかな知的障害を伴わないが、行動面・社会面の問題により保育者が保育困難さをもつ子どもを対象に、認知特性、特に認知処理過程のアンバランス、プランニング、注意など「保育困難幼児に対する認知特性を生かした保育教育支援」に向けてのアクションリサーチを行っています。 
2.幼児期のコミュニケーション能力発達評価法の作成と実用化に向けた研究
幼児期後半になると談話能力が発達してくるが、会話やナラティブといった談話能力の発達機序やプロセスの解明や評価の方法論についての研究はまだ十分に進んでいない。そこで3歳以降、学齢期にかけてのナラティブの発達的様相を把握するための基礎資料をデータとし、実用化に向けて発達評価法を作成する。
3.保育をとおしての家族支援
保育は子どもを育て、子どもが育ちあい、それを支える家族も育ちあいコミュニティーが形成される営みです。保育における発達支援の一環として家族支援をとらえました。子どもの育ちが家族の育ちを促す契機、それに果たす保育の質と保育者の役割、家族同士のつながりと子どもの育ちあいのメカニズムから家族支援の可能性について検証します。
■学生へのメッセージ
大学の数年間は学生たちにとってはその後の自分の生き方の決定に大きく影響を与えるという意味で、限りなく大切な日々となります。そういう人たちと接していることの社会的な責任をこの数年、感じることが多くなりました。卒業した後に、この大学で学生生活を送る事ができてよかったと実感できる知的環境や経験を提供したいといつも思っています。正門からチャペルまでの“ささやきの小径”を歩きながら、一人一人にとって最も大切な何かをキャンパスの中で発見していってほしいと思っています。
担当科目
■人間総合学部 発達心理学科
心理学概論B
発達心理学基礎演習A・B
心理学実験Ⅰ
発達心理学演習C
公認心理師の職責
保育内容演習(言葉)
子育て支援論
卒業論文指導

■ 大学院 発達心理学専攻
心理支援に関する理論と実践B(言語発達支援)
心理実践実習BⅠ/BⅡ
心理実践実習C
修士論文指導 博士論文指導
担当科目の内容
■ 人間総合学部 発達心理学科
◇公認心理師の職責
国資格である公認心理師について理解を深め、大学時代に学ぶべき知識、技術、専門性、などについての概観を知る。キャリアとしての心理専門職への進路や方法性を知る。広く心理職の社会的役割について知るとともに、支援における社会文化的背景にも視野を広げるような総合的学習を支援する。
◇発達心理学演習C
専門書や資料を読み込む力をつける。発達や教育、保育や小児保健、発達障害に関する学術誌を基礎資料とする。異なる専門誌を読むことで、研究をするときに、どのような方法が用いられ、どのように結果を導くのかなどの比較対象により学びを深める。履修生相互の議論を通して内容の理解を深め、自律的な学びを継続できる力を確実にする。
◇子育て支援論
行政施策としての地域子育て支援のこれまでを学びながら、子育て支援の課題を理解し、それを充実させるために何か必要かを考える。子育て支援をめぐる問題とその背景について理解を深める。また子育て家庭への支援、社会的子育てへの支援など、子育て支援の基本姿勢とその理論、支援技法、支援の実際について学ぶ。

■大学院 発達心理学専攻
◇心理支援に関する理論と実践B(言語発達支援)
言語発達のアセスメントの方法を知り、具体的事例を通して、ことばの遅れ、ことばの発達からみた障害特性とその支援を知る。保育・教育現場を中心とした言語発達支援を通して言語発達支援の実際を学ぶ。支援の実際については、VTRによる支援技術の学習を行う。フィールドでの発達評価や支援については、事例を通して討論をし、理解を深める。

