所定の年限在学し、本学科が定める所定の単位を修得することで、次に掲げるような力量を身につけた学生に学位を授与する。
建学の精神の根幹にあるキリスト教、特にカトリシズムの人間観と世界観を理解するとともに、その今日的な意義と課題について自己及び人間の在り方を省みつつ論じることができる。あわせて、他者との関わりを通して自己の生きる意義を探求する態度、他者のために自発的に行動し協働する意欲をもっている。
時代を超えて普遍的に求められる深い教養と知性、大学生としての基礎的なスキルやリテラシーを身につけている。
現代社会に求められる外国語学習を通じ、異文化への深い理解のために必須な能力を身につけている。
本学の教養教育を基礎としながら、人間総合学部の「学部共通科目」を設定している。その学修を通じて、人間存在について客観的・科学的な理解にもとづき共感的な人間観を身につけている。
子どもを起点としつつ生涯にわたる発達過程と発達像について学ぶことで、人間のもつ多様性と可能性について理解している。
それらの知識を実践するための、社会や文化、教育や保育活動の現状および可能性についての知識を獲得している。
心理学の主要分野の基礎的理論を理解し、人間の心を探求する基本的なデータサイエンススキル(知識・技能)を身につけている。
人間は遺伝的・生得的に規定されると同時に、 社会文化的文脈によっても大きく左右されるという生涯発達心理学の考え方(思考・判断能力)を身につけている。
発達心理学および発達臨床心理学に関する専門知識を有し、その知識を適切に表現し、 説明する力(表現力・説明力)を身につけている。
現代社会における発達心理学的課題に関心を持ち、 その課題解決に向けて自発的に取り組む姿勢(関心・意欲・態度)を身につけている。
発達心理学科の卒業認定に関する方針(ディプロマ・ポリシー)に掲げる力量を身につけるために以下の方針に基づいてカリキュラムを編成する。
- 建学の精神及び教育目標に基づき、学部で修得する知識・技能を自己の人格的成長及び他者への愛につなげることに資する宗教科目を1年次から4年次にわたって配置する。
- 建学の精神を理解しキリスト教の基本を学ぶための科目を、1年次に必修科目として置く。
- キリスト教の人間観・世界観について歴史、現代世界の諸課題と関連づけて理解を深めつつその今日的意義を考察するための科目を、2年次に必修科目として置く。
- 教育目標「真・善・美」に向かって1・2年次の学びを学生各自の関心、専門、ライフ・デザインに応じて発展・深化又は拡張させるためのテーマ別科目群を、3・4年次に選択必修科目として置く。
- 4年次までの宗教科目及びそれに関連する活動を通じて学んだことを総括するための科目を、4年次後期に置く。
- 幅広い教養を涵養し、学際的な視点から専門分野を捉える能力を育成するために以下の科目群を設置する。
(1)ライフ・リテラシー科目群(初年次教育を含む)
(2)教養科目群(人文科学・社会科学・自然科学)
(3)健康・スポーツ科目群
(4)情報・データサイエンス科目群
- グローバル社会に求められる語学力とコミュニケーション力、異文化への深い理解力を身につけるために、次の必修・選択科目を提供する。
- 英語、フランス語、ドイツ語、中国語、韓国語の外国語科目を設置し、少人数クラスで文法から発音、日常会話まで基礎からバランスよく学ぶ。
- 学生個々のレベルにあわせたクラス編成により、効率的にレベルアップを図る授業体制をとり、随時、ICT設備を利用する。
- 各学科の専門性の中から領域横断的な「学部共通科目」を設置している。学習者の進度や興味に応じて、視野を広げるべく、履修の順序や対象学年の制約を設けず、1~4年次に履修できるようにしている。
- 心理学の基礎的領域・発達心理学および発達臨床心理学に特化した高度な専門領域・発達心理学の応用領域の3つの領域にわたって科目を設置している。
心理学の基礎的領域
1・2年次では、心理学全般に関する概論や基本的方法論を学ぶ実習科目を通じて、心理学の基礎的理論と各種方法論(実験・調査・観察・面接・検査、文献講読)について学ぶ。また、実証科学としての心理学の基礎である心理統計学について、基本的な考え方と基礎的なデータ分析法を修得する。3・4年次では、認知心理学、パーソナリティ心理学、社会心理学、教育心理学、健康・医療心理学、犯罪心理学などについての講義科目を通して、心理学の主要分野について幅広く理解する。
発達心理学及び発達臨床心理学に特化した専門領域
1・2年次では、発達心理学と発達臨床心理学に関する概論および基礎的な演習科目を通じて、生涯にわたる心理的発達の様相とそれぞれの発達段階での臨床的支援の課題について理解する。
3・4年次では、発達心理学及び発達臨床心理学に特化した専門的・臨床的な理論と方法論について、各自の興味・関心に応じた多様な講義と演習科目を通じて学ぶ。また、公認心理師資格科目の履修者については、指定講義・演習科目のほか、学外の臨床関連施設(病院・福祉施設・学校・司法矯正機関など)での学外実習をおこなう。
発達心理学の応用領域
3年次には研究法に関する演習科目を通して、卒論に向けた具体的な課題設定をおこない、研究計画の立案や具体的なデータ収集・分析の作業を通じて研究方法論を修得する。
4年次には学修の集大成として、人間の生涯にわたる発達や心の健康に関する発達心理学的課題について実証的な検討をおこない、卒業論文を作成する。
本学の「建学の精神」「教育目標」を理解し、各学科の教育課程を履修するために以下に示した必要な素養・学力を備えた人を求めます。
- 人間の心を科学的・実証的に探究することに興味・関心を持つ人。
- 発達障害や心の諸問題の支援について、その専門的知識やスキルを学ぶ意欲のある人。
- 高校時代に授業や課外活動に主体的に参加し、特に、高いコミュニケーション能力(国語・外国語を含む)を 有していることが望ましい。