所属 | 職名 | 教員氏名 | 保有学位 |
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文学部フランス語フランス文学科 | 教授 | 辻川 慶子 | 文学博士 |
教育実践上の主な業績 | 年月日 | 概要 |
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【1.教育内容・方法の工夫(授業評価等を含む)】 | ||
2010年~2011年 | 基礎教育・導入教育において、フランス人TAに協力を要請し、フランス社会についての口頭発表の後に、クラス全員でディスカッションをする機会をもうけた。ただ発表を行うだけではなく、積極的に疑問点を見出し、それを表明する姿勢の涵養を目指している。 | |
2011年~2012年 | 専門教育における作品の読解と分析に関しては、テクスト分析の基礎となるような分析シートを学生に配布し、読解の要点に注意をうながす工夫を行った。さらに興味深い指摘をまとめて翌週にプリントとして配布するなど、学生へのフィードバックを必ず行っている。 | |
2012年~2013年 | フランス語のクラスでは、半期ごとに1枚のファイルを作り、学生に毎回授業で達成したこととや疑問点などを記入させ、これに対して毎回コメントを付して返却している。学生の理解度を一人一人確認することができた上、学生の学習意欲に顕著な向上が見られたのは驚くほどであった。毎回の小テストの結果などもすべてこのファイルに集約しているため、最終的に1年間の学習を振り返ることのできる資料が残る点も有意義であったと思われる。また、2011年度に引き続き、フランス語発表会にクラス参加をし、積極的に学科イベントを授業に取り入れている。一方で、専門演習では、毎回授業内容に即したテーマについて学生に発表をさせ、それに対して学生全員で評価をするなど、学生のプレゼンテーション技能の習熟にも力を入れている。ただ受け身で講義内容を聞くだけではなく、学生が主体的に調査した内容を発表し、また他の学生の発表を聞くことで、授業内容についての総合的な理解が深められたと学生にも好評であった。 | |
2013年~2014年 | 1年生向けフランス語のクラスでは、これまでと同様、半期ごとに1枚のファイルを作り、授業で達成したことや疑問点などを記入させ、これにコメントを付して返却した。また、フランス語圏の文化も紹介するために、毎回5分程度の休憩時間を設け、Youtubeにアップされているフランス語の歌や映画を紹介し、そこで用いられている表現の語彙や発音を練習している。Youtubeを用いることで、学生も関心を持った動画については家で見ることができ、教科書以外での自宅学習が可能となる。さらに、今年度もフランス語発表会にクラス参加をするなど、授業外での学科イベントにも取り組んだ。一方、専門演習では、講義と学生のプレゼンテーションを組み合わせる他、グループ学習も積極的に取り入れた。作品解釈においても、まずは少人数のグループで意見交換をし、討議をすることで、これまでよりも活発な議論が行われ、他の学生の意見に耳を傾ける機会にもなったようである。 | |
・ICT活用 ・ハイフレックス授業 ・学生の交流の機会の確保 | 2021年度 | ・2021年度は、対面授業とオンライン授業がいつ交代するかわからないという中だったため、対面授業でもICTを活用した授業を行なった。具体的には、授業資料はすべてmanaba courseにアップロードし、毎回のリアクションペーパーはレスポンを用いて行なった。特に1年生には最初のアドバイザー面談をzoomで行なったこともあり、オンライン授業への移行も支障がなかった。 ・諸事情でオンライン受講を希望する学生がいたため、フランス語総合IAB、フランス語圏文化概論などでハイフレックス授業を行なった。授業はzoomでの同時配信(または録画配信)を行い、授業資料は紙媒体と同時にmanaba courseでアップロードし、小テストは紙での提出と写真提出を可能にした。授業内の質問やリアクションペーパーはレスポンで共有することができた。オンライン受講が複数名いたため、グループワークもzoom内とクラス内と別々に行うことができた。ホワイトボード全面が映るwebカメラや集音マイクがあったからこそ、乗り切れたと思われる。 ・学生同士のコミュニケーションの機会が減っているという不安を打ち明ける学生が多かったため、専門ゼミでは授業前の昼休みの時間などを利用して、3年生と4年生が交流できる場を設けた。特に就職活動に不安を覚える学生が多かったようなので、自由に就職活動に関しての質問ができる場が数回設けられていた。その内容や補足の資料も、manaba courseの掲示板上で学生が自主的にアップしていた。また、専門ゼミでは、3、4年生の交流をうながすために、メンター制度を導入し、特定の4年生にいつでも相談できる形にしたが、これは学生に大変好評であった。 |
