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授業情報/Course information

科目一覧へ戻る 2020/12/07 現在

科目名/Course title ネオ・ファンタジーⅠ/Neo Fantasy Ⅰ (Lecture)
担当教員(所属)/Instructor 井辻 朱美 (人間総合学部児童文化学科)
授業科目区分/Category 児童文化学科専門科目 
授業形態/Type of class 講義
開講期/Semester 2020年度/Academic Year  前期/SPRING
開講曜限/Class period 水/WED 5
対象所属/Eligible Faculty 人間総合学部児童文化学科/Faculty of Human Studies Department of Children's Culture,人間総合学部発達心理学科/Faculty of Human Studies Department of Developmental Psychology,人間総合学部初等教育学科/Faculty of Human Studies Department of Child Care and Primary Education
対象学年/Eligible grade 2年 , 3年 , 4年
単位数/Credits 2
副題
/SubTitle
『ハリー・ポッター』以前と以後
授業のねらいと達成目標
/Course Objectives
児童文学ファンタジーの流れは、1997年の「ハリー・ポッター」シリーズ登場以降大きく変化した。映像およびネットのテクノロジーを背景にした、新しい世界観、新しい表現方法である。この講義では、それらの視点から新しい作品群を見直し、またそのルーツにある20世紀前半作品からの流れを概括することを目的とする。
この授業は、カリキュラムにおいて「専門的な知識の習得」を学ぶもので、ディプロマ・ポリシー中の「人間社会の基盤となる子ども・大人・社会の関係について、子どもにかかわる文化や文学についての理解と知識を持つこと」に対応している。
授業概要
/Course description
この講義では1980年代後半からの、「ネオ・ファンタジー」と呼ばれることもある新しい世界観を持つ作品群をとりあげてゆく。代表とされるのは「ハリー・ポッター」シリーズであるが、ほぼ同時期に『黄金の羅針盤』シリーズ、「ダレン・シャン」シリーズ、日本の『十二国記』シリーズなど、大胆な並行宇宙的世界観を持つ作品が出現している。それらの作品における「リアル」とはいったい何なのか。従来とは違う「私のありかた」観を持つ主人公たちと、それらに呼応する読者の存在を考える。

授業計画(授業の形式、スケジュール等)
/Class schedule
第1回:イントロダクション 「ネオ・ファンタジ−」とはどのようなものか
第2回:「ハリー・ポッター」シリーズの出現と展開、背景
第3回:プリントを参考にしてもらいながら、シリーズのロアルド・ダールからうけついだ「マンガ」的表現を探る。
第4回:シリーズにあらわれる「家具」などの無生物の擬人化という特徴。
第5回:「ハリー・ポッター」シリーズにおけるハリーとロンの立ち位置。
第6回:ハーマイオニーの直面する「差別」の問題。
第7回:「ハリー・ポッター」シリーズにおける伝統や文学遺産の取り込み、また後発作品への影響について、研究書のPDFを読んでもらい、考える。
第8回:ハリー・ポッターにおける不思議動物について。
第9回:上のシリーズにおける、聖書など古典作品の引用、上書き、パロディ化の手法について
第10回:現実のおもちゃやお菓子のパロディを用いている市場原理
第11回:『ハリー・ポッター』現象の展開・テーマパーク
第12回:ハリー・ポッターの最大の敵とは
第13回:まとめ

2020年の授業2回分は、毎回出してもらう短い課題のリアクションペーパーをもって当てる。
準備学習・履修上の注意
/Notices
歴史的な視野をつねに持ちながら、そこに作品、現象を配置して理解するようにしてほしい。
教科書ではなくプリントを使用するので、予習は必要ないが、授業後にそのプリントに記載されている参考図書を読む、また授業で一部だけ紹介された映像の全編を見るなど、1時間から2時間の復習時間を取ってほしい。
教科書・参考書等
/Textbooks
【教科書】
そのつどプリント

【参考書】
『ファンタジー万華鏡』(井辻朱美、研究社、2005)
『ファンタジーを読む 『指輪物語』から『ハリー・ポッター』へ、そしてネオファンタジーへ』」(井辻朱美、青土社、2019 )
成績評価の方法
/Evaluation
【評価方法】
期末のレポート2000字程度による。自分で選んだ課題に意欲的に取り組んだかどうかに注目する。

【評価基準】
レポートの独創性・丁寧さ(85%)平常の出席など(15%)をもとにし、総合点60%以上を合格とする。
備考
/Notes
【討議(ディスカッション、ディベート)を取り入れている】
【グループワークを取り入れている】
【発表(プレゼンテーション)を取り入れている】
【フィールドワーク、実習、実験、実技を取り入れている】

*2020年は主にキャンパススクエアを利用した遠隔授業として実施する。

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