学びの内容
眞榮城和美 准教授

マエシロ カズミ

眞榮城 和美 准教授

専門分野

・発達心理学
・臨床心理学
・自己心理学
・発達精神病理学

「人が心身ともに健康な生活を送る際に求められる要因」について関心を持ち、研究活動を行っています。具体的な研究テーマは以下の通りです。
 ・移行期にみる子どもの自己有能感・社会的受容感の機能
 ・幼児期から児童期初期における自己有能感・社会的受容感の発達プロセスと機能
 ・子どもの社会性と自己感の発達に関する縦断的研究
 ・子どもの自己感の発達に関する遺伝要因・環境要因の検討
 ・家族の精神的健康に関する縦断的研究
 ・ソーシャル・エモーショナル・ラーニング(社会性と情動の学習)プログラムの実践に関する研究 
 ・森林セラピーの心理学的効果測定

自己紹介・学生へのメッセージ

私は、心理学を学び始めた大学生の頃から「自己感」をテーマにした研究に取り組んできました。
「自己感」つまり、自分に対する意識や感情については、古来、さまざまな領域で議論され続けているテーマではありますが、「自己」について科学的に探求し、エビデンス(根拠)に基づく理論を展開していこうとする心理学の手法に魅力を感じて研究活動を継続しています。
また、ソーシャル・エモーショナル・ラーニング(社会性と情動の学習)プログラムの実践と効果に関する研究を通して、「心理学で得られた知見は“心の防災訓練”としても有効である」と実感しています。
具体的な研究の成果等については授業の中で紹介していきます。
担当科目
■人間総合学部 発達心理学科
心理学実験Ⅰ
発達心理学基礎演習A
発達心理学概論A
心理学研究法Ⅰ・Ⅱ
心理演習
心理実習
卒業論文


■大学院文学研究科 発達心理学専攻
心の健康教育に関する理論と実践
心理実践演習C
修士論文指導

担当科目の内容
■人間総合学部 発達心理学科
◇発達心理学概論A◇
 人の発達のメカニズムについて理解し、生命の誕生から児童期までの発達の理論について理解することを目的としている授業です。胎児期・新生児期・乳児期・幼児期・児童期前期・児童期後期における発達特徴や発達課題に関する知識の習得を目標とし、視聴覚教材を用いながらわかりやすく解説していきます。

◇心理学研究法Ⅱ◇
  自己感の発達に関する文献を講読し,自己概念・自己評価・自己受容といった「自己」に関する概念について理解することを目的としている授業です。また、この演習では、次の3点を達成目標として取り組んでいます。①論文を読む力の向上②論文を要約し発表する力の向上③心理学的アプローチによる研究基礎力の向上。

