学びの内容

ミヤモト ユキコ

宮本  祐規子 准教授

専門分野

日本近世文学。特に前期小説と演劇について研究しています。

自己紹介・学生へのメッセージ

■国語国文学科
近世文学は、我々に最も近い古典文学です。我々は、どうしても時代で区切りたくなりがちです。近世と近代の間には、古典と現国、という高校で習う大きな区切りがありますので、余計にそう思いがちです。しかし、人間は、明治になったからと言って生まれ変わるわけではありません。文学においても、和綴じの版本は、明治になってもそのままの形で流通していました。そして、内容も、現在ある本は、近世に既にほとんど存在しています。恋愛小説、ファンタジー小説、経済小説、ガイドブック、スキャンダル本などなど。近世は、非常に多種多様な本が出版された時代だったのです。高校ではなかなか触れることのない時代だと思いますが、是非、新しい古典を楽しんで学んで戴きたいと思います。

■大学院 国語国文学専攻
元々母の影響で、歌舞伎や文楽を幼い頃から観ていたこともあって、近世という時代に興味を持ち、大学時代に改めて井原西鶴の浮世草子を読んで「面白い」と思ったことが研究に進んだきっかけです。
現在は、西鶴以後の最大の浮世草子作者である江島其磧を中心に、文化的背景や挿絵・芸能との関係性を中心に研究しています。
担当科目
■国語国文学科
基礎演習(古典)Ⅰ
文学史(中世・近世)
テーマ別研究Ⅰ・Ⅱ
卒業論文

■大学院 国語国文学専攻
近世演習
担当科目の内容
■国語国文学科
◇基礎演習(古典)Ⅰ◇
『百人一首』の近世に出版された解説書を取り上げ、演習発表の基本を学びます。1人一首を担当し、自分で調べ発表資料を作成する過程で、古典文学を学ぶために必要な知識・演習の作法などを身に付けることになります。

◇近世文学演習A◇
井原西鶴の作品を取り上げ、演習発表を行います。他人の発表に対し真剣に向き合うことで、西鶴の解釈をより深めることを目指します。

◇テーマ別研究Ⅰ・Ⅱ◇
卒論に何を選べばよいのか、近世文学の色々なジャンルの作品や、具体的な論点・視点を紹介していきます。近世文学の専門的な知識と調査手法を身に付け、発表及び議論することで、各自の卒業論文につながるよう、準備していきます。

◇卒業論文◇
各自の選んだテーマを掘り下げ、論文の形にまとめていきます。個別に指導して、4年間の集大成になるような卒論を目指します。

■大学院 国語国文学専攻
◇近世文学演習◇
井原西鶴『西鶴諸国はなし』という、怪異小説集を取り上げ、近世文学の面白さと新しさを学びます。先行論文を読み、定説に対する疑義も踏まえながら、自分なりの解釈を目指します。それらを踏まえ、演習発表していきます。
業績
  • 『時代物浮世草子論—江島其磧とその周縁』(笠間書院 2016・2)
  • 『浜辺の文学史』(共著、三弥井書店 2017・2)
  • 「都の錦『好色堪忍ぶくろ』私考」(『日本文学研究ジャーナル』2022・3)
  • 「暁鐘成『子持鼠花山姥』小考」(『国文学研究資料館紀要 文学研究篇』2020・3)
  • 「『役者色仕組』試論 」(『青山語文』2018・3)
  • 「江島其磧の「続編」—時代物浮世草子長編化への試み」(『日本文学』2016・10)
  • 「『怪談御伽桜』とその周辺」(『近世文藝』2014・1)
経歴
日本女子大学文学部日本文学科卒、同大学院文学研究科日本文学専攻博士課程前期修了、同後期単位取得満期退学。博士(文学)。人間文化研究機構 国文学研究資料館特任准教授等を経て現職。
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