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科目一覧へ戻る | 2021/10/30 現在 |
科目名/Course title | 児童文学史・日本Ⅰ/History of Children's Literature: Japan Ⅰ |
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担当教員(所属)/Instructor | 佐藤 宗子 (人間総合学部児童文化学科) |
授業科目区分/Category | 児童文化学科専門科目 |
授業形態/Type of class | 講義 |
開講期/Semester | 2021年度/Academic Year 前期/SPRING |
開講曜限/Class period | 木/THU 3 |
対象所属/Eligible Faculty | 人間総合学部児童文化学科/Faculty of Human Studies Department of Children's Culture |
対象学年/Eligible grade | 1年 , 2年 , 3年 , 4年 |
単位数/Credits | 2 |
副題 /SubTitle |
「現代児童文学」の出発・展開・転換 |
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授業のねらいと達成目標 /Course Objectives |
児童文化学科の1年次を対象とした必修科目。(ただし、2020年度休講のため、この科目は2021年度の2年生対象です。)講義形式によって2年次以降のより専門的な学修に必要な知識を学びます。したがって、「知る」ことがメインとなります。1年次・入門→2年次・基礎演習→3年次・演習→4年次・卒業論文(卒業制作)というカリキュラムの縦軸の最初に位置する「入門」にあたります。日本の児童文学の歴史と現在を理解するための基本的な知識の習得を目的とします。Ⅰは、「現代児童文学」を対象とし、時代を追いつつも多様なジャンルにも目を向けます。具体的な作品に各自触れつつ、自分なりに全体を把握していけることを目標とします。 【2020年度以前入学者】 この授業は、カリキュラムにおいて「専門の基礎」を学ぶもので、ディプロマ・ポリシー中の「人間社会の基盤となる子ども・大人・社会の関係について、子どもにかかわる文化や文学についての理解と知識を持つこと」に対応している。 【2021年度以降入学者】 この授業は、ディプロマ・ポリシーの「人間の原点となる<子ども>の視点や感受性・発想を分析・考察する能力を身につける」に対応している。 |
授業概要 /Course description |
多くの受講者にとって、小・中学校在学時の「児童文学」イメージの根幹をなしているのが、「現代児童文学」といってよいでしょう。第二次大戦後の1950年代末に、どのように出発したのか、その後、60年代から70年代へとどのように展開したのか、そして80年代にどのような転換をし、その後、90年代から2000年代へとつながるのか――時代的変遷の結果として、現代の子どもの文学や出版の様式があることを実感してもらえればと思います。そもそも、なぜ、近代の児童文学からの乖離が目指されたのかを意識しながら、多様な作品が生まれていく過程にも目を向け、歴史的に目をとめておきたい作品を取り上げつつ、順次話をしていきます。 |
授業計画(授業の形式、スケジュール等) /Class schedule |
前期 第1回:はじめに――アンケート、全体の流れ、時代背景と文学作品 第2回:「童話伝統批判」・その1――「少年文学宣言」を中心に 第3回:「童話伝統批判」・その2――『子どもと文学』を中心に 第4回:「現代児童文学」の出発・その1――作品を読む 第5回:「現代児童文学」の出発・その2――位置づけ 第6回:1960年代の展開・その1――日常的世界と架空リアリズム 第7回:1960年代の展開・その2――幼年文学のさまざま 第8回:1960年代の展開・その3――非日常的世界と翻訳作品 第9回:1970年代の展開・その1――転換の兆し 第10回:1970年代の展開・その2――「タブー」の崩壊 第11回:1980年代の転換・その1――「子ども」観の問い直し 第12回:1980年代の転換・その2――開かれた結末 第13回:1980年代の転換・その3――短編連作と語り 第14回:1990年代の先へ・その1――新たな世界の構築 第15回:1990年代の先へ・その2――見直される関係性 毎回、講義形式を基本とするが、共通テクストや指定した範囲での作品講読をしてもらった際には、適宜、コメントをまとめてフィードバックする時間を取るなどする予定です。 |
準備学習・履修上の注意 /Notices |
指定した共通テクスト4冊のほか、配付する資料に基づき、各自、図書館等を利用して 、一定の冊数を読んでもらうことにします。 各回の予習復習時間は、毎回のコメント作成など課題に要する時間も含めて、平均3時間を想定しています。 |
教科書・参考書等 /Textbooks |
【教科書】 共通テクストとして下記4点を指定します。他の版で持っている場合は、新たに購入する必要はありません。 松谷みよ子『龍の子太郎』青い鳥文庫、講談社 神沢利子『くまの子ウーフ』ポケット文庫、ポプラ社 那須正幹『ぼくらは海へ』文春文庫 森絵都『宇宙のみなしご』角川文庫 その他、こちらで作品の一覧を配付し、適宜その中から読んでもらうことも予定しています。 さらに、必要に応じてプリントを配付します。 【参考書】 日本児童文学学会編.『研究=日本の児童文学4 現代児童文学の可能性』.東京書籍、1998 宮川健郎『現代児童文学の語るもの』NHKブックス、1996 日本児童文学者協会編『児童文学の魅力――今読む100冊・日本編』文溪堂、1998 |
成績評価の方法 /Evaluation |
【評価方法】 レポート(学期末に1回)60%と、各回の参加状況40%を総合的に評価します。参加状況としては、時に簡潔なコメント、時にもう少し掘り下げた作品やジャンルに対する意見などを書いてもらい、それらは随時、まとめて授業時に紹介したいと考えています。 【評価基準】 各回のコメント等は、授業の参加度・テーマの理解度・発想のユニークさ・自由な表現力などを評価します。レポートは、知識の正確さの他に、テーマの理解度・文章の表現力・先行研究の適切な参照の仕方などをみます。 【課題に対するフィードバックの方法】 各回のコメント等は上記のように、匿名にしたうえで適宜まとめて紹介するかたちでフィードバックします。レポートについては、後日、簡潔にコメントを付して返却する予定です。 |
備考 /Notes |
2020年度入学の2年生対象のクラスです。 |