萩野 了子 講師

専門分野
古典文学(奈良・平安時代の文学)

自己紹介・学生へのメッセージ

奈良時代から平安初期にかけての和歌について研究しています。和歌の修辞や表現が時代の変遷の中でどのように変化するのか、また、なぜそのように変化するのか、といったことに関心があります。この時代は現存する文献資料が少なく、我々が明らかに出来ることには限りがあります。しかし、様々な視点からの検証を通して、当時の人々の心の中の営為を理解出来る瞬間が、この時代の研究の面白いところだと思っています。

宮城野の もとあらの小萩 露を重み 風を待つごと 君をこそ待て
(古今和歌集・恋四・694・読み人知らず)

これは私が一番好きな和歌です。
「ハギノ?オギノ?」と、よく間違えられてしまう名字で難儀することもありますが、この歌の中で、枝を撓らせ露を湛えた萩の姿の美しさを思うにつけ、最高の花を冠した名前だと悦に入る人生を歩んでいます。万葉集の研究を初めてからは、集中最も数多く詠まれている植物が萩であることも分かり、ますます思い入れが増していきます。
思わぬことをきっかけに、自分の名前が愛しくなったり、脈々と続く日本の伝統が尊く感じられたり、人の心はとても面白いものです。そうしたきっかけに出会える場の一つが、文学作品だと思います。国語国文学科での勉強を通じて、面白い出会いがあることを大いに楽しみにしていて下さい。

担当科目

国語国文学科

  • 卒業論文
  • テーマ別研究Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・Ⅳ
  • 基礎演習Ⅰ・Ⅱ(古典)
  • 上代文学講義

大学院 言語・文学専攻(博士)

  • 研究指導
  • 古代文学演習B

担当科目の内容

国語国文学科

卒業論文

受講者それぞれの研究テーマを、論文の形にまとめていくための指導をします。

テーマ別研究Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・Ⅳ

奈良・平安時代の文学作品を扱います。卒業論文で取り組むテーマを意識しながら、研究の方法を学んでいきます。

基礎演習Ⅰ・Ⅱ(古典)

古典文法をしっかりと身につけた上で、古典作品に現れる言葉、表現方法などを調査、考察する技術を学んでいきます。

上代文学講義

万葉集の歌について、様々な切り口(表記・表現・修辞技法)から解釈・鑑賞していきます。

大学院 言語・文学専攻(博士)

古代文学演習B

古典作品の翻刻作業と共に、古注から新注までの流れを追いながら、細やかな表現分析を行う力を習得することを目指します。

業績

  • 「古今集巻十の演出する物名歌について」(『国語と国文学』2019・10)
  • 「序詞形式を支える知のありようについて-平安初期和歌を中心に-」(『古代文学』2017・8)
  • 「掛詞の表現構造」(『東京大学国文学論集』2013・3)
  • 「『記紀』における死の意味—死と生産の女神—」(『国文学』2008・7)

経歴

  • 都立両国高等学校卒業
  • 学習院大学文学部日本語日本文学科卒業
  • 東京大学大学院人文社会系研究科修士課程修了
    同博士課程単位取得満期退学 博士(文学)
  • 2023年より白百合女子大学に勤務
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