学びの内容

「学科とキャリア」シリーズ:パティシエというお仕事

2024年1月17日

「どんな授業?」シリーズに続き、フランス語フランス文学科の卒業生がどのような活躍をしているかを紹介するシリーズが始まります!
初回は、卒業後、北海道の美瑛町でパティシエとして働き、この春本大学院に進学予定のM・Tさんからお話を伺いました。


Q :卒業後は、どのようなお仕事されていましたか?

私は北海道の美瑛町で、パティシエとして菓子製造の仕事をしていました。フランスの郷土菓子はやはり地産地消のお菓子が多いのですが、それを日本で目指し、国産の素材が使える北海道の美瑛町を選び、就職をしました。小麦や乳製品など、美瑛町の特産物を生かした原材料が使えますし、材料が生産される現場が見えるというのが魅力でした。自分の作るお菓子を原材料から目で見て、それを売るという経験は、やはり東京や首都圏ではできない、現地ならではの面白さだと感じました。

【写真】幻の小麦と言われる美瑛の「赤麦」


Q :パティシエになるという夢はいつ頃決められましたか?

もともとお菓子作りには興味があり、高校生の進路選択の時に、専門学校に行くか大学に行くかを迷いました。ただ、お菓子を作ることにも興味はあったのですが、お菓子の歴史背景など、郷土菓子の土地の文化などに興味がありました。そのため、勉強をするなら、フランス語をしっかり学び、フランスの文化を理解した上で、地産地消などについても学びたいと思ったので、大学を選びました。

Q :大学ではどのような学生時代を過ごしていましたか?

まずは留学を目指していましたので、1年生はフランス語が中心の生活でした。やはり少人数のクラスでもあったので、フランス語に関しては先生にも聞きやすかったですし、フランス語研究室も利用していました。先生やフランス人ティーチングアシスタントと仲良くなることで、フランス語の上達も早くなり、お菓子の勉強についても相談しながら進められたと思います。2年生の時には半年間アンジェに留学をしました。3、4年生の時は、パティシエも同時に目指していたので、アルバイトもしながら、フランスの郷土菓子に興味を持ち、ゼミでフランスの郷土菓子や古典菓子について研究をしました。

【写真】アンジェでのガレットデロワ会


Q:今後の目標を教えてください。

2024年4月に大学院に進学予定です。フランスの郷土菓子がなぜその土地で生まれ、発展したのか、生産地の歴史的背景や文献(レシピなど)、その土地に赴き、調査したいと思ったからです。卒業後に北海道に身を置き、日本の食料事情と向き合ったことで、自分は食文化の変遷や根源に対する興味が人一倍強いとあらためて感じました。日本人パティシエの多くがフランス菓子を作る現在、なぜフランス菓子が皆を惹きつけ、求められるのか。歴史的背景を追うことで考察を深め、フランス文化の食の視点の奥深さを伝えたいと思います。また、日本人の食に対する消費意識の改善に繋がる活動も続けたいと望んでいます。
 

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