初年次教育の一年次演習では、グループ発表の準備の一環として、図書館実習を行い、またフランス人TAへのインタビューの機会を設けた。文献調査およびインタビューの基礎を学ぶ機会となったようである。 また、フランス語の授業では、音楽・動画資料の紹介も行い、フランス語発表会へのクラス参加を行った。前年に引き続き、リアクション・ペーパーなどを使用することで、学生の質問や要望へのフィードバックを積極的に行っている。 専門ゼミの授業では、レポート・論文執筆の方法を示す一方で、学生のレポートや文学作品アンソロジーを冊子形式で配布するなど、学生各自の積極的参加をうながすように試みた。 | ||
オンライン上の遠隔授業実践 | オンライン上の遠隔授業として行われた中で、zoomを用いたリアルタイム双方向型授業、YouTube上の動画教材などを用いたオンデマンド型授業などを行った。 フランス語科目は、主にzoomを用いたリアルタイム双方向型授業で実施し、文法の説明や発音練習などだけではなく、グループワークでの会話練習、quizletなどを用いた遊戯的練習、音声ファイル提出による発音矯正などを行った。授業で用いた教材、それ以外のフランス語の映画や歌の紹介、その他の教材はGoogleクラスルームにアップし、毎回の小テスト・リアクションペーパーへのフィードバックも行った。また、接続不良などの問題を解決するため、メール以外にもLINEオープンチャットを設置した。特に1年生フランス語科目では、授業に強く満足していた学生は100%であった。 また、初年度教育の軸となるフランス語圏文化概論では、YouTube上にアップした動画教材を用いたオンデマンド型による講義と、zoomによるリアルタイム双方向型授業による口頭発表とディスカッションの二つの方法を組み合わせた。特に前期のグループ発表では、クラスメートとともに発表準備をし、フランス人TAへのインタビューや発表後の質疑応答を行うことで、オンラインではあってもクラスメートと話し合う機会が確保できた意義は大きかったように思われる。 専門ゼミでは、zoomを用いたリアルタイム双方向型授業を行い、研究発表の準備やフィードバックはすべてGoogleクラスルームで行った。急遽オンライン授業になったが、フランス・オルセー美術館の公式サイトを閲覧したり、映画『レ・ミゼラブル』を視聴したりすることで、19世紀フランスに関する知見を深め、さらに作品分析や同時代の歴史調査を行うことができた。 | |
【2.作成した教科書、教材、参考書】 | ||
2012年~2013年 | フランス語のクラスでは、授業の補習プリントを作成し、授業で配布、またマナバフォリオにもアップした。また、全学年共通の課題や教材作成にも参加している。 | |
2013年~2014年 | 1年生向けフランス語のクラスでは、授業の補習プリントを作成し、授業で配布した。また、全学年共通の課題や教材作成にも参加している。 | |
2014年〜2015年 | 1年生向けフランス語のクラスでは、授業の補習プリントを作成し、授業で配布した。また、全学年共通の課題や教材作成にも参加している。 | |
【3.教育方法・教育実践に関する発表、講演等】 | ||
2013年~2014年 | 2013年11月18日(月)に行われた、「白百合女子大学FD教職員ワークショップ2013」にて、「フランス語道場・寺子屋とフランス語発表会」と題する発表を行い、フランス語フランス文学科における授業外学習の取り組みを紹介した。 | |
【4.その他教育活動上特記すべき事項】 | ||
公開講演会「フランス・オペラの誕生—ヴェルサイユ宮廷とパリの間で」(講師:ジュリアン・デュブリュック)企画、運営、司会、通訳 | 20230501 | |
講演コンサート「ヴェルサイユのバロック鍵盤楽器~宮廷から大衆文化へ」(講師:西山まりえ、講演とチェンバロ演奏)企画、運営、司会 | 20230524 | |
言語・文学研究センター公開講演会「プルースト『失われた時を求めて』における庶民の言説」(講師:吉川一義)企画、運営、司会 | 20230614 | |
公開講演会「Une culture sérielle : poétique et esthétique des fictions populaires et médiatiques」(講師:Matthieu Letourneux)企画、運営、司会、通訳 | 20230726 | |