■大学院文学研究科 発達心理学専攻
◇心の健康教育に関する理論と実践◇
発達精神病理学は、人の発達がどのように生物学的、心理的、社会的要素によって影響を受けているかを解明することを目指している学問領域です(Cummings,Davies&Campbell,2000)。この授業では、教科書として用いる「発達精神病理学~子どもの精神病理の発達と家族関係~」の抄読を通して、発達精神病理学的研究アプローチおよび臨床的応用(予防と治療に関する見解)について学びます。
業績
[論文]
  • 眞榮城和美,藤森秀子,八木下暁子,菅原ますみ 北村俊則 2001 児童期における自己評価と親子相互作用-「意見尊重的態度」に関する分析からー 性格心理学研究第10巻第1号 p58-59
  • 山形伸二,菅原ますみ,酒井厚,眞榮城和美,松浦素子,木島伸彦,菅原健介,詫摩武俊,天羽幸子 2006 内在化・外在化問題行動はなぜ相関するのか-相関関係の行動遺伝学的解析— パーソナリティ研究第15巻第1号 p103-119
  • 眞榮城和美,菅原ますみ,酒井厚,菅原健介 2007 改訂・自己知覚尺度日本語版の作成-児童版・青年版・大学生版を対象として- p182-188
  • 酒井厚,菅原ますみ,木島伸彦,菅原健介,眞榮城和美,詫摩武俊,天羽幸子 2007 児童・青年期前期における学校での反社会的行動と自己志向性-短期縦断データを用いた相互影響分析 パーソナリティ研究第16巻1号 p66-79
  • 眞榮城和美,繁多進,菅野幸恵 2009 乳幼児を持つ母親の自己評価と子どもの問題行動-子どもの安定した愛着形成に関わる母親の自己評価に関する検討を中心として- 白百合女子大学 発達臨床センター紀要 第12号 p37-48
  • 眞榮城和美,西一夫 2009 学習チューター活動による大学生の自己成長過程と学生支援体制に関する検討 『清泉女学院大学人間学部紀要』第5号 p3-17
  • 眞榮城和美 2011 学習チューター活動の支援方法に関する検討
  • -大学内におけるセンター型支援・ネットワーク型支援の在り方- 『清泉女学院大学人間学部紀要』第8号 p15-25
  • 眞榮城和美 2013 幼児期における精神的健康と自己有能感・社会的受容感との関連 『清泉女学院大学人間学部紀要』第10号 p13-20
  • Lucy R. Betts, Ken J. Rotenberg, Serena Petrocchi, Flavia Lecciso,Atsushi Sakai, Kazumi Maeshiro, and Helen Judson 2013 An investigation of children's peer trust across culture: Is the composition of peer trust universal?  nternational Journal of Behavioral Development p33-41
  • 眞榮城和美,酒井彩子,上長然,田仲由佳,前川浩子,松本聡子,則定百合子,梅崎高行,高橋英児,酒井厚 2014 親子の相互作用に関する観察評定マニュアル日本語版の作成-親の評価的フィードバックと子どもの自尊感情の関連から- 『清泉女学院大学人間学部紀要』第11号 p49-58
  • 酒井厚,ローテンバーグ ケン,J・ベッツ ルーシー,眞榮城和美 2015 児童期における仲間への信頼信念と学校での孤独感との関連 -教師や親への信頼信念との交互作用の観点から- パーソナリティ研究第24巻 第1号 p15-25
  • 眞榮城和美,村中泰子,佐野予理子,寺門正顕,田村俊輔,中澤保生 2015 信州版ソーシャル・エモーショナル・ラーニングの開発と展開(1) ~ソーシャル・エモーショナル・ラーニングとしての森林セラピーの展開~『清泉女学院大学人間学部紀要』第12号 p39-52
  • 眞榮城和美,寺門正顕,村中泰子,石井国雄,田仲由佳,田村俊輔,佐野予理子,中澤保生 2016 信州版ソーシャル・エモーショナル・ラーニングの開発と展開(2) ~ソーシャル・エモーショナル・ラーニングとしての森林セラピーの展開2~ 『清泉女学院大学人間学部紀要』第13号 p1-12
  • 眞榮城和美,浅岡 靖央,目良 秋子 2017 教育プログラム推進と地域連携活動の在り方に関する検討 : エデュテイメント大学活動を通して(1)-白百合女子大学研究紀要 53, 93-112.
  • 榊原洋一・村松志野・松本聡子・瀬尾知子・眞栄城和美・Tran Diep Tuan・Kaewta Nopmaneejumruslers・菅原ますみ(2017)「アジアにおける子どもの自尊感情の国際比較」『チャイルドサイエンス』14, pp.39-43.
  • 眞榮城和美・酒井厚(2018)「就学移行時期における子どものQOLの発達と関連要因の検討ー親の自尊感情・養育態度との関連を中心としてー」『チャイルドサイエンス』16、19-24.
  • 眞榮城和美・石沢順子・土橋久美子・やたみほ・大貫麻美・浅岡靖央・目良秋子・宮下孝広(2018)「教育プログラム推進と地域連携活動の在り方に関する検討ーエデュメント大学活動を通して(2)ー」『白百合女子大学大学研究紀要』54、85-99
  • 眞榮城和美・春日文・千﨑美恵 2019 教育プログラム推進と地域連携活動の在り方に-関する検討(3)-ルーブリックを用いた学生の学びの姿-白百合女子大学研究紀要第55号,147-162.
  • 眞榮城和美 2020 教育プログラム推進と地域連携活動の在り方に関する検討(4):大学立地資源を活用した体験的活動による学生の学びの姿-白百合女子大学研究紀要第56号,87-101.
  • 眞榮城和美・目良秋子 2021 放課後等デイサービスにおける演劇アウトリーチ活動の実践とその効果-白百合女子大学研究紀要第57号,185-200.

【報告書】
  • 眞榮城和美・大野祥子・中山千秋・目良秋子・鈴木忠 2019 女子大学生におけるキャリア教育の在り方とその教育効果に関する検討1,生涯発達心理学研究第11号.63-73.
  • 眞榮城和美・田島信元・目良秋子・やたみほ 2020 「地域にひらかれた子育て」に携わる大学の試み-白百合女子大学人間総合学部エデュテイメント大学の挑戦-,子育て研究第10巻,64-65.

