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授業情報/Course information

科目一覧へ戻る 2024/03/14 現在

科目名/Course title 発達心理学演習I/Developmental Psychology I (Seminar)
担当教員(所属)/Instructor 柿沼 美紀 (人間総合学部発達心理学科)
授業科目区分/Category 発達心理学科専門科目 
授業形態/Type of class 演習
開講期/Semester 2024年度/Academic Year  後期/AUTUMN
開講曜限/Class period 金/FRI 4
対象所属/Eligible Faculty 人間総合学部発達心理学科/Faculty of Human Studies Department of Developmental Psychology
対象学年/Eligible grade 3年 , 4年
単位数/Credits 2
副題
/SubTitle
乳幼児期の社会的認知発達ー比較発達心理学の視点から
授業のねらいと達成目標
/Course Objectives
この授業は、小児科の心理相談や療育、特別支援教室巡回相談の実務経験のある教員による授業であり、それらの臨床経験を生かして子どもの発達の機序について実践的授業を行うものです。
人の社会構造は他の霊長類に比べ、遥かに複雑なものになっている。それを支えているものの一つが社会的認知能力である。自閉症スペクトラム障がい児はこの発達に遅れが見られるため、集団への適応が難しくなると考えられている。また、ネグレクトなどの被虐待児においても、経験不足などに由来するためか、社会的認知発達に遅れが見られる。幼児を対象にした療育相談では、運動及び知的発達に遅れは見られないが、集団生活に適応できない子どもたちの相談が多く寄せられる。幼児期の社会的認知発達を理解し、必要な支援を早期に行うことが、今後の保育及び幼児教育の場で求められる。
ここでは、乳幼児期の社会的認知発達に焦点をあて、そのメカニズムと発達の過程について考える。特に社会的認知発達における大きなターニングポイントとなる心の理論の獲得以前の他者理解の変遷を、比較発達心理学の視点から考える。
また、人の特性をより明らかにするために、チンパンジーと人の社会的認知発達を比較した研究をとりあげる。また、実際に多摩動物公園にてチンパンジー母子の行動観察を行う。
英文論文の講読を行うにあたり、英文論文の構成と、背景にある思考表現のスタイルについても検討する。
より実践的な視点で社会を理解することを目的とし、子どもを取り巻く社会的な課題についても取り合げ、話し合いを行い、多様な考え方に触れる。
達成目標としては、比較発達心理学の視点から子どもの社会認知発達について理解し、実践に応用するための基礎的な力を構築する。また、そのために英文論文の検索、要約のスキルを身につけるの2点がある。
授業概要
/Course description
本演習では、関連テーマに関するディスカッションを中心に展開します。ディスカッションはSlidoなどの匿名で意見交換ができるプラットフォームを利用する。また英文論文講読のためのエクササイズやインターネットを用いた英文文献検索、参考文献の書き方なども合わせて行う。
授業計画(授業の形式、スケジュール等)
/Class schedule
第 1 回 社会的認知の発達の基盤
第 2 回 比較発達心理学の視点から考える社会的認知
第 3 回 環境と社会的認知発達
第 4 回 英文論文の読み方(論文の構造)
第 5 回 英文論文の読み方(思考形態の違い)
第 6 回 模倣、意図の理解の発達
第 7 回 共同作業の発達
第 8 回 心の理論の獲得
第 9 回 チンパンジーの社会的認知発達
第10回 チンパンジーの行動観察(11月の土曜日を予定)
第11回 社会的認知発達と環境
第12回 社会的認知発達の遅れ
第13回 論文検索と論文の整理
第14回 英文論文講読(1)
第15回 英文論文講読(2)
準備学習・履修上の注意
/Notices
社会的認知発達に関する論文の講読とそれに関するディスカッションを行う。
論文の内容について考えるだけでなく、それをもとに自身の体験や実習時の体験など、身近な事例を出しながらディスカッションに参加することを求める。ディスカッションを通して多様な意見に触れる機会を作る。
出席は「大福帳」というコミュニケーションカードを活用する。
本授業の予習・復習にはおおむね4時間を想定している。
【授業外学修の内容】
毎回の授業の予習と振り返りを行うこと。授業において指示した課題を行うこと。
教科書・参考書等
/Textbooks
【教科書/Text books】
授業内に随時提示

【参考書/Reference books】
M. トマセロ『ヒトはなぜ協力するのか』勁草社 2013
外山紀子他『生活のなかの発達』

成績評価の方法
/Evaluation
【評価方法/Evaluation】
授業内に書いてもらうカード、講義内に出される課題。課題(5割)及びディスカッションなど授業への参加度(5割)という配分で評価する。総合評価6割以上であることを単位認定の最低基準とする。

【評価基準】
課題:授業で扱ったテーマを理解し、真摯に取り組んでいる
授業への参加度:積極的に発言し、授業へ参加している

【課題(試験やレポート)に対するフィードバックの方法】
課題などにコメント等を返す
備考
/Notes
多摩動物公園でのチンパンジーの観察を11月の土曜日に二コマ分実施予定
多摩動物公園での観察は2021年度はコロナの影響で実施しなかった。講義においても、社会状況に応じて一部内容の変更が生じる可能性がある。
講義内ではSlidoという双方向性コミュニケーションプラットフォームを用い、意見交換、質疑応答などを行う。

科目と卒業/修了認定に関する方針(ディプロマ・ポリシー)の対応一覧
/Diploma Policy
https://www.shirayuri.ac.jp/campus/enrollment/diploma01.html

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