ニューカレドニア大学表敬訪問(ニューカレドニア大学と本学の間における協力に関する合意書締結と今後の協力のため) | 20240214-20240219 |
著書・論文等の名称 | 単/共 | 発行・発表の 年月 |
発行所・発行雑誌等 (巻・号を含む)の名称 |
該当頁数共 著者名等 |
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【著書】 | ||||
GRIHL(グリール) II—文学に働く力、文学が発する力 | 共編者 | 20211115 | 吉田書店 | 野呂康、森本淳生、桑瀬章二郎、嶋中博章、辻川慶子、杉浦順子、中畑寛之、クリスチアン・ジュオー、ジュディット・リオンーカン、ダイナ・リバール、ニコラ・シャピラ |
死霊の恋/化身 ゴーティエ恋愛奇譚集 | その他 | 2023 | 光文社 | 323-388 |
フランス文学の楽しみかた—ウェルギリウスからル・クレジオまで | 共著 | ミネルヴァ書房 | 永井敦子、畠山達、黒岩卓編著 | |
【MISC】 | ||||
宮川朗子・安川孝・市川裕史(著)『フランス大衆小説研究の現在』、広島大学出版会、2019年 | 単著 | 202009 | cahier 日本フランス語フランス文学会 26 | 3-4 |
「公開講演会報告「レチフ・ド・ラ・ブルトンヌとロマン主義作家』(2023年2月18日開催)」 | 単著 | 2024 | 『言語・文学研究論集』 白百合女子大学言語・文学研究センター 24 | 59-61 |
【論文】 | ||||
« Nerval et Rétif de la Bretonne : généalogie, théâtralité et matériau onirique » | 単著 | 2023 | Études rétiviennes Société Rétif de la Bretonne 55 | 71-92 |
【口頭発表】 | ||||
ネルヴァルとレチフ・ド・ラ・ブルトンヌ | 単独 | 20200905 | レチフ研究会 | |
ネルヴァルと集合性の夢——ロマン主義時代における作家の表象と集合的エクリチュール | 単独 | 20210207 | 文芸事象の歴史研究会 | |
ネルヴァル・ファンテジスト——ファンテジー、虚報、幻想 | 単独 | 20210918 | フランス・ロマン主義の歴史的展開についての研究——文学、政治、美学 | |
Témoignage(s) de littérature — 文学は何を証言するか? | 共同 | 20211031 | 日本フランス語フランス文学会秋季大会 | Judith Lyon-Caen, Dinah Ribard, 嶋中博章、杉浦順子 |
Nerval et Rétif de La Bretonne : généalogie, théâtralité et matériau onirique | 単独 | 20230223 | Colloque international franco-japonais : « Les revies de Rétif de la Bretonne : Subjectivités, Généalogies, Morales » | |
Nerval, « dans l’art rien n’est frivole » : fantaisie, religions et création | 単独 | 20230310 | Colloque « Le romantisme et la littérature du Second Empire » | |
「フランス・オペラの誕生—ヴェルサイユ宮廷とパリの間で」 | 監修 | 20230501 | 「フランス・オペラの誕生—ヴェルサイユ宮廷とパリの間で」 | 黒岩卓 |
「ヴェルサイユのバロック鍵盤楽器~宮廷から大衆文化へ」(講演とチェンバロ演奏) | 20230524 | 「ヴェルサイユのバロック鍵盤楽器~宮廷から大衆文化へ」 | ||
「プルースト『失われた時を求めて』における庶民の言説」 | 監修 | 20230614 | ||
Une culture sérielle : poétique et esthétique des fictions populaires et médiatiques」 | 監修 | 20230726 | 久保昭博 |
年月日 | 学会等名称 |
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日本フランス語フランス文学会 | |
日本フランス語教育学会 |