業績
■著書
・子どもの気になる性格はお母さん次第でみるみる変わる.(2012)PHP研究所.
・最新版1歳6か月から入園まで子育て百科.(2012).ベネッセコーポレーション.
・乳幼児期の言語発達とその障害.(2012). 無藤隆・長崎勤 (編).発達科学ハンドブック6,発達と支援.新曜社,175-185.
・男の子の育て方.(2012).日本文芸社.
・就学を見通した保護者支援をすすめるために.(2013).幼稚園じほう,2013-1,12-18.
・発達心理学事典.(2013).日本発達心理学会(編)丸善,584-585.
・親子で楽しめる 発達障害のある子の感覚遊び・運動遊び.(2013).ナツメ社.
・発達心理学事典.(2013).丸善.
・保育者へのメンタルヘルス. (2013).保育ナビ5, 8-21.フレーベル館.
・保育臨床相談をコーディネートする教師のためのワークショップ研修ガイドブック.(2014).平成25年文部科学省委託「幼児教育の改善・充実 調査研究」.
・園における子どもの育ちを支える保育巡回相談. (2014).発達,139,51-54.ミネルヴァ書房.
・保育巡回相談における保護者支援. (2016).発達,147, 33-39.ミネルヴァ書房.
・保育臨床相談の位置づけ.(2016).日本保育学会(編)保育学講座,第5巻,保育を支え るしくみ.東京大学出版会,109-128.
・臨床発達心理士わかりやすい資格案内 第3版.(2017).金子書房.
・保育への支援.(2017).西本絹子・藤崎眞知代(編).臨床発達心理士の専門性,第4章.ミ ネルヴァ書房,78-118.
・言語発達の生物学的基礎.(2017).秦野悦子・高橋登(編).言語発達とその支援, 第1章.ミネルヴァ書房, 2-22.

■ 論文など
・0~3歳児の親における地域子育て資源の活用とネット利用. 財)こども未来財団, 平成23年度児童関連サービス調査研究事業報告書.2012.
・インクルーシブ保育・教育における日常活動の参加を支援するシステムの研究. 2011- 2013年度基盤研究(C)報告書. 2014.
・園の保育相談力向上のための人材育成に関する研究.平成25年文部科学省委託「幼児教育の改善・充実 調査研究」報告書,94-97,100-103. 2014
・乳幼児の保育現場におけるトランスレーショナル・リサーチ.乳幼児医学・心理学研究,23,1,43-54.2014.
・遊び場面におけるASD幼児とその母親による相互交渉の特徴についての検討.白百合女子大学発達臨床センター紀要,17,82-93.2014.
・幼稚園における子育て支援としての預かり保育:ある自治体での現状と課題.白百合女子大学研究紀要,50,73-90.2015.
・幼児期のコミュニケーション能力の評価指標の作成と言語支援.平成23~26年度科学研究費助成事業基盤研究(C)研究成果報告書.2015.
・自閉症スペクトラム症状(ASC)のある成人のライフヒストリー—診断までのプロセスとその影響に着目して—白百合女子大学発達臨床センター紀要18,61-75.2015.
・保育園3歳児の半年間における仲間関係. 生涯発達心理学研究2015. 生涯発達研究教育センター紀要,7,77-84.2015.
・ウィルミントンTEACCHセンターでのアセスメントと支援.臨床発達心理実践研究,10,2, 122-133.2015.
・長期海外在住経験がもたらす日本社会への再適応.白百合女子大学研究紀要,52,45-69.2016.
・子ども・子育て支援新制度と幼児教育の潮流.生涯発達心理学研究2016.生涯発達研究教育センター紀要,8,33-40.2016.
・インクルーシブ保育・教育において保育の質を支援する総合的システムの 構築.2014- 2016年度挑戦的萌芽研究報告書.2017.
・保育や教育現場における臨床発達支援としてのコンサルテーション.生涯発達心理学研究2017.生涯発達研究教育センター紀要,9,1-9.2017.
・子どもイメージと子ども接触経験と子育て観の関連—女子大学生と男子大学生の比較.生涯発達心理学研究2017.生涯発達研究教育センター紀要,9,79-88.2017.

経歴
■学歴
東京女子大学文理学部心理学科卒業(1974)、お茶の水女子大学大学院人文科学研究科修士課程修了(1976)

■教職歴
お茶の水女子大学文教育学部文部教官助手、道灌山学園保育専門学校専任講師、川村学園女子大学文学部心理学科助教授、教授を経て、2002年4月より白百合女子大学教授。マックギル大学心理学科およびカリフォルニア州立大学サンタバーバラ校(UCSB)大学院 客員研究員(2000年度)。

■その他の職歴
1981年より、主に横浜市と川崎市にて非常勤の心理発達相談員を経て、1986年より、川崎市健康福祉局こども施策推進部保育運営課保育巡回相談員(嘱託)として現在に至る。2006年よりわかふじ幼稚園副園長、2015年より同園長。

■資格
臨床発達心理士スパーバイザー

■所属学会
日本発達心理学会、日本保育学会、日本教育心理学会、日本心理学会、小児保健学会、日本特殊教育学会、
日本乳幼児医学・心理学会、社会言語科学会

日本発達心理学会編集委員、理事、代議員、日本臨床発達心理士認定運営機構資格認定委員長、事務局長、代表理事、保育士試験委員、科学研究費委員会専門委員など歴任。
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