学びの内容

2023年度「心理学実験Ⅱ」授業風景

2023年11月8日

 心理学実験Ⅱは、2年生必修の授業で、心理学研究に用いられる様々な方法の基本手順と分析の仕方、論文の書き方を学ぶ授業です。第1回から第7回は調査法、第8回からは、2グループにわかれて心理検査についての実習を行い、実施方法や解釈を学びます。今回は、調査法の授業をご報告します。この授業では、基本課題と応用課題を通して調査法について学び、心理学論文の構成要素である「問題と目的、方法、結果、考察」という形式で、各自がひとつの論文を完成させることを目指しています。


 基本課題は、女子大生のキャリア発達と親子関係(愛着)の関連について書かれている論文を使用し、追試をします。応用課題では、この論文のキャリア発達尺度を利用して、女子大学生のキャリア発達が何と関連しているのか、自分たちで考えます。この応用課題においては、グループに分かれて、グループディスカッションを行い、仮説を立て、質問項目を考えます。例えば、「年上のきょうだいがいることが、将来の計画や目標を設定することを促す」という仮説をたてたとしたら、それを調べるために「あなたは年上のきょうだいがいますか」という質問を作るという流れです。
 「女子大生のキャリア発達に関連する要因は何か」、自分たちの身近な体験の中で感じたことを、グループで話し合い、それに関する先行研究を調べ、研究目的を絞っていくことで、どのグループも興味深い仮説をたてることができました。この過程は、身近な話題や一般的な話題を心理学研究の枠組みの中に落とし込んでいくよい練習となります。各グループの代表者の発表を聴くこともまた、色々な視点や考え方に触れるよい刺激になったようでした。


グループ発表後はGoogle Formを用いて、質問紙の作成を行いました。次回以降の授業では、フォームへの回答を収集して、分析をしていきます。どんな結果になるのか楽しみですね。
(太田 百合子)

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