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科目一覧へ戻る | 2021/10/30 現在 |
科目名/Course title | 臨床心理学演習A/Clinical Psychology A (Seminar) |
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担当教員(所属)/Instructor | 木部 則雄 (人間総合学部発達心理学科) |
授業科目区分/Category | 発達心理学科専門科目 |
授業形態/Type of class | 演習 |
開講期/Semester | 2021年度/Academic Year 後期/AUTUMN |
開講曜限/Class period | 金/FRI 1 |
対象所属/Eligible Faculty | 人間総合学部発達心理学科/Faculty of Human Studies Department of Developmental Psychology |
対象学年/Eligible grade | 3年 , 4年 |
単位数/Credits | 2 |
副題 /SubTitle |
精神分析の基礎を学ぶ |
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授業のねらいと達成目標 /Course Objectives |
精神分析は19世紀末、ウィーンの開業医であるジグムンド・フロイトによって創案された。フロイトは無意識の構造を明らかにし、夢や数多の精神疾患に関する精神病理を明らかにした。さらに、フロイトの思想は集団、社会、文化、文芸作品にまでその裾野を広げ、20世紀の思想の中心となった。精神分析の理論や思想を知ることは、今もなお重要なことである。また、メラニー・クラインはフロイトの精神分析の技法を子どもに適応させることで、子どもの深層心理と心的世界の発達を明示した。ここでの知見は、子どもに関わる専門職にとって、大きな道標になるものである。本演習ではこの二人の人生、臨床実践、理論を学ぶことで、人間だけでなく、集団や社会を理解することに役立つことを学んでほしい。さらに、こうした理解にによって、自分自身、自分周囲の人々、集団や社会を再認識できるようになることを達成目標とする。この授業はディプロマ・ポリシィの「臨床的な問題とそれらへの対応に関する専門知識」に対応するものである。 |
授業概要 /Course description |
本演習のテキストは、『Reading Freud』(Routledge)(『フロイトを読む』岩崎学術出版社)、『Reading Klein』(『メラニー・クラインを読む』金剛出版)を使用する。両著作は欧米では、フロイト、クラインの入門書として定評があり、二人の論文をコンパクトにまとめてある。参加学生は予め、テキストから抜粋したものを、和訳する必要がある。それまとめを授業で議論の素材となるように発表し、議論を行うことを基本とする。時に難解な論文もあるが、疑問点や難解な箇所を明確にできれば、それは質疑応答へと展開することができるであろう。また、テキストは論文の英文要約であるが、フロイトは『フロイト全集』(岩波書店)、クラインは『クライン著作集』(誠信書房)があるので、これを参考にしてほしい。 |
授業計画(授業の形式、スケジュール等) /Class schedule |
授業計画は以下の通りである。二人の人生、臨床実践と理論を順を追って授業を行う。 第1回:フロイトの人生①(第一次世界大戦まで) 第2回:フロイトの人生②(第一次世界大戦以後、ロンドン亡命) 第3回:『Reading Freud』① Studies on Hysteria 第4回:『Reading Freud』② Three Essays on the Theory Sexuality 第5回:『Reading Freud』③ On Narcissism: An Introduction 第6回:『Reading Freud』④ Beyond the Pleasure Principle 第7回:『Reading Freud』⑤ The Ego and the Id 第8回:クラインの人生①(ロンドン移住まで:子どもの精神分析) 第9回:クラインの人生②(英国での活躍:ポジション論) 第10回:『Reading Klein』① Technique in child analysis 第11回:『Reading Klein』② Mourning, the discovery of the depressive position and its implications for the theory of Oedipal development 第12回:『Reading Klein』③ Splitting, the paranoid-schizoid position and the concept of projective identification 第13回:『Reading Klein』④ The unique of Narrative of a Child Analysis 第14回:『Reading Klein』⑤ Envy and Gratitude 第15回:まとめ |
準備学習・履修上の注意 /Notices |
本演習では、精神分析の基礎を学ぶために、『Reading Freud』、『Reading Klein』をテキストとするために、英文読解、和訳などの予習が必要である。なお、両署ともに翻訳書が発行されているために、これを参照しても構わないが、あくまでも原著の補助を助けるものとしてほしい。この二人の臨床実践や理論は、複雑で難解である為に、数多の理解できないものや疑問点があって当然である。その為に、授業前には一通りの予習を行い、疑問点を明らかにしておいてほしい。 |
教科書・参考書等 /Textbooks |
【教科書】 Quinodos,J.(2004):『Reading Freud』(Routledge)(『フロイトを読む』岩崎学術出版社) Rustin,M,Rusitin,M.:『Reading Klein』(Routledge)(『メラニー・クラインを読む』金剛出版) 本テキストをすべて使用するわけではないので、購入は必須ではない。なお、原著はAnazonnで購入できる。 【参考書】 小此木 啓吾(1973):フロイト その自我の軌跡 (NHKブックス) 小此木 啓吾(2002):現代の精神分析 (講談社学術文庫) 小此木 啓吾(2002):フロイト思想のキーワード (講談社現代新書) 木部則雄(2006):『こどもの精神分析』(岩崎学術出版社) 木部則雄(2013:『こどもの精神分析Ⅱ』(岩崎学術出版社) |
成績評価の方法 /Evaluation |
【評価方法】 授業への出席と発表内容、議論や発言などの演習への参加態度である。 【評価基準】 参加度60%、発表内容20%、参加態度20%である。 【課題(試験やレポート)に対するフィードバックの方法】 |
備考 /Notes |
【討議(ディスカッション、ディベート)を取り入れている】 【グループワークを取り入れている】 【発表(プレゼンテーション)を取り入れている】 |