1世紀の古い伝説によると、シャルトルではキリスト教が伝播する前から処女懐胎が信じられていた。
2000年間、人びとの汗と手で建てられた聖堂へと、聖母マリアへの厚い信仰に燃えて徒歩で巡礼してくる人びとは途絶えることがない。
巡礼の道は長い。しかし、小麦畑の地平線に目印となって人びとを導いてくれる大聖堂の尖塔、人工の丘の上に建てられた大聖堂の扉は巡礼者たちに荘厳な姿で開かれている。
栄光のキリストが刻まれている「諸王の門」は人びとを聖堂の中へと招く。質素でありながらも明るく輝いている外観に圧倒されながら聖堂内に入ると、なんという薄暗さ。ひんやりと涼しい。
シャルトルブルーとして名高い「美しいガラスの窓の聖母」のステンドグラスはやわらかいブルーの光を発して心に差し込んでくる。聖母は、ひざの上のキリストを訪れる人びとに差し出している。
左側の入り口の近くの「柱の聖母」と呼ばれる聖母子像は、希望と助けと光を待つ人びとのあつい眼差しを受け、やさしい微笑を返している。
シャルトルは巡礼地として、また、聖母崇敬の対象として人びとを魅了している。
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聖堂内部

美しいガラスの窓の聖母
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柱の聖母

柱の聖母像の前で祈るスールたち
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