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授業情報/Course information

科目一覧へ戻る 2021/10/30 現在

科目名/Course title 環境学のフロンティア/Introduction to Advanced Ecology
担当教員(所属)/Instructor 奥村 大介 (基礎教育センター)
授業科目区分/Category 共通科目 
授業形態/Type of class 講義・演習
開講期/Semester 2021年度/Academic Year  前期/SPRING
開講曜限/Class period 金/FRI 5
対象所属/Eligible Faculty 文学部国語国文学科/Faculty of Liberal Arts Department of Japanese Language and Literature,文学部フランス語フランス文学科/Faculty of Liberal Arts Department of French Language and Literature,文学部英語英文学科/Faculty of Liberal Arts Department of English Language and Literature,人間総合学部児童文化学科/Faculty of Human Studies Department of Children's Culture,人間総合学部発達心理学科/Faculty of Human Studies Department of Developmental Psychology,人間総合学部初等教育学科/Faculty of Human Studies Department of Child Care and Primary Education
対象学年/Eligible grade 1年 , 2年 , 3年 , 4年
単位数/Credits 2
副題
/SubTitle
環境の知識論
授業のねらいと達成目標
/Course Objectives
環境とは人間や生物を取り囲み、相互に関係し、直接・間接に影響を与える外界のことです。それをめぐる学問である環境学は、空間や場所に強い関わりをもつ知識であるといえます。本講義では、歴史のなかに現れてきた空間・場所にかかわる知について基礎的な素養を得ることで、今日われわれがそのなかで生きている自然環境・人工環境について、より深く考え、それを保全・維持し、できればそれをよりよいものにしていくための知的な模索のための糧を得ることをめざします。この授業はディプロマポリシーの「時代を超えて普遍的に求められる深い教養と知性、自己を発見する心を持つ自立した女性になるための基礎的な能力を身に付けている」に対応しています。
授業概要
/Course description
この講義では空間と場所に関する文化の歴史を扱います。哲学・文学・絵画・建築・舞台芸術・科学思想・都市計画など多様な材料をもとに、歴史上に現れた空間と場所をめぐる観念を検討することで、今日われわれが生きている場所・空間――家、学校、商業施設、公共施設、街路、都市、鉄道、山野、海洋、田園、宇宙、等々――を考えるための基礎的素養を獲得することを目標とし、理論的なことだけでなく、多数の建築、映画、文学テクストなどを紹介します。まずは、人間が空間や場所への関心をどのような形で文化のなかにのこしてきたのかを知り、それを楽しんでほしいと願います。
授業計画(授業の形式、スケジュール等)
/Class schedule
基本的には講義形式です。ただし、履修人数によっては、履修者の発表・相互討論を中心とした授業(演習形式)にする可能性があります。

第1回 序論と解題――時間と空間の経験、空間と場所、芸術と空間
第2回 世界という大きな舞台――プラトンの理想国、世界創造の場、伝説の陸地
第3回 真空論――何もない空間がある? アリストテレスの場所論、原子と運動
第4回 死者たちの空間――ダンテ『神曲』の階層的世界
第5回 庭について――大航海、記憶の庭と劇場、ポリフィロの夢、英仏の庭園
第6回 廃墟について――崇高、ピクチャレスク、山岳の美学、幻視の建築
第7回 秘境へ、異界へ――ユートピア旅行記の系譜
第8回 空間を管理する――監獄、病院、学校空間
第9回 感染と衛生の空間論――病気が「移る/写る」という空間表象、防疫、衛生警察
第10回 群衆のなかの孤独――ボードレールとベンヤミンの都市、遊歩者の夢
第11回 室内装飾――ユイスマンス『さかしま』の部屋
第12回 都市をつくる――ゲデスの都市進化論、ハワードの田園都市
第13回 幸福な場所――バシュラールの空間論、内密性の夢想、屋根裏と地下室
第14回 前略、道の上より――ケルアック『路上』、今和次郎と考現学、路上観察
第15回  異他なる場所、土着の場所:現代の場所論――ヘテロトピア、バイオリージョナリズム、ポストモダン地理学
準備学習・履修上の注意
/Notices
授業で言及した作品(書籍・映画など)に目を通しておいてください。各授業の予習復習時間数の平均は3時間程度を前提としています。
教科書・参考書等
/Textbooks
【教科書】なし
【参考書】
ボルノウ(大塚恵一訳)『人間と空間』せりか書房、1978年
バシュラール(岩村行雄訳)『空間の詩学』ちくま学芸文庫、2002年
イーフー・トゥアン(小野有五・阿部一訳)『トポフィリア:人間と環境』せりか書房、1992年
フーコー(佐藤嘉幸訳)『ユートピア的身体/ヘテロトピア』水声社、2013年
ケーシー(江川隆男ほか訳)『場所の運命』新曜社、2008年
ベルク(中山元訳)『風土学序説:文化をふたたび自然に、自然をふたたび文化に』筑摩書房、2002年
磯崎新『空間へ』鹿島出版会、1997年。河出文庫、2017年
中谷礼仁『実況・近代建築史講義』LIXIL出版、2017年
バックミンスター・フラー(芹沢高志訳)『宇宙船地球号操縦マニュアル』ちくま学芸文庫、2000年
成績評価の方法
/Evaluation
【評価方法】
 学期末レポート(60%)、リアクションペーパー(20%)、授業への参加度(20%)によって評価します。履修人数により演習形式の授業となった場合、学期末レポートの代わりに授業内での発表内容(60%)をもって評価することがあります。
 各授業におけるリアクションペーパーに書かれた質問や意見については、次回授業内で紹介し、教員の回答やコメントを共有する予定です。

【評価基準】
 レポート(あるいは授業内発表)は、課題で設定した条件を守っており、充分な文献調査に基づき、自身の主張を分かりやすく展開できていることを評価します。また、レポート・発表資料ともに、読み手・聴き手のことを考え、文章表現に工夫・配慮ができていることも評価基準となります。
 リアクション・ペーパーおよび授業への参加度は、授業内容を精確に把握しようと努め、疑問点があれば的確に質問できていること、自分の考えを積極的に主張できていることを評価します。
備考
/Notes
要素Ⅲ(基礎的素養)
本授業は、遠隔授業(オンデマンド型)として実施する
【遠隔授業化による変更:授業方法】
・授業時間までにアップロードされる教材ファイルを読み、講義動画を見た上で、期日までに課題を提出するものとします(オンデマンド型)。
・教材ファイルと講義動画は、必ずしも時間割上の授業日時に見る必要はなく、課題の期日に間に合う限りで、任意の時間に目を通してください。
・講義動画は事前に収録したものをアップロードすることを原則とし、リアルタイム・双方向配信は、少なくとも当面は想定しておりません。
・講義動画を視聴する環境がどうしても整わない履修者に対しては、教材ファイルを読み、課題を提出することで、相応の学習ができるよう配慮します。
・教材ファイルや講義動画について、詳細はcampus squareを通じて、授業日時までに連絡します。

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