発達心理学科
人の生涯にわたる「心」の成長と発達を科学的な観点から研究。
心理学の理論、研究方法を学び、「心に関する問い」に応える力を養います。
3つの特色
心理学を幅広い視点から学ぶ
心理学の基礎的な領域をはじめ、発達心理学、臨床心理学、発達支援までを総合的に学びます。年齢の変化に応じて心がどのように発達・成長していくのかを理解しながら、人が直面する心の問題の原因を探り、援助する方法を学び、障害・疾病を抱える人やその家族の支援についても考えます。
論理的に考える力と人の心を想像する力を養う
人の心の動きを科学的な観点から研究。実験や面接、調査などの方法により客観的に得られた情報を数値化し、心理統計学の手法を用いて分析します。論理的に考える力を身に付けるとともに、心の発達を正確に理解することで、相手の立場に立って人と接する力が養われます。
自分のライフプランを考える
早期から心理専門職の役割を学び、現場イメージを持った上で心理専門職を目指すカリキュラムのほか、キャリア研究では、自己理解を深め、自分自身の生き方を長いスパンで考えます。将来自分がどんなキャリアを歩みたいかを具体的にイメージすることで、進路選択の幅を広げていきます。
学びのキーワード
4年間の学び
人間が抱える心の問題を客観的に考える
生涯にわたる発達を研究する発達心理学は
生きていく上での指針になります。
発達心理学とは、人間の一生における心の成長過程を心理学的に研究するものです。人間のさまざまなことばや行動を、個人の心的要因と生理学的要因、社会文化的要因から理解することで、人が抱える心の問題に客観的・的確に対処できるようになります。胎児期から老年期まで、それぞれのステージで悩みを抱える人の理解を深める発達心理学を学ぶことは、自身にとっても生きていく上での指針になります。

心理学の基礎および実験・観察と分析の方法を段階的に習得。
1年次
論文・文献を精読する演習。
少人数で討論を重ねる。
「発達心理学基礎演習A・B」
心理学の文献講読を通して基礎的な知識と心理統計学の基本を習得するとともに、さまざまな研究方法を体験的に学ぶゼミ形式の授業です。初めて出会う専門用語や心理学のテーマを自ら調べて考え、少人数のグループで討論を行います。

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2年次
実験・観察・面接・心理検査・
研究方法を学びレポートを作成。
「心理学実験Ⅰ・Ⅱ」
心理学の研究に用いられる実験、観察などの方法を小グループに分かれて学びます。学生自身が被験者となりデータを収集。それを統計学の考えにより分析し、結果をレポートにまとめて提出。このプロセスを繰り返すことにより心理学研究を進める基本的な力を身に付けます。

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3年次4年次
発達心理学研究の理論と方法。
プレ卒論・卒業論文を執筆。
「心理学研究法・心理学専門演習」
発達心理学を研究するための理論と方法を学ぶ演習です。グループに分かれて実験や行動観察、質問紙による調査、面接などを学習。分析はTA※がサポートします。2年次から学ぶ研究レポートの書き方も発展。3年次後期からは独自の主題をまとめる「プレ卒論」に取り組みます。
※ TA( ティーチングアシスタント)

発達臨床センターを併設
子どもの発達に関する研究、相談・治療を行う発達臨床センターを併設しています。長年にわたる臨床の実践は、社会貢献として、また臨床の専門家養成機関として高く評価されています。
発達心理学臨床心理学発達支援を総合的に学ぶカリキュラム
3つの分野の学びを柱に
発達心理学を総合的に理解します。
3年次からは発達心理学・臨床心理学・発達支援を3本柱に、胎児期から老年期までの各ステージで変化する人間の心理や精神疾患などについて学びをより深めます。それぞれのコースに分かれるのではなく、3つの分野を総合的に学ぶのが本学科の特長です。また発達障害者( 児)の支援や社会心理学など各種心理学を学ぶ特講の授業もあります。子どもの発達支援については、本学の附属施設である「発達臨床センター」で心理職としての実務経験を持つ教員が実践的な臨床の授業を行います。

