白百合について

学長室の窓から No.16を掲載しました

2020年12月22日

つながりの輪

白百合女子大学
学長 髙山 貞美

みなさん、お元気ですか。
冬の陽に紅葉が照らされて、冷たさの中にも美が宿る緑ヶ丘キャンパスです。ここ12ヶ月の間に姉妹校とのつながりを深く感じる出来事がいくつかありました。

まず1113日(金)、函館白百合学園を訪れました。函館には30年前に1度行ったことがありますが、函館白百合学園は初めてでした。中高生約350人が体育館に集合し、私は修養会の講師として3回の講話と追悼ミサを行いました。今回の修養会のテーマは、「行って隣人となりなさい」というものでした。みなさんの中にはルカ福音書の「善きサマリア人のたとえ」を思い起こす人もいることでしょう。函館といえば、本学の設立母体でもあるシャルトル聖パウロ修道女会が、日本で最初に錨を下ろした地です。1878年(明治11年)、フランスからの3人のマスールがはじめに手がけたのは、五稜郭の戦いや函館の大火で、親や家を失った身寄りのない子どもたち8人と寝食をともにすることでした。この出来事がマスールたちの宣教活動の原点となり、この精神がやがて日本人のマスールたちにも受け継がれ、各地で教育および社会福祉の活動が展開されることになります。
港が見える丘の一角にマスールたちの墓地があります。海風が強く吹きつける中、白い墓標の傍らにたたずみ、現在白百合学園で学んでいる生徒たち、そして本学に在籍している学生たちが、コロナ禍の中でも明るく思いやりのある人に成長しますように小さな祈りをささげました。

ついで128日(火)、湘南白百合学園から1人の先生と事務員の方が軽トラックに乗って本学にやって来られました。湘南白百合にはフィリピンのTawi Tawi島のスラムの子どもたちを支援するボランティアグループがあり、その奉仕活動に協力する形で本学のセントポール・コイノニア・ルームでもぬいぐるみや文房具などの寄贈品や支援物資を集めているとのことでした。おふたりは集まった支援物資を受け取るために軽トラックで来られたのであり、こちらで集められた物資は、湘南白百合の生徒たちがフィリピンへ送るべく、こころをこめて箱詰めやメッセージ書きをされるそうです。まさに湘南と緑ヶ丘のコラボ企画といってよく、姉妹校同士の強いつながりを感じました。

そして1217日(木)、担任の先生に引率されて、函嶺白百合学園の高校1年生32人が本学を見学に来てくださいました。クララホールでの学長のあいさつ・全体説明会・函嶺白百合出身の在校生によるスピーチほか、「謎解きキャンパス探索ゲーム」や川瀬卓先生(国語国文学科)の模擬授業が行われ、図書館やチャペル等の見学など、コロナ禍にありながら、姉妹校の生徒さん方との交流の機会を持てたことをうれしく思いました。

1222日(火)には、盛岡白百合学園高等学校バスケットボール部の生徒さんたちが全国大会出場のため、本学体育館で試合前日の練習を行いました。日頃の練習の成果を発揮して、全国大会でご活躍されますようにとお祈りいたしました。

こうしたさまざまな機会に恵まれ、姉妹校とのつながりを感じることができましたことに、こころあたたまる思いがいたしております。

最後になりますが、コロナ一色に染まった今年も残すところあとわずかです。みなさんとご家族の上に神さまの豊かな祝福と恵みをお祈りいたします。例年とは異なるクリスマスとお正月の過ごし方になりますが、どうぞこころとからだの健康を保ちながら、充実した日々をお過ごしください。また来年、みなさんと直接にお会いできる日を楽しみにしております。

 
         
  

 

 


                          
             
  

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