学びの内容

ホリ ワタル

堀 渡 教授(基礎教育センター)

専門分野

図書館学
公共図書館の制度的基盤や、収集し提供する資料全般について(図書館で扱う資料とは?その収集、選書、保存、除籍、提供のネットワーク等を)研究しています。
担当科目
共通科目
図書館サービス概論
図書館基礎特論
図書館実習
図書館制度・経営論
図書館総合演習
担当科目の内容

◇図書館サービス概論◇
図書館は大学生になるまでにほとんどの方が使い、なじんできた施設だと思います。公立図書館のサービスは、利用者として「知っている」感じが強いかもしれません。学習のためには基本的にはとてもいいことです。しかし誰でも体験できているのは個別図書館の個別のサービス。そして日本の公立図書館は、(ある面)非常にざっくりとした法律と基準だけでここまで伸びてきた事業です。この科目では、公立図書館の様々なサービスの概要と構造を学びます。図書館サービスの多面性と、それらのつながりを学び、図書館事業全体への理解や、個別サービスへの興味をうながせたらいいと思っています。

◇図書館基礎特論◇
充実した蔵書があってこその図書館です。まず、公立図書館を成り立たせる背景としての出版業と流通の仕組み・現状を学びます。そこから出版される図書を、図書館では具体的にどんな段取りと立場で、日々、選び続けているのでしょう。選書の集積はどのように利用者に提供されストックされ、図書館員は選書・蔵書形成・保存と除籍にどのように意を注いでいるのでしょう。蔵書データのネット公開はさらに図書館を今後どう変えるでしょうか。既に草創期とはいえない公立図書館は全体として現在どのような施設、そして図書館員とはどのような職業なのだろうかと、できるだけ具体性に即して考えていきます。

◇図書館実習◇
司書課程の他の科目で学んだ様々な知識を背負って、公立図書館の現場でスタッフの側に入らせてもらい、夏季休暇の期間中に2週間程度の図書館実習を行ないます。現場では、日々、図書館の力を蓄え、日常を円滑に動かし、利用者の快適な利用を支える様々な仕事が行なわれています。司書資格は全体として図書館の仕事につくための実学です。実習経験は「仕事としての図書館」への理解を各段に深め、以後の学習への参照材料を与えてくれるでしょう。受講者は4月から事前学習を行ない、実習に備えます。

◇図書館制度・経営論◇
実務的な図書館の技術とサービスを学ぶ内容が多い司書科目の中にあって、「図書館制度・経営論」は、公立図書館がどういう法と制度に基づいて設置され、自治体の施設として運営されているのかを学ぶ科目です。他の科目とは異質ですが「制度・経営」を知ることは、職業としての司書にとって必要な基礎知識です。端的には利用者に便利で快適なサービスが行なわれていれば、よい図書館経営がされていると言えるでしょうが、それにはどうしたらいいのでしょう?現在はどんな法と行政の枠組みに図書館事業があるかを知り、しかし図書館としてはこうでありたいと考える。「行政の仕組みとしての図書館」を知ることで、「図書館」をより立体的に理解できるようにしたいと考えています。

◇図書館総合演習◇
『市民の図書館』(日本図書館協会 1970年刊)と、『これからの図書館像~地域を支える情報拠点をめざして(報告)』(文部科学省 2006年)という、時代を隔てて発表され、公立図書館のビジョンを描いた二つの重要な文書を、書かれた時代や図書館状況を振り返りながら、じっくり読んでいきます。現在の司書科目の内容の多くが、二つの文書で描かれ提案されていることの各論とも言えるでしょう。様々な科目で部分的に触れられている文書を通しで読む。そして、公立図書館の現在と今後の姿を考えましょう。
 

業績
■著書・論文
『東京にデポジットライブラリーを 多摩発、共同保存図書館基本構想』(共著)(2003年 ポット出版)
「『選書する私』をめぐって」(『みんなの図書館』2003年2月号)  
「県立図書館の役割ってなんだろう?-データを用意して論じよう」(『ず・ぼん19号』2014年4月)
「『多摩デポ』が考えてきたこと」(『みんなの図書館』2015年3月号)
「公共図書館と出版界の関係をねじらせるな」(『出版ニュース』2015年3月上旬号)
「公共図書館の蔵書構築と共同保存事業」(『情報の科学と技術』65巻9号2015年)

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