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【報告】講演会「フランス・オペラの誕⽣ —ヴェルサイユ宮廷とパリの間で」が開催されました

2023年5月16日

2023年5月1日(月)、ヴェルサイユ・バロック音楽研究所編集主幹をつとめるジュリアン・デュブリュック氏をお招きして、講演会「フランス・オペラの誕⽣ —ヴェルサイユ宮廷とパリの間で」が開催されました。学内外から多くの方にご参加いただき会場のクララホールは満員となりました。白百合女子大学所有のチェンバロの演奏もあり、1時間半があっという間の講演会でした。
 
オペラといえばイタリアですが、フランス・オペラは宮廷の祝祭やコメディー・バレエ、宮廷バレエなど独自の起源をもっています。けれども、フランス・オペラの発展を支えたのは、宮廷ではなく、民衆とのこと。フランス・オペラは音楽によって定義されるのではなく、何より視覚的効果を重視するスペクタクルであったという結論は興味深いものでした。
 
フランスでは、17世紀に演劇が黄金時代を迎えます。演劇の発展とともに演劇規則が成立し、演劇規則に合致するものが古典主義演劇と呼ばれることになるのですが、その一方で、波乱に富んだ筋書きをもつ悲喜劇や牧人劇は衰退していくというのが一般的な理解です。しかし、演劇規則と相容れない要素は淘汰されたのではなく、フランス・オペラに吸収されて観客たちに愛好され続けたという視点を伺う貴重な機会となりました。
 
なお、当日の講演会は以下の録画からご覧いただけます(2023年12月15日までの限定公開)。画像と音声をそれぞれ優先した動画が2種類ありますので、両方を公開いたします。
 
画像優先の動画はこちら 
音声優先の動画はこちら
 
貴重なお話をしてくださったデュブリュック先生、そして素晴らしい通訳をしてくださった東北大学の黒岩卓先生、誠にありがとうございました。

 
 
 (白百合女子大学文学部)
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