白百合について

学長室の窓から No.34

2022年6月14日

たまごのひみつ

白百合女子大学
学長 髙山 貞美

梅雨の季節です。そぼ降る雨の中、キャンパス内を散策すると、紫陽花が思い思いの色で咲いていて彩りを添えています。この時期は蒸し暑く、天候不順の日もありますが、学生のみなさんにはくれぐれも健康に気をつけてください。

本学の特色の1つに、人間総合学部が企画・実施している「エデュテイメント大学」があります。数年前から開講されている教育プログラムで、当学部の学びの特色を生かし、学び(Education)と遊び(Entertainment)を融合しながら、地域社会との交流を図ることを目的としています。

522日(日)、3号館地階の教室に4歳児から小学1年生までの子どもたち12名と保護者の方々が参加してくださいました。今回のテーマは「たまごのひみつ」で、子どもたちにたまごについて興味を持ってもらい、楽しみながら科学的に理解することがねらいだったそうです。私自身「ひみつ」と書かれた文字を見つけると、好奇心がそそられてしまいます。目玉焼きやスクランブルエッグなどでお馴染みの卵にどんな「ひみつ」が隠されているのでしょうか。初等教育学科の学生10名と教員2名(およびアドヴァイザー1名)がていねいに説明しながら、子どもたちをどんどんひみつの世界へ引き込んでいきました。

まずは、最も身近なニワトリの卵を例にとり、手遊びや紙芝居を通して、卵の栄養分や生命の成長・連続性について学ぶことから始まりました。ニワトリ以外にもカメやハチドリの卵の見本なども紹介されていましたが、何と言っても私が一番興味を持ったのはダチョウの卵でした。初めて見たダチョウの卵は予想以上に大きくて迫力があり(中身は抜いてありましたが)驚きました。

「へんしんするたまご」の話もじつに面白いものでした。卵には、泡立ち、固まる性質があります。相性が悪いはずの水と油を結びつける性質もあり、その特性を活かしてマヨネーズやアイスクリームが作られます。また、卵の中身だけでなく、殻も生活に役立つ材料に変身します。細かく砕いて土とよく混ぜて肥料にしたり、粉々に砕いた殻はチョークを作る材料にもなります。また、車のタイヤを滑りにくくするためにも用いられているそうです。このように卵は料理に使われるだけでなく、食材以外にもさまざまな用途があることが分かりました。

その日の活動の最後に、「たまごのひみつ」を学んだ子どもたち一人ひとりに「たまごはかせ」の任命証が渡されました。そこには、これからの生活においても「たまご」について探求心を持ち、学びを続けてほしいという企画者の思いが込められていました。任命証を手渡された子どもたちは、本当にうれしそうで誇らしげに見えました。そして、私にとっては子どもたちに寄り添い、いろいろな問いと答えを引き出そうとする学生たちの教育熱心な姿がなによりも誇らしく感じました。 

    

 

 

 

 


                 



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