白百合について

学長室の窓から No.31

2022年4月12日

春の陽の光を浴びて

白百合女子大学
学長 髙山 貞美

新学期が始まりました。

今日も学長室の窓から中庭を眺めていると、学生たちが楽しそうに歩いている姿や、ヒマラヤ杉の足もとのベンチに腰かけている姿が目に入ります。春の陽の光を浴びて、みんなとても気持ちよさそうです。やはりオンライン教育だけでは大学生活の醍醐味は味わえず、学生たちがキャンパス内を自由に動き回ってこそ本来の大学であると実感しています。

「学長室の窓から」のコラムが3年目を迎え、これまでお世話になった宮本信也先生に代わり、4月から海老根龍介先生が副学長に就任されました。教務・国際・研究振興・質保証・危機管理のご担当です。なお、昨年より副学長の小林明子先生は、入試・大学再編・学生関係・大学運営のご担当となります。おふたりとも本学で10年以上のキャリアをお持ちで、私としては大変心強く思っております。2名の副学長と私とで交代しながら、このコラムを書かせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。

41日の入学式でも少し申し上げたことですが、私たちが生きている現代は、気候変動や異常気象、新型コロナウィルス感染症のパンデミック、貧困問題、エネルギーや食糧の危機、ロシアによるウクライナ侵攻など、予測が困難で、物事が急激にかつ複雑に変化する流動的な時代です。とりわけウクライナ情勢は、日々深刻さを増し、高齢者や子どもたちを含め一般市民の犠牲者が後を絶たない状況です。

温かいスープ、家庭のだんらん、住み慣れた街、雑踏の賑わい、人々の笑い声、
自由と民主主義、、、当たり前のように享受していたものを、ある日突然、ことごとく奪われてしまったら、いったい何をよりどころにすればいいのでしょうか。誰に助けを求め、どこに救いを求めたらよいのでしょうか。

SNSに投稿された動画などで、ロシア空爆時に誰もいないホテルのロビーでピアノを弾き続けた少年の姿や、破壊された街の路上でチェロを弾く音楽家のことなど、音楽を通して平和を愛するウクライナの人々の姿が映し出されていました。そして、そこに強いメッセージを読み取ることができます。それは、危機的状況であっても、人間性を失わず、たとえわずかでも平和な日常を取り戻そうとする人間の精神の強さです。危機に立ち向かう意志の力です。

教会のカレンダーでは、今年は417日(日)がイースター(復活祭)です。イエスの死をしのび復活を祝う日です。ウクライナ情勢やコロナ状況を思うとき、気は重くなり心は沈むばかりですが、聖母マリアの取次によって、全世界に平和と秩序がもたらされますよう父なる神に切に祈り求めます。

 

 

 

 

 


                 



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