発達心理学
胎児期から老年期までの人の発達や加齢の心理的過程を学びます。心理統計学についても学習し、統計的なデータの分析方法を習得します。
臨床心理学
精神分析などの心理療法に関する知識を深めます。心の問題や悩みを抱える人々の原因を探り、回復に向けての援助を行う心理療法の実践を学びます。
発達支援
発達障害のある人や子どもが生活する上で生じるさまざまな問題の解決と支援のために、専門家として相談に応じることができるよう必要な知識とノウハウを養います。
自分のテーマを見つけ、卒業論文へつなげる
自分で研究テーマを考え
プレ卒論から卒業論文につなげます。
3年次は演習・特講科目に参加して、より実践的・専門的に学びます。後期には自分で研究テーマを考え、どの方法を用いるかを決めてプレ卒論に取り組みます。4年次は教員のアドバイスを受けながら新たに研究テーマを選び、データの収集と分析を行い、卒業論文を執筆します。

白百合で心理専門職を目指す
白百合では心理専門職の養成にも力を入れています。公認心理師の受験資格に必要なカリキュラムにも対応。本学大学院への内部進学制度を活用し公認心理師を目指すことができます。
※ 公認心理師養成カリキュラム(「心理演習」)を履修するためには成績基準があります。
公認心理師とは
心理支援の職業にかかわる国家資格です
公認心理師は心理学に関する専門的知識や技術を持ち、心理的な援助を必要としている人に対して相談や助言などを行います。また、心の健康に関する知識を普及させるための教育や情報の提供も仕事の内容とされています。
必修外国語
英語
選択外国語:フランス語、ドイツ語、中国語、韓国語
取得可能資格等
- 認定心理士
- 司書
- 日本語教育副専攻 ※1
- グローバルビジネスプログラム ※1
- ホスピタリティ・マネジメントプログラム ※1
- 数理・データサイエンス・AI教育プログラム ※1
- 公認心理師 ※2
- 臨床心理士 ※3
- 臨床発達心理士 ※3
※1 所定の単位を取得すると、本学発行の「修了認定書」が授与されます。
※2 発達心理学科及び大学院にて所定単位を修得後に受験資格が得られます。
※3 大学院発達心理学専攻にて所定単位を修得後に受験資格が得られます。
履修モデル
※履修モデルは、何をどのような順に学んでいくかを示すために卒業要件や資格取得要件等を元に作成したものです。ここに掲載する履修モデルはあくまで一例です。
2022年度卒業論文題目(一部抜粋)
- ⼥⼦⼤学⽣の結婚観と両親の夫婦関係
- ⽗親に対するネガティブな感情と理想の男性像との関連—⻘年期の⼥性を対象として—
- ⼥⼦⼤学⽣における⺟⼦関係と抑うつ傾向との関連—covid- 19 感染拡⼤前後の⽐較から—
- 発達障害に対する⼥⼦⼤学⽣の意識
- ⼥⼦⼤学⽣における虐待に対する認識と関⼼—⼼理的虐待とネグレクトに注⽬して—
- 幼児期・児童期初期における向社会性の発達に関する要因の検討
- ⼥⼦⼤学⽣のファン⼼理・⾏動とパーソナリティの関連
- 化粧⾏動と⾃⼰肯定感の関連について
- ⼥⼦⼤学⽣における友⼈関係と⾃⼰肯定感との関連—親友の有無及び友⼈への⾃⼰開⽰・信頼感・共通性を中⼼として—
- インクルーシブ教育による健常者への影響—発達障害者に対する態度・多様性と困難への寛容度に着⽬して—
- ⾼齢者におけるイヌの介在介⼊の有効性—インタビュー調査と『看取り⽝・⽂福の奇跡』からの検討—