米田 ローレンス正和 准教授

専門分野
イギリス思想

自己紹介・学生へのメッセージ

フィリピンの首都マニラで、スペインにルーツを持つ家庭に生まれました。幼稚園から日本に住み、中学まで千葉、高校は函館、大学から東京で過ごします。そして、英文学の博士号を取得するため、イギリスのブリストルで留学生活を送りました。幼い頃からキリスト教(カトリック)の美術品や教会堂に囲まれて育ったので、自然と西洋世界のあらゆる側面に関心を寄せながら毎日を生きています。

担当科目

英語英文学科

  • 入門セミナー・イギリス
  • イギリス史 I, II
  • イギリス文化講義
  • イギリス文学鑑賞 B
  • 異文化理解
  • 3年セミナー I, II
  • 特別演習 I, II
  • 卒業論文

大学院文学研究科

  • 英米文学演習B
  • 修士論文指導
  • 研究指導(博士)

担当科目の内容

英語英文学科

イギリス文化講義

【ロマン主義時代の風景画と崇高の美学】
ルネサンス以降、絵画はヨーロッパの主要な芸術として発展しました。イタリアとフランスの後塵を拝していたイギリスでも、1768年に王立美術院が設立されたのを機に、ヨーロッパに誇るべき優れた画家が続々と登場します。本講義の目的は、イギリス・ロマン主義時代を代表する風景画を題材に、崇高の美学について学ぶことです。アルプス最高峰のモンブランを美の極致として描き、自然界の様々な超越を理想化していった当時の風景画は、世俗化した社会に神の領域を回復するための芸術的営為であったのか、この問いに答えてみたいと思います。

イギリス文学鑑賞B

【メアリー・シェリーの『フランケンシュタイン』】
イギリス・ロマン主義の時代に活躍した女性作家に、メアリー・シェリーがいます。彼女のベストセラーとなった小説『フランケンシュタイン』(1818年初版)は、21世紀現在ではイギリス文学の古典として世界中で親しまれ、学問的な研究の対象ともなっています。本講義の目的は、「ゴシック・ノベル」と「サイエンス・フィクション」という2つの観点から、『フランケンシュタイン』を詳細に分析することです。また、物語に充満する聖書のイメージを浮き彫りにするだけでなく、主人公と宿敵との関係性が包含するジェンダーとセクシュアリティの問題にも光を当て、近代西洋という大きなコンテクストの中に『フランケンシュタイン』を位置づけることも、本講義の目標となります。

3年セミナー I, II

【ゴシック小説の始祖と金字塔】
巨大化した甲冑が生みだす凶禍。暴君の狂気に脅かされる貴婦人の貞潔。夢枕の聖人が予言する一族の没落、そして領主の亡霊が告げる真の後継者。あらゆる怪奇の原型は、イタリア貴族が住まう「オトラント城」で誕生しました。「ゴシック」が不動の人気を誇っていたフランス革命期のイギリスにおいて、超自然の恐怖を文学・芸術で表現することには、一体どのような意味があったのでしょうか? 本セミナーでは、フランケンシュタインの生み出した怪物から、ヴァンパイアの血を引くドラキュラ伯爵に至るまで、現代文化に脈々と息づく「ゴシック・ホラー」の伝統とその起源に迫ります。

大学院 文学研究科

英米文学演習B

【ロマン主義時代を色取った或る作家一族の肖像】
メアリー・シェリー。パーシー・シェリー。メアリー・ウルストンクラフト。ウィリアム・ゴドウィン。4人とも、イギリス・ロマン主義時代の文人です。互いに血縁と婚姻で結ばれた「作家一族」という点から、英文学のキャノンとして他の文人たちとは一線を画した特別な地位を築いています。彼ら(彼女ら)の稀有な関係性を端緒として、18世紀後半から19世紀前半にかけてのイギリスの文学、文化、社会、政治を広く概観すること、それが本演習の目的となります。

業績

著書

共著『ヘルメスたちの饗宴 — 英語英米文学論文集』(音羽書房鶴見書店、2012年)

論文

  • 単著 ""Adonais as Shelley's Poetic Commitment""『イギリス・ロマン派研究』第33号(2009年)55-66頁
  • 単著 ""Anxiety about the Spirit of the Age: Shelley's Hellas and the Greek War of Independence""『イギリス・ロマン派研究』第35号(2011年)31-46頁
  • 単著 ""Greece in Shelley's Laon and Cythna,"" Athens Journal of Humanities and Arts, 1 (2014): 127-36.
  • 単著 ""'The newly unfrozen senses': Restoring Physical Dimensions to the Italianate Shelley,"" European Romantic Review, 33 (2022): 351-65.
  • 単著「星を求める詩人の願い—シェリー詩におけるロマン主義的自己形成の挫折」『SOUNDINGS』第50号(2024年)17-36頁

経歴

学歴

  • 2006年3月 上智大学 英文学科 卒業 学士(文学)
  • 2008年3月 上智大学 英米文学専攻 修了 修士(文学)
  • 2011年3月 上智大学 英米文学専攻 博士課程 単位取得満期退学
  • 2011年9月 ブリストル大学 (University of Bristol, UK) 英文学専攻 博士課程 入学
  • 2015年5月 同 修了 博士 (Doctor of Philosophy)

職歴

  • 2008年4月 上智大学 文学部 研究補助員
  • 2014年9月 帝京大学 外国語学部 助教
  • 2016年4月 帝京大学 外国語学部 講師
  • 2017年4月 白百合女子大学 文学部 講師
  • 2022年4月 白百合女子大学 文学部 准教授
  • April 2025 - March 2026 Visiting Research Associate, Department of English, School of Humanities, University of Bristol, UK

所属学会

  • The British Association for Romantic Studies
  • The North American Society for the Study of Romanticism
  • 日本英文学会
  • イギリス・ロマン派学会
  • サウンディングズ英語英米文学会
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