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授業情報/Course information

科目一覧へ戻る 2026/03/18 現在

科目名/Course title フランス社会・生活文化研究D/French Society and Life (D) (Lecture)
担当教員(所属)/Instructor 伊藤 敬佑 (人間総合学部児童文化学科)
授業科目区分/Category フランス語フランス文学科専門科目 
授業形態/Type of class 講義
開講期/Semester 2026年度/Academic Year  前期/SPRING
開講曜限/Class period 火/TUE 4
対象所属/Eligible Faculty
対象学年/Eligible grade 2年 , 3年 , 4年
単位数/Credits 2
副題
/SubTitle
フランス社会における、絵本・児童文学の位置付けの変遷と現状
授業のねらいと達成目標
/Course Objectives
【授業の前提】
フランスの絵本や児童文学は、日本ではあまり読まれておらず、良く知られている作品も多くない。結果、あまり豊かでない分野であると、あるいは、『星の王子さま』のような児童文学に分類して良いのかどうか悩ましい作品がフランス児童文学の主流であると、誤解と思い込みを含んで語られることも少なくない。
よって、本授業の履修者としても、フランスの絵本・児童文学をあまり読んだことがなく、「フランス絵本・児童文学」と言われてもあまり具体的なイメージのわかない学生を想定している。

【ねらい】(担当講師がめざすこと)
上述の履修者に対し、学期前半には、フランス社会・文化における絵本・児童文学の位置付けを、具体的な作品とそれを取り巻くさまざまな議論を元に示しながら、絵本・児童文学が文化の周縁的な位置付けから、重要な文化の一領域とみなされるように変化していった経緯を明らかにする。学期後半には、2002年の小学校学習指導要領においてフランスの公教育に絵本・児童文学が正式に組み込まれたことを背景に、具体的にどのような形で教育に用いられているのか、体験的に学んでいく。
これらを通じ、日本であまり知られていない、フランス社会における絵本・児童文学の位置付けの変遷と現状を明らかにしたい。そして、「子どもの本がどういう存在である(べき)か」という観点は、「子どもがどういう存在である(べき)か」という子ども観の裏返しでもある。絵本・児童文学の議論を通じて、フランスで子どもがどういう存在であったのかについても、理解を深めたい。

【達成目標】(履修者が受講後に「できる」ようになると想定していること)
授業を通じ、履修者が以下のことをできるようになることを目標とする。
1.フランス社会・文化における絵本・児童文学の位置付けの変遷を、代表的な作品や歴史・社会・教育制度といった背景と関連付けて説明できる。
2.フランスの絵本・児童文学を、日本における一般的なイメージや先入観から距離を取り、文化的・社会的文脈の中で批判的に捉えることができる。
3.絵本・児童文学作品を読み、作品内容だけでなく、その制作・受容・教育的利用を含めた多面的な観点から考察できる。
4.フランス社会の中で子どもがどういう存在である(べき)とみなされてきたのか、その変遷と現状を理解し、説明できる。
授業概要
/Course description
本授業では、フランス社会における絵本・児童文学の位置付けの変遷を、歴史的・社会的・文化的背景とともにたどる。学期前半では、17世紀末のペロー童話から現代に至るまでの代表的な作品や制度の変化を取り上げながら、絵本・児童文学がどのように成立し、周縁的な存在から重要な文化領域として認識されるようになってきたのかを検討する。その際、出版、教育、図書館、批評といった周辺領域にも目を向け、作品がどのような文脈の中で読まれてきたのかを考察する。

学期後半では、2002年にフランスの小学校学習指導要領において絵本・児童文学が正式に位置付けられたことを背景に、現代フランスの教育現場における具体的な実践を取り上げる。絵本・児童文学が、歴史理解や社会的テーマの学習、さらには哲学対話など、さまざまな形でどのように教育に用いられているのかを、実際の作品を読みながら実践を行う。

