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科目一覧へ戻る | 2021/10/30 現在 |
科目名/Course title | フランス文学研究E/French Literature (E) (Research) |
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担当教員(所属)/Instructor | 越 森彦 (文学部フランス語フランス文学科) |
授業科目区分/Category | 修士 フランス語フランス文学専攻専門科目 |
授業形態/Type of class | 演習 |
開講期/Semester | 2021年度/Academic Year 前期/SPRING |
開講曜限/Class period | 火/TUE 2 |
対象所属/Eligible Faculty | 大学院文学研究科修士課程/Graduate School of Liberal Arts,大学院文学研究科博士課程(後期)/Graduate School of Liberal Arts,大学院文学研究科博士課程/Graduate School of Liberal Arts,大学院文学研究科博士課程(前期)/Graduate School of Liberal Arts,大学院文学研究科博士課程(後期)言語・文学専攻/Graduate School of Liberal Arts Department of Language and Literature |
対象学年/Eligible grade | 1年 , 2年 , 3年 |
単位数/Credits | 2 |
副題 /SubTitle |
ルソー『学問芸術論』(第1部)原書精読 |
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授業のねらいと達成目標 /Course Objectives |
ジャン=ジャック・ルソー(1712〜1778)の『学問芸術論』(第1部)を原文で読んでいきます。その際には、作品で問題となっている思想的課題および諸概念を明らかにするだけでなく、作品が書かれることになった文化的・歴史的な背景についても言及しつつ、とりわけルソーのレトリック(言語による説得の技術)を分析します。 達成目標は以下の3点について理解を深めることです。 1.『学問芸術論』の文化的背景としての「啓蒙の精神」 2.ルソーの文明批判 3.ルソーのレトリック、あるいはより広義に作品解釈の方法 なお、この科目は、「学生が修了時に身につけておくべき能力=教育目標、学修・研究目標」の、「フランス語学、フランス文学、フランス文化、フランス語教育に関する専門的な理論や知識、技能を修得し、 自らの研究関心に応じて必要な文献、データを収集・分析するための方法を身につけ、そこから得られた知 見を発表することができること」と「フランス語学、フランス文学、フランス文化、フランス語教育、さらには隣接する諸領域の研究動向に関心を持ち、新たな学問的あるいは現実的問題に対応できる柔軟な姿勢を持つこと」に対応しています。 |
授業概要 /Course description |
ジャン=ジャック・ルソーは、モンテスキュー、ディドロ、ヴォルテールと並び、いや、それ以上に激烈な社会批判を展開した18世紀フランスの思想家です。デビュー作の『学問芸術論』ではこんなことを述べています。「私たちの魂は、学問と芸術が完成されるに連れて堕落した。」ルソーによれば、私たちは文明が発達すればその分だけ幸せになるわけではありません。それどころか、逆に、そもそも文明が発達する以前は存在すらしていなかった問題 — たとえば、SNS上で他人にどう評価されるだろう? — に頭を抱え込んでいます。その意味で、『学問芸術論』は、現代の日本でこそ読まれるべき古典です。さらに、この作品は、ルソーが稀代の論争家として覚醒した作品でもあります。それまでは無名の音楽家にすぎなかったルソーは、この作品で初めて己のもてるすべてのレトリックを駆使し、ありったけの力を込めて、当時普及し始めていた「啓蒙の精神」とは真逆の価値観の数々を矢継ぎ早に説いていきます。読者を納得させるためならば牽強付会、我田引水、強弁あるいは詭弁すらも怖れないその筆致は圧倒的な熱気でもって読者を惹きつけます。この授業では、原文が伝えようとしているメッセージの理解に努めるのはもちろん、日本語訳では伝わりにくい表現上の妙技を丁寧に読み解いていくことで、ルソーの論争術の核心に迫ります。 |
授業計画(授業の形式、スケジュール等) /Class schedule |
第1回:ルソーの生涯および主要作品の解説 第2回:原書精読 Avertissement / Préface 第3回:原書精読 Discours 第4回:原書精読 第1部 第1〜3段落 第5回:原書精読 第1部 第4〜6段落 第6回:原書精読 第1部 第7〜8段落 第7回:原書精読 第1部 第9〜11段落 第8回:原書精読 第1部 第12〜14段落 第9回:原書精読 第1部 第15〜16段落 第10回:原書精読 第1部 第17〜19段落 第11回:原書精読 第1部 第20〜23段落 第12回:原書精読 第1部 第24〜25段落 第13回:原書精読 第1部 第26〜27段落(「ファブリキウスの活喩」) 第14回:原書精読 第1部 第28〜29段落 第15回:まとめ ルソーのレトリック |
準備学習・履修上の注意 /Notices |
少人数のクラスですので,毎回必ず,何回も当たります.分からない単語の意味を調べておくのは当然として,訳文を作っておくことが必要です.その際には,以下の点に注意してください.(詳しくは授業で説明します.) ・各単語の品詞は何か. ・従属節と句のまとまりはどうなっているか.(従属節は[ ]に,句は( )でくくるとよい.) ・修飾関係はどうなっているか. ・動詞の時制と法を確認する. ・代名詞の中身(指すモノや人)をハッキリさせる.(「それ・それら」で理解した気にならないこと.) 他にもありますが,授業でお話しします. 毎回の授業では、予習と復習に3時間程度が必要となります。 |
教科書・参考書等 /Textbooks |
【教科書】 『学問芸術論』をプリントで配布しますので、購入する必要はありません。 【参考書】 参考文献リストを授業で配布します。 |
成績評価の方法 /Evaluation |
【評価方法】 【評価方法】 発表(40%)、レポート(40%)、平常点(20%) なお、ここで言う「発表」とは、あらかじめ指定された課題(主に単語の意味調べ)について授業中にあてられた際に答えることを指します。 【評価基準】 授業中での発表、作品の解釈についての発言、レポートなどをもとに総合的に評価します。授業への積極的な参加をとくに評価します。 【課題(試験やレポート)に対するフィードバックの方法】 レポートは添削したうえで返却します。 |
備考 /Notes |
この授業は以下の要素を取り入れています。 【討議(ディスカッション】 【発表(プレゼンテーション】 |