【最近の学会発表】
  • Maeshiro K., Murohashi H., Umezaki T., Sakai A.,Tanaka U., Sakai A.The rrelationship between children’s competence and mother’s global self-worth: A Japanese longitudinal study3 .19th European Conference on Developmental Psychology 29 August to 1 September 2019 in Athens, Greece.
  • 眞榮城和美・村松志野・松本聡子・瀬尾知子・菅原ますみ・榊原洋一 就学移行期における子どもの自尊感情と母親の自尊感情との関連 日本子ども学会第16回学術会議プログラム・抄録集,26.於:首都大学東京.
  • 眞榮城和美・鈴木智裕・やたみほ・石坂浩・宮本信也・高橋英児 学校から見る子ども同士の世界(市民公開講座),日本子ども学会第16回子ども学会議プログラム・抄録集,12-13.大会企画シンポジウム2,2019年10月26日,於:首都大学東京
  • 眞榮城和美・田島信元・目良秋子・やたみほ 「地域にひらかれた子育て」に携わる大学の試み-白百合女子大学人間総合学部エデュテイメント大学の挑戦- 日本子育て学会第11回大会,2019年11月30日,於:白百合女子大学
  • 眞榮城和美 セカンドステップの効果 日本こどものための委員会主催 第8回セカンドステップ全国大会,2019年11月24日,於:国立オリンピック記念青少年総合センター
  • 眞榮城和美・酒井厚・梅崎高行・細川美幸・渡辺弥生 2021 就学移行期における子どもの発達と適応-生態学的システム理論に基づく観点からの検討- 日本発達心理学会第32回大会 於:関西学院大学(Web開催)
  • 眞榮城 和美・梅崎 高行・酒井 彩子・前川 浩子・酒井 厚 2022子ども期の社会性の発達に関する縦断研究プロジェクト(19)ー幼児の知的コンピテンスの発達と母親の全体的自己価値感との関連を中心としてー日本発達心理学会第33回大会 Web会場 7AM1-F-PS12 p282 

[著書]
  • 眞榮城和美 2005 自己評価に関する発達心理学的研究 —児童期から青年期までの検討— 風間書房
  • 菅原ますみ 監訳 2006 発達精神病理学 子どもの精神病理の発達と家族関係 E・M・カミングス、P・T・デイヴィーズ、S・B・キャンベル 共著 第10章担当 ミネルヴァ書房
  • 繁多進(編)2009 子育てに活きる心理学 実践のための基礎知識 新曜社 第4章担当
  • 青木多寿子・戸田まり 2009 児童心理学 学文社 第10章担当
  • 眞榮城和美 2010 児童心理学 特集「自己肯定感」を高める セルフエスティームを高める要因—これまでの研究から  金子書房
  • 眞榮城和美 2012 児童心理学 特集 自分を大切にできない子 自己肯定感の構造 —自己肯定感の栄養素と栄養バランスについて考える 金子書房
  • 佐伯素子・齊藤千鶴・目良秋子・眞榮城和美 2013 きほんの発達心理学 おうふう
  • 中里至正・松井洋・中村真 2013 新・心理が宇の基礎を学ぶ 第4章担当 八千代出版
  • 眞榮城和美 2014 児童心理学 特集 子どもの怒り 自分の気持ちを落ち着いて話す —セカンドステップの実践から
  • 黒田祐二 編著 2014 実践につながる教育相談 第11章担当 北樹出版
  • 佐伯素子・目良秋子・眞榮城和美・齊藤千鶴・三木陽子 2020 基礎から学ぶ発達心理学 大学図書出版
  • 秦野悦子・近藤清美 編 公認心理師カリキュラム準拠 発達心理学 第12章 パーソナリティの発達担当
  • 相澤仁編集代表・酒井厚・舟橋敬一編 2021 シリーズ みんなで育てる家庭養護3 アセスメントと養育・家庭復帰プランニング 第7章担当
経歴

■所属学会
日本心理学会
日本発達心理学会
日本臨床心理学会
日本教育心理学会
日本パーソナリティ心理学会
子ども学会
双生児研究会
SEL研究会

■資格
公認心理師
臨床心理士
セカンドステップ指導講師

■経歴
2002年3月 白百合女子大学大学院文学研究科 発達心理学専攻博士課程 単位取得満期退学
2003年2月 白百合女子大学大学院文学研究科 発達心理学専攻 博士(心理学)取得
2003年4月 白百合女子大学文学部児童文化学科 研究助手
2006年4月 清泉女学院大学人間学部心理コミュニケーション学科 講師
2011年4月 清泉女学院大学人間学部心理コミュニケーション学科 准教授
2016年4月 白百合女子大学人間総合学部発達心理学科 准教授

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