白百合について

学長メッセージ紹介

知識を愛に変える人 —「つながる力、つなげる力」を育む —

 私たちが生きる現代は、変化の激しい予測不能な時代です。このような時代に、どんな状況になっても対処できる柔軟性を生み出し、人生の選択肢を広げるのが「教養」にほかなりません。デジタル化・AI化が加速するとともに、多様性・寛容性が重視される社会では、私たち人間の有する「感性」や「人間性」がますます価値を持つようになるでしょう。

 本学では建学当初より、技術革新が進む時代にこそ人文学的な知性・感性の涵養が必要とされ、生かすべきものと考えてきました。かつて、初代学長スール三島初江は、当時の学生たちに向けて「修得した知識を愛に変えて社会に貢献してほしい」と述べ、白百合生に期待する姿を端的に示しました。国際的な視野を身に付け、専門的な知識を修得することは重要ですが、それだけでは真に人間らしい愛に満ちた社会を創造するには十分ではありません。弱く小さくされている人々に手を差し伸べ、他者とつながり、広く社会に貢献する自立した女性として大きく羽ばたいてほしい。それが、私たちが教育に携わるうえでの変わらぬ想いでもあります。
 
 他者の苦しみや痛みに寄り添う力(コンパッション)、困難を乗り越え、複雑化する社会環境に適応する力(レジリエンス)、相手の気持ちや動きを察知して機敏に対応する力(アジリティ)は、これからの社会に求められる、他者と協働し、未来を拓く力と言ってよいでしょう。本学では、こうした普遍的な力を育みます。そこに、時代が必要とするリテラシーを融合させることで、白百合らしい学びを深化させるべく歩みを続けています。
 
学長  髙山 貞美


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