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授業情報/Course information

科目一覧へ戻る 2023/03/18 現在

科目名/Course title 近世文学演習B/Japanese Literature: the Edo Era (Seminar) B
担当教員(所属)/Instructor 永田 英理 (文学部国語国文学科)
授業科目区分/Category 国語国文学科専門科目 
授業形態/Type of class 演習
開講期/Semester 2023年度/Academic Year  通年/ONE-YEAR
開講曜限/Class period 金/FRI 2
対象所属/Eligible Faculty 文学部国語国文学科/Faculty of Liberal Arts Department of Japanese Language and Literature
対象学年/Eligible grade 2年 , 3年 , 4年
単位数/Credits 4
副題
/SubTitle
江戸時代の連句を読む(「恋俳諧」を読んでみよう)
授業のねらいと達成目標
/Course Objectives
どんどん世界を転じてゆく俳諧(連句)の付合を理解し、丁寧に読み解いてゆける力を修得することを目的とする。具体的には、季語のある句についてはそのイメージをきちんと理解すること。「恋の詞」のもつ恋のイメージを的確につかむこと。句の解釈に必要な文化・風俗を調べること。典拠のある句については、元になった作品の世界を明らかにすること。一句ごとの内容、二句同士で形成される付合、そして転じについて、受講者各自が想像力を働かせて、豊かな世界を自由に連想してゆくこと、そしてそれらを自分のことばでわかりやすく解説できるようになることを目標とする。それは発表者以外のメンバーについても同様である。発表者以外の人間も、積極的に自分の読みを提示できるようになってほしい。
この授業は、ディプロマポリシー中の「専攻する言語や文学、文化について、特定の問題を掘り下げ、自ら調査、研究して考えをまとめることができる」に対応している。
授業概要
/Course description
連句とは、五・七・五(長句)と七・七(短句)とを交互に詠み連ねながら、さまざまにその世界(付合=つけあい)を転じてゆく詩である。本来、連句はさまざまな句を自由に詠んでゆくものであるが、「恋俳諧(連句)」とは、最初から最後まですべて恋の句で通して詠むという、かなり特殊な形式の連句のことをいう。

本演習では、江戸時代前期に活躍した西山宗因による恋百韻「しれざんしょ」の巻を取り上げる。本作品は注釈がないので、発表者は全員、自力で語の意味を調べながら解釈してゆくことになる。そのための質問にはいつでも応じるので、わからないことはメールなどで問い合わせること。
発表者は、発表予定日の2日前までに作成した資料を講義担当者にメールで送付すること。講義担当者は、その資料を受け取り次第、manaba courseに保存する。
演習発表にあたっては、発表担当者のみならず、履修者全員に積極的な発言を求めるので、そのつもりで履修してほしい。発表者のプレゼン・発表内容については、受講者たちに数日以内にその感想をmanaba course に提出してもらい、後日、講義担当者がまとめて発表者にフィードバックするかたちをとる。
授業計画(授業の形式、スケジュール等)
/Class schedule
第1回:近世文学とは、付合文芸とは
第2回:連句の読み方、演習発表分担決め
第3回:宗因の恋百韻について、演習発表分担最終決定
第4回:宗因の恋百韻、(講義担当者による模擬発表)
第5回:3~6句目(演習発表スタート)
第6回:6~10句目
第7回:10~14句目
第8回:14~18句目
第9回:18~22句目
第10回:22~26句目
第11回:26~30句目
第12回:30~34句目
第13回:34~38句目
第14回:38~42句目
第15回:前期振り返り・解説
夏休み課題(前期末レポート:連句を作ろう)

第16回:42~47句目
第17回:47~52句目
第18回:52~57句目
第19回:57~62句目
第20回:62~67句目
第21回:67~72句目
第22回:72~77句目
第23回:77~82句目
第24回:82~87句目
第25回:87~92句目
第26回:92~96句目
第27回:96~100句目
第28回:予備日
第29回:まとめと解説
第30回:一年通してのまとめ・年度末レポート提出

※受講者数によって、担当句数を変更することもある。
※状況に応じて、Zoomなどによる発表を認めることもある。
準備学習・履修上の注意
/Notices
連句の内容を理解するためには、季語のイメージを的確にとらえたり、各句がふまえている和歌や物語、謡曲などを調べ上げたり、連想語の有無を確認したり、付合がどう転じているかを読み解いたりと、こなさなければならない作業がきわめて多い。そして、限られた文字数で紡がれたことばを、あれこれ関係付けて解釈を創りあげてゆく作業には、論理的思考かつ自由な発想と読解力も要求される。演習発表に際しては、それらの労を厭わずに時間をかけて準備すること。準備のために必要な期間は二~三週間、各回の予習・復習(リアクションペーパーを書く時間も含む)は、各4時間程度かかると想定される。
文献の調べ方など、演習発表のために必要な作業についてわからないことは一から教えるので、気軽に相談してほしい。

【授業外学修の内容】
毎回の授業の予習と振り返りを行うこと。授業において指示した課題を行うこと。
教科書・参考書等
/Textbooks
【教科書】
指定なし。テキストは初回授業までにmanaba courseに保存しておく。
講義担当者が資料および発表者の資料を授業前までに同システム内に保存するので、受講者はそれらに目を通して授業に参加すること。

【参考書】
指定なし。本作品についての注釈はないが、西山宗因の恋百韻については、以下の注釈が参考になる。
・深沢眞二・深沢了子「宗因独吟恋俳諧百韻「花で候」巻注釈」(「上方文藝研究」第15号、平成30年6月)
・『連歌俳諧集』(日本古典文学全集32、小学館、昭和49年)
成績評価の方法
/Evaluation
【評価方法】
演習発表の内容、発表者への質疑応答への参加度、各学期末のレポート。
演習発表とレポート(約7~8割)、質疑応答の参加度(約2~3割)。

【評価基準】
演習発表は、「授業のねらいと達成目標」に示した内容がすべてクリアできているか、論理的かつ自由な発想ができているか、そしてそれらがわかりやすく解説できているかを評価する。レポートも同様。質疑応答の参加度は、前期・後期ともに一定回数の自発的な発言を求める。その回数をクリアできなかった場合は、最終的な成績評価を一段階下げることもある。
なお、自身の演習発表の日に無断で休んだ場合には、その時点で単位を失うことになるので注意すること。

【課題(試験やレポート)に対するフィードバックの方法】
演習発表については、授業内で教員から質問やコメントなどを述べる。受講者の反応については、全員のリアクションペーパーの内容を(名前は伏せて)発表者にフィードバックする。前期レポートについてもmanaba course を通して、コメントを返したい。
備考
/Notes
【討議(ディスカッション、ディベート)を取り入れている】
【発表(プレゼンテーション)を取り入れている】

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