白百合について

学長室の窓から No.13を掲載しました

2020年11月9日

死者の月


白百合女子大学
学長 髙山 貞美

  今年もはや霜月となり、晩秋の木漏れ日が優しく大地に降り注ぎます。
   この1か月を振り返って、みなさんにお伝えしたいことがあります。

1つ目は、白百合祭代替企画についてです。今年の白百合祭は、コロナの影響もあり、8月上旬に中止の決定をせざるを得ませんでした。ずいぶん前から準備を進めてきた学生のみなさんは、この決定に落胆しているのではないかと心配していました。ところが、「世の中が落ち込んでしまっている中、白百合女子大学に活気と煌きを与えたい」という熱い想いから、約50名の学生からなる「有志による白百合祭代替企画」が立ち上がりました。

 具体的な企画として、大学紹介動画、在校生向け・受験生向けリモート相談、限定グッズ(黄色、グレー、ピンクの3種類のマスク)の販売など盛り沢山の内容です。そして、実際に1024日と25日には代替企画が実施され、参加者の1人ひとりにていねいに対応ができ、終始なごやかな雰囲気で行われましたとの報告を受けました。このように、学生たちが主体的に企画を立案し積極的に取り組んでくれたことに、私は心を打たれ学長として大変誇らしく思いました。

 2つ目は、山内宏太朗先生のことです。917日にご逝去された第4代学長山内先生の追悼ミサが、1027日に本学のチャペルでしめやかに執り行われました。コロナ禍の中、本学の教職員と修道会のマスールたちに限定された形でのミサでしたが、約80名の方々が参列し、祈りに満ちた厳かな雰囲気に包まれました。山内先生の本学における在職期間は35年間に及び、その生涯の半分を白百合に捧げたことになります。事務局長として5年間、学長として9年間という大任を果たされ、そのお人柄に多くの人が魅了され、心から慕われていたことでしょう。

 カトリック教会の暦では、11月は死者の月とされています。いつごろから11月が死者の月として定着したのか定かではありませんが、死者への思いがミサをはじめとする様々な祈りの形で表されるようになり、それが広がって伝統・習慣となったと考えられています。死者のために祈ることにより、教会は生きている人だけでなく、この世を去った人々をも含む、愛の交わりの共同体であるという考えを深めてきたのです。

 本学では、1112日(木)に死者祈念ミサが行われます。すべての生命を慈しまれる神さまの愛に深く思いを寄せながら、特にこの1年の間にこの世を旅立たれた親族、恩人、友人のために祈りをささげたいと思います。


   わたしをお遣わしになった方の御心みこころとは、わたしに与えてくださった人を一人も失わないで、終わりの日に
   復活させることである。わたしの父の御心は、子を見て信じる者が皆、永遠の命を得ることであり、
   わたしがその人を終わりの日に復活させることだからである。            (ヨハネ639-40

                               

        
  

 

 



                          
             
  

Page Top