授業は、学期前半は講義形式を基本としつつ、作品の読解、意見交換、簡単な対話活動を交えながら進める。学期後半はフランスの小学校などで実践されている絵本などを用いた教育手法を、実際に体験する。フランスの絵本・児童文学に関する予備知識は前提とせず、初学者でも段階的に理解を深められるよう構成する。これらの学習を通じて、履修者がフランス社会における絵本・児童文学の多様性と豊かさを理解し、日本におけるイメージや先入観を相対化できるようになることを目指す。
授業計画(授業の形式、スケジュール等)
/Class schedule
第1回:イントロダクション・日本での「フランス絵本・児童文学」のイメージ
第2回:『ペロー童話集』と、17C末における「子どもの本」
第3回:『美女と野獣』と、18Cにおける「子どもの本」
第4回:子ども向け雑誌の隆盛と、19Cにおける「子どもの本」
第5回:子ども向け図書館の誕生と、20C前半における「子どもの本」
第6回:規制法の制定や児童書市場の拡大と、20C半ばにおける「子どもの本」
第7回:思春期文学の発展と、20C後半における「子どもの本」
第8回:小学校学習指導要領への導入と、21Cにおける「子どもの本」
第9回:中間のまとめ:現代フランス社会における絵本・児童文学の位置付け
第10回:絵本・児童文学を通じて知るフランスの歴史①帝国主義の時代
第11回:絵本・児童文学を通じて知るフランスの歴史②第2次世界大戦
第12回:絵本・児童文学を用いた哲学対話の実践①作品を読んで「問い」を立てる
第13回:絵本・児童文学を用いた哲学対話の実践②「問い」に対し作品を読みつつ考えを深める
第14回:絵本・児童文学を用いた理科教育:フランスの科学絵本
第15回:学期のまとめ
準備学習・履修上の注意
/Notices
【履修上の注意】
授業のねらいと達成目標で書いたように、履修者に対し、フランス絵本・児童文学の事前知識は求めない。また、作品を取り上げる場合、基本的に翻訳されている作品を中心とし、原書を扱う場合はこちらで概要を示すので、特別なフランス語能力も求めない。

【求められる授業外学習】
しかし、講義をただ聞くだけにならないよう、取り上げた作品のうち気になった作品を、学期の後でも構わないのでぜひ読んでもらいたい。

本授業の予習・復習にはおおむね4時間を想定しています。
教科書・参考書等
/Textbooks
【教科書/Text books】
プリント配布。

【参考書/Reference books】
末松氷海子.『フランス児童文学への招待』.西村書店, 1997年.
私市保彦.『フランスの子どもの本』.白水社, 2001年.
石澤小枝子編著.『フランスの子ども絵本史』.大阪大学出版会, 2009年.
成績評価の方法
/Evaluation
【評価方法】
①授業への参加度・貢献度(60%)、②中間レポート(20%)、③期末レポート(20%)を総合して評価する。

【評価基準】
①授業への参加度・貢献度:毎回の授業後にmanabacourseでコメントを提出してもらう。授業をよく聞いた上で、自分の考え(気になった点)をかけているかを中心に評価を行う。
②中間レポート、③期末レポート:それぞれ、前半、後半の授業内容をまとめ、自身の理解の深まりを示すレポートを課す。その内容の妥当性、及びレポートの記述方法に即しているかを中心に評価を行う。

【課題(試験やレポート)に対するフィードバックの方法】
毎回の授業コメントに、必要に応じて授業内で応答を行う。
また、作品へのコメントやレポートに対し、manabacourseを使用しコメントを行う。
備考
/Notes
【討議(ディスカッション、ディベート)を取り入れている】
【グループワークを取り入れている】
【発表(プレゼンテーション)を取り入れている】
【フィールドワーク、実習、実験、実技を取り入れている】

科目と卒業/修了認定に関する方針(ディプロマ・ポリシー)の対応一覧
/Diploma Policy
https://www.shirayuri.ac.jp/campus/enrollment/diplomapolicy/

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