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授業情報/Course information

科目一覧へ戻る 2025/03/14 現在

科目名/Course title ライトノベル論/Light Novels (Lecture)
担当教員(所属)/Instructor 山中 智省 (人間総合学部児童文化学科)
授業科目区分/Category 児童文化学科専門科目 
授業形態/Type of class 講義
開講期/Semester 2025年度/Academic Year  後期/AUTUMN
開講曜限/Class period 火/TUE 5
対象所属/Eligible Faculty 人間総合学部児童文化学科/Faculty of Human Studies Department of Children's Culture,人間総合学部発達心理学科/Faculty of Human Studies Department of Developmental Psychology,人間総合学部初等教育学科/Faculty of Human Studies Department of Child Care and Primary Education
対象学年/Eligible grade 2年 , 3年 , 4年
単位数/Credits 2
副題
/SubTitle
若い読者を小説にいざなう “ビジュアル・エンターテインメント”の世界
授業のねらいと達成目標
/Course Objectives
現代日本において若年層の「読書離れ」や「活字離れ」が叫ばれるようになって久しい昨今、彼らが自ら進んで書籍や活字にふれ、継続的な読書に取り組んでいくきっかけを生み出しているものの一つに、「ライトノベル(Light Novel)」と呼ばれる一群の小説がある。ライトノベルとは、一般的には「マンガ・アニメ風のキャラクターイラストをはじめとしたビジュアル要素を伴って出版される若年層向けエンターテインメント小説」のことで、これらは今や、マンガ、アニメ、ゲームと並ぶ日本の有力なエンターテインメントコンテンツに成長を遂げ、若年層の文学・読書能力や教養の形成にも深く関与している。また、ライトノベルは若い読者を小説にいざなう “ビジュアル・エンターテインメント”として、さらには、複数のジャンル、メディア、文化の要素を兼ね備えた「複合的な文化現象」として、多彩な作家・作品の供給やメディアミックスの起点を担うだけでなく、新たな物語、キャラクター、文章表現などを育みながら、現代日本の「小説」や「文学」のあり方そのものにも、少なからぬ影響を与えている状況にある。こうしたなか本授業は、ライトノベルの歴史、作家・作品、各種の周辺動向などに着目しつつ、ライトノベルとは何かを検討するために必要な基礎知識の数々を、受講生が理解・把握できるようになることを目指していく。
授業概要
/Course description
本授業ではまず、ライトノベルの萌芽・誕生・発展の過程を通時的に追うことで、ライトノベルの特質がどのように形成されてきたのかを確認する。また、他領域への拡大と拡散、メディアを横断するライトノベルの物語とキャラクター、海外諸国における展開と受容といったトピックを取り上げながら、現在の様相にも迫っていく。そして、以上の学びから得られた知見等を踏まえつつ、実際に複数の作品事例にふれてみることで、ライトノベルの多彩な作家・作品とその周辺動向の具体相に関して、さらに理解を深めていく。
授業計画(授業の形式、スケジュール等)
/Class schedule
第01回:イントロダクション(授業の目的と概要の確認・「ライトノベル」とは?)
第02回:ライトノベルの萌芽・誕生・発展の過程①―1970年代以前
第03回:ライトノベルの萌芽・誕生・発展の過程②―1980年代
第04回:ライトノベルの萌芽・誕生・発展の過程③―1990年代
第05回:ライトノベルの萌芽・誕生・発展の過程④―2000年代
第06回:ライトノベルの萌芽・誕生・発展の過程⑤―2010年代以降
第07回:他領域への拡大と拡散―WEB小説・ライト文芸・児童文庫
第08回:メディアを横断するライトノベルの物語とキャラクター
第09回:海外諸国における展開と受容―世界に広がるライトノベル
第10回:多彩な作家・作品とその周辺動向(作品読解・事例分析)①
第11回:多彩な作家・作品とその周辺動向(作品読解・事例分析)②
第12回:多彩な作家・作品とその周辺動向(作品読解・事例分析)③
第13回:多彩な作家・作品とその周辺動向(作品読解・事例分析)④
第14回:多彩な作家・作品とその周辺動向(作品読解・事例分析)⑤
第15回:全体のまとめ

※授業の進捗状況などにより、スケジュールを変更する可能性がある。
準備学習・履修上の注意
/Notices
各回の配布資料やノート、授業課題などを見直し、内容を確認・整理しつつ、知識の定着を図ること。授業内で取り上げた作品や参考書については、図書館などを利用して積極的に読むことを心がけてほしい。なお、第10~14回で扱う作品は、第1回のイントロダクションにて指定する。指定作品は各自入手の上、必ず事前に読んでくること。各回の授業外学習時間(予習・復習)は4時間程度と想定される。
教科書・参考書等
/Textbooks
【教科書】
各回で配布資料を用意

【参考書】
一柳廣孝・久米依子編著『ライトノベル研究序説』(青弓社、2009年)
一柳廣孝・久米依子編著『ライトノベル・スタディーズ』(青弓社、2013年)
大橋崇行『ライトノベルから見た少女/少年小説史―現代日本の物語文化を見直すために』(笠間書院、2014年)
大橋崇行・山中智省編著『小説の生存戦略―ライトノベル・メディア・ジェンダー』(青弓社、2020年)
嵯峨景子『コバルト文庫で辿る少女小説変遷史』(彩流社、2016年)
山中智省『ライトノベルよ、どこへいく― 一九八〇年代からゼロ年代まで』(青弓社、2010年)
山中智省『ライトノベル史入門 『ドラゴンマガジン』創刊物語―狼煙を上げた先駆者たち』(勉誠出版、2018年)

※上記以外は必要に応じて授業内で指示
成績評価の方法
/Evaluation
【評価方法】
レポート(50%)、授業課題(40%)、授業への参加度(10%)の総合評価。

【評価基準】
レポート:授業を通して学んだ知識を正確に用いて、参考文献を使用しつつ、適切な構成と内容、学術的な文章によってレポートを作成することができている。
授業課題:各回の課題に対して意欲的に取り組み、その成果を課題の目的にそって適切にアウトプットすることができている。
授業への参加度:準備学習を適切に行うとともに、授業内では積極的な参加姿勢を見せている。

【課題(試験やレポート)に対するフィードバックの方法】
提出内容を確認の上、コメント等を返す。
備考
/Notes
特になし

科目と卒業/修了認定に関する方針(ディプロマ・ポリシー)の対応一覧
/Diploma Policy
https://www.shirayuri.ac.jp/campus/enrollment/diploma01.html

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