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授業情報/Course information

科目一覧へ戻る 2024/03/14 現在

科目名/Course title フランス社会文化研究B/French Society and Culture (Lecture) (B)
担当教員(所属)/Instructor 佐々木 菜緒 (文学部フランス語フランス文学科)
授業科目区分/Category フランス語フランス文学科専門科目 
授業形態/Type of class 講義
開講期/Semester 2024年度/Academic Year  後期/AUTUMN
開講曜限/Class period 火/TUE 1
対象所属/Eligible Faculty 文学部フランス語フランス文学科/Faculty of Liberal Arts Department of French Language and Literature
対象学年/Eligible grade 2年 , 3年 , 4年
単位数/Credits 2
副題
/SubTitle
世界のフランス語圏(カリブ海域・西アフリカ)社会と文化
授業のねらいと達成目標
/Course Objectives
 世界に存在するフランス語圏地域の多くは、フランス植民地としての歴史を歩んできた地域であり、複数の言語や文化、階級で構成された多元社会である。そのような社会ではしばしば過去や帰属場所の喪失といった経験が生じ、アイデンティティ構築をめぐる問題が起きている。また、文化同士の衝突や、伝統と近代化の衝突もしばしばみられる。これらの現象を理解するために、本授業では、カリブ海域と西アフリカをとりあげて、それぞれの社会を特徴づける主要な史実および思想潮流を学ぶ。
 到達目標は、カリブ海域および西アフリカ社会文化と文学について基本的な知見を身につけること、およびそれぞれの地域社会について学ぶことを通して、世界のフランス語圏社会ひいては現代の日本社会が抱える矛盾や葛藤を相対化して考察できるようになること。
授業概要
/Course description
 カリブ海域(マルティニック)と西アフリカ(セネガル)の文化的アイデンティティの形成に深い影響を与えた歴史的、社会政治的情勢を通時的に学び、各社会を代表する文学作品および思想書(邦訳)を読む。
 主に黒人住民が抱えるアイデンティティ問題、彼らにとってのフランス語の意味などについて、文学作品や思想書を読むことをとおして理解を深める。映画鑑賞も取り入れる予定である。
授業計画(授業の形式、スケジュール等)
/Class schedule
第1回: イントロダクション:フランス語圏地域とは
第2回: フランス語圏カリブ海域の歴史
第3回: 黒人住民のアイデンティティ問題
第4回: (思想書)フランツ・ファノン『黒い皮膚・白い仮面』(1):黒人とフランス語
第5回: (思想書)フランツ・ファノン『黒い皮膚・白い仮面』(2):黒人の自己認識の諸相
第6回: (映画)ラウル・ペック監督『私はあなたのニグロではない』
第7回: クレオール文学(民話)
第8回: (民話)パトリック・シャモワゾー『クレオールの民話』(1):生き延びるための物語
第9回: (民話)パトリック・シャモワゾー『クレオールの民話』(2):クレオール性
第10回: 西アフリカ(セネガル)の歴史(1):フランス植民地時代
第11回: 西アフリカ(セネガル)の歴史(2):フランス語の地位
第12回: (小説)マリアマ・バー『かくも長き手紙』(1):伝統的なイスラム社会像
第13回: (小説)マリアマ・バー『かくも長き手紙』(2):女性と解放
第14回: (映画)アラン・ゴミス監督『わたしは、幸福(フェリシテ)』
第15回: レポートのフィードバックと総括
準備学習・履修上の注意
/Notices
各回の授業外学習時間(予習・復習)には2時間程度かかると想定される。
【授業外学修の内容】
毎回の授業の予習と振り返りを行うこと。

単にフランス語圏地域に関する知識を記憶するのではなく、カリブ海域および西アフリカが抱える諸問題について、自分が暮らしている国の社会や文化状況と関連付けて考察を深める姿勢で授業に臨んでほしい。
教科書・参考書等
/Textbooks
【教科書】
指定なし

【参考書(日本語)】
・ジャン=ブノワ・ナドー、ジュリー・バーロウ『フランス語のはなし』立花英裕ほか訳、大修館書店、2008年。
・平野千果子『フランス植民地主義の歴史:奴隷制廃止から植民地帝国の崩壊まで』人文書院、2010年。
・国本伊代編『カリブ海世界を知るための70章』明石書店、2017年。
・小川了編『セネガルとカーボベルデを知るための60章』明石書店、2010年。
・フランツ・ファノン『黒い皮膚・白い仮面』海老坂武、加藤晴久訳、みすず書房、1970年。
・パトリック・シャモワゾー『クレオールの民話』吉田加奈子訳、青支社、1999年。
・パトリック・シャモワゾー『テキサコ上・下』星埜守之訳、平凡社、1997年。
・アリアマ・バー『かくも長き手紙』中島弘二訳、講談社、1981年。

その他授業中に必要に応じて紹介する。
成績評価の方法
/Evaluation
【評価方法】
リアクションペーパー(40%)、レポート(60%)

【評価基準】
レポート:授業で扱ったテーマを理解し、他の社会文化状況と関連づけて考察している
リアクションペーパー:授業で扱ったテーマを理解し、自分のことばで述べている

【フィードバックの方法】
2回目以降、毎授業の冒頭に前回のリアクションペーパーについてコメントする
備考
/Notes
この授業は、討議(ディスカッション、ディベート)とグループワークを取り入れている

科目と卒業/修了認定に関する方針(ディプロマ・ポリシー)の対応一覧
/Diploma Policy
https://www.shirayuri.ac.jp/campus/enrollment/diploma01.html

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