解題の解説

中京大学文学部准教授:浅岡邦雄氏編

《凡 例》本編は、白百合女子大学図書館が所蔵する貴重書のうち、明治初期に刊行されたものの解題である。 配列は分類番号順とし、同一のものは刊行年月の順とした。記述は以下の順に従う(記述を欠くものもあり)。 書名、書名読み、請求記号、著訳編者名、刊年(月)、出版者、巻冊(丁・頁)、印刷・製本、大きさ、表紙、見返し、印記、解説等。 角書きと本書名の間には・(中グロ)を入れた。


【地学事始(ちがくことはじめ)】(請求記号290.1/C43/1〜3)
松山棟庵訳述、明治3(1870)年12月、慶応義塾蔵版、尚古堂発兌、巻之一−巻之三全3冊、整版・和装、18.2×12.1cm。表紙は黄色紗綾形文様、左肩に題箋「地學事始 初編」、見返しは書架に書物配列の図を配し、上部に「明治三年季冬」、中央に「松山棟庵訳述/地學事始/尚古堂発兌」とし、右下に「慶応義塾蔵版之印」の朱印を押捺。奥付は「明治三庚午年十二月/官許/慶応義塾蔵版」

解説)本書は、地球の概略や世界の人種等を分かりやすく説いたもの。松山棟庵は、紀州の人。慶応2年福沢の塾に入門、卒業後大学東校に出仕。明治6年慶応義塾医学校長となる。医書の訳述が多い。

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