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科目一覧へ戻る | 2025/03/14 現在 |
科目名/Course title | 近世文学講義AⅡ/Japanese Literature: the Edo Era (Lecture) A Ⅱ |
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担当教員(所属)/Instructor | 平林 香織 (文学部国語国文学科) |
授業科目区分/Category | 国語国文学科専門科目 |
授業形態/Type of class | 講義 |
開講期/Semester | 2025年度/Academic Year 後期/AUTUMN |
開講曜限/Class period | 水/WED 4 |
対象所属/Eligible Faculty | 文学部国語国文学科/Faculty of Liberal Arts Department of Japanese Language and Literature,文学部フランス語フランス文学科/Faculty of Liberal Arts Department of French Language and Literature,文学部英語英文学科/Faculty of Liberal Arts Department of English Language and Literature,人間総合学部児童文化学科/Faculty of Human Studies Department of Children's Culture,人間総合学部発達心理学科/Faculty of Human Studies Department of Developmental Psychology,人間総合学部初等教育学科/Faculty of Human Studies Department of Child Care and Primary Education |
対象学年/Eligible grade | 2年 , 3年 , 4年 |
単位数/Credits | 2 |
副題 /SubTitle |
井原西鶴の浮世草子における〈身〉の表象について考える |
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授業のねらいと達成目標 /Course Objectives |
井原西鶴は俳諧師でありながら、10年余りの間に約20冊の浮世草子を創作した。没後6年間に遺作集が5冊刊行され続けた。これほど江戸時代の読者をひきつけた理由のひとつに、人々がもっとも興味をもつ恋愛と金銭の問題を多面的に描いたということが考えられる。そのような西鶴作品を〈身〉というキーワードで腑分けし、その内容と表現の魅力を理解する。また、世態人情を剔出する歌舞伎に描かれるさまざまな〈身〉の問題と西鶴文学を比較することによって、江戸時代の恋愛や結婚の種々相についての理解も深めたい。 |
授業概要 /Course description |
〈身〉という語は、日本語に独特な多義的な語である。演劇的な身体論においても、役者の生身の姿と役柄の虚としての身柄との間には深い関係がある。西鶴にも歌舞伎にも、主人公の〈身〉としての容貌や肉体の変化を扱う作品がある。西鶴作品の中からは「黒子は昔の面影」(『武家義理物語』)、「人の花散る疱瘡の山」(『懐硯』)、「小山の関守」(『男色大鑑』)を取り上げる。歌舞伎からは、鶴屋南北の『東海道四谷怪談』と『桜姫東文章』を取り上げ、〈身〉の変化による愛憎表現を西鶴作品を比較し、江戸の悪と闇の形象化について理解する。 さらに、失踪した夫と身体的にそっくりな特徴を持つ男が夫に成りすます「面影の似せ男」(『懐硯』)を扱い、人間の中身とは何かということを考察する。そして、「面影の似せ男」と、16世紀フランスで起きた「マルタン・ゲール事件」をもとにした映画『ジャック・サマーズビー』とを比較することによって、夫婦の愛の問題について考察する。 |
授業計画(授業の形式、スケジュール等) /Class schedule |
第1回:ガイダンス~講義概要と目標・成績評価について~ 第2回:西鶴文学のさまざまな側面について 第3回:天然痘と文学における〈顔〉 第4回:西鶴が描く武士道における〈身〉 第5回:「黒子は昔の面影」における容貌の変化と武家の義理 第6回:歌舞伎『東海道四谷怪談』における忠義と悪の身体性 第7回:西鶴が描く男色における〈身〉 第9回:「人の花散る疱瘡の山」における〈顔〉の変化 第8回:「小山の関守」における歌舞伎役者の〈身〉と〈心〉 第10回:歌舞伎『桜姫東文章』における〈身〉の多様性 第11回:歌舞伎『桜姫東文章』における転生する身体 第12回:西鶴が描く「似せ男」の系譜 第13回:「面影の似せ男」の謎 第14回:『ジャックサマーズビー』と「面影の似せ男」の類似点相違点 第15回:夫婦における本当の愛とは何か~身体論的考察 |
準備学習・履修上の注意 /Notices |
各授業における予習復習時間数の平均は4時間程度を想定。 事前に配布する作品の口語訳を読んで、話の内容を理解しておくこと。 講義後は図書館やジャパンナレッジで関連作品に目を通しておくこと。 |
教科書・参考書等 /Textbooks |
【教科書】 必要に応じてプリントまたはPDFを配布 【参考書】 新編日本古典文学全集『井原西鶴』①~④(小学館) |
成績評価の方法 /Evaluation |
【評価方法】 受講態度 40% 学期末レポート 60% 【評価基準】 受講態度については、講義内課題において自分のことばで自分の考えを述べているかどうかというオリジナリティを評価基準とする。 学期末レポートについては、評価基準を示したルービック評価表に基づき評価を行う。 【課題(試験やレポート)に対するフィードバックの方法】 毎回の講義の冒頭で前回の講義に関する質問や意見のフィードバックを行う。 |
備考 /Notes |
【討議(ディスカッション、ディベート)を取り入れている】 【グループワークを取り入れている】 |
科目と卒業/修了認定に関する方針(ディプロマ・ポリシー)の対応一覧
/Diploma Policy
https://www.shirayuri.ac.jp/campus/enrollment/diploma01.html