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科目一覧へ戻る | 2024/03/14 現在 |
科目名/Course title | フランス文学研究G/French Literature (G) (Research) |
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担当教員(所属)/Instructor | 海老根 龍介 (文学部フランス語フランス文学科) |
授業科目区分/Category | 修士 フランス語フランス文学専攻専門科目 |
授業形態/Type of class | 演習 |
開講期/Semester | 2024年度/Academic Year 前期/SPRING |
開講曜限/Class period | 金/FRI 3 |
対象所属/Eligible Faculty | 大学院文学研究科修士課程/Graduate School of Liberal Arts,大学院文学研究科博士課程(後期)/Graduate School of Liberal Arts,大学院文学研究科博士課程(前期)/Graduate School of Liberal Arts,大学院文学研究科博士課程(後期)言語・文学専攻/Graduate School of Liberal Arts Department of Language and Literature |
対象学年/Eligible grade | 1年 , 2年 , 3年 |
単位数/Credits | 2 |
副題 /SubTitle |
プロスペル・メリメ「イールのヴィーナス」精読 |
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授業のねらいと達成目標 /Course Objectives |
ねらいは主に3点です。ひとつめは、授業では時間の制約もあるので、文学作品を扱う場合に、どうしても抜粋を対象にすることになりがちですが、「イールのヴィーナス」は手ごろな長さの短編小説なので、全体を扱うことができます。全体とのかかわりを意識しながら、細部をじっくり読むことで、「部分」ではなく、「作品」を分析的に読む力を身に着けます。ふたつめは、「イールのヴィーナス」は、多様な文学史的・文化史的文脈の中に位置づけられる作品であり、同時に文化財保護が重要なテーマであった19世紀前半の状況とも深く結びつく作品です。作品を多様な文脈と関連づけながら、文学研究とはどう行うのかを考えていきます。みっつめは、19世紀の作品にしては比較的読みやすいフランス語で書かれた「イールのヴィーナス」を用いて、文学作品にも対応できる、フランス語読解力を鍛えます。 |
授業概要 /Course description |
「イールのヴィーナス」は、土の中から掘り起こされた古代のヴィーナスの彫像の指に指輪をはめた男が、新婚の夜にその彫像に殺される(と解釈できる)という怪奇小説です。 プレイヤード版という定評のある校訂版のコピーを用いて、フランス語原文で作品を読んでいきます。約30ページほどなので、大体1回に2ページくらいのペースで進みます。一文一文読むだけの時間がない場合は、少し骨のある箇所のみを精読することもあります。90分の授業のうち、最初の60分をテクストの精読にあて、残りの30分は「イールのヴィーナス」を題材にしながら、作品を批評的に分析するとはどういうことか、あるいは作品からどのように研究テーマを導き出せばよいのかを、受講者間の議論をとおして考えていきます。 |
授業計画(授業の形式、スケジュール等) /Class schedule |
第1回:プレイヤード版729‐730頁、プロスペル・メリメについて 第2回:プレイヤード版731‐732頁、ロマン主義的主題とメリメ 第3回:プレイヤード版733‐734頁、源泉研究とは何か 第4回:プレイヤード版735‐736頁、キリスト教について 第5回:プレイヤード版737‐738頁、異教について 第6回:プレイヤード版739‐740頁 19世紀と文化財保護 第7回:プレイヤード版741‐742頁 文化財保護観察官としてのメリメ 第8回:プレイヤード版743‐744頁 メリメの旅行記と「イールのヴィーナス」 第9回:プレイヤード版745‐746頁 ヴァンダリズムについて 第10回:プレイヤード版747‐748頁 「語り」とは何か 第11回:プレイヤード版749‐750頁 登場人物について「語り手」 第12回:プレイヤード版751‐752頁 登場人物について「ベイレオラード氏」 第13回:プレイヤード版753‐754頁 悲劇性と喜劇性 第14回:プレイヤード版755‐756頁 19世紀幻想小説とメリメ 第15回:プレイヤード版757頁 まとめ |
準備学習・履修上の注意 /Notices |
その日に扱う箇所については原文をしっかりと読んでおくこと。授業中の議論には積極的に参加し、小説を読むことをどう研究につなげていくかを常に考えておくこと。 |
教科書・参考書等 /Textbooks |
【教科書】 プリントを使用します。 【参考書】 以下の翻訳を参考にしても構いません。 『メリメ怪奇小説選』(杉捷夫訳)、岩波文庫 その他は授業中に紹介します。 |
成績評価の方法 /Evaluation |
【評価方法】 平常点50パーセント、期末レポート50パーセントで評価します。 【評価基準】 平常点は授業中、当てられた箇所について、きちんとした準備をしているか、フランス語を正しく理解しているかと、受講者間の議論で分析的な発言ができているかを評価します。期末レポートは、授業を通じて、どのような研究テーマが考えられ、それを扱うためにどのような手続きが必要かを論じてもらいます。実際に研究として完成させるところまでは求めませんので、作品から適切な論点設定を行い、必要な学問的手続きを見定めることができるかが評価の対象です。 【課題(試験やレポート)に対するフィードバックの方法】 コメントして返却します。 |
備考 /Notes |
【討議(ディスカッション、ディベート)を取り入れている】 【発表(プレゼンテーション)を取り入れている |
科目と卒業/修了認定に関する方針(ディプロマ・ポリシー)の対応一覧
/Diploma Policy
https://www.shirayuri.ac.jp/campus/enrollment/diploma01.html