学びの内容
波多江洋介 教授

ハタエ ヨウスケ

波多江 洋介 教授(大学院 発達心理学専攻主任)

専門分野

臨床心理学

自己紹介・学生へのメッセージ

私の専門は子どもの心理療法、つまりプレイセラピーで、特に被虐待児に対するプレイセラピーです。被虐待児に対するプレイセラピーとその他の子どもに対するプレイセラピーとでは、本質的な違いがあるわけではありません。しかし、被虐待児に対するプレイセラピーは多くの場合独特の困難が伴いますので、セラピストに虐待に対する正確な理解がないと、うまく進展しにくいのも事実だと思います。そこで、被虐待児にはどのような特徴があるのか、そして、心理療法においてクライエントをどのように理解することが可能なのかということを研究テーマとしています。
プレイセラピーでは子どもは遊びを使ってコミュニケーションを行います。大人の心理療法ではクライエントは自分の状態を言葉で伝えますが、子どもは言葉の能力が未発達なので、言葉の代わりに遊びを用いるのです。もちろん、子どもが意識的に“こういうことを伝えたいからこういう遊びをしよう”と思って遊ぶわけではありませんが、自然に遊んでいるうちにその子どもの心のありようが遊びににじみ出てくるものだと考えられています。そこで、遊びに表現された意味やメッセージについて考察することが私の研究分野です。
担当科目
■発達心理学科
心理演習
英語論文購読演習
心理学研究法Ⅱ
卒業論文

■大学院 発達心理学専攻
臨床心理学特論
臨床心理査定演習Ⅱ
臨床心理基礎実習
臨床心理実習
心理実践実習B
担当科目の内容

■発達心理学科
◇心理演習◇
様々な臨床分野において、クライエントをどのようにアセスメントするのかについて学びます。また、心理療法の事例をいくつか提示し、クライエントの心の変化についてディスカッションを行います。

■大学院 発達心理学専攻
◇臨床心理学特論◇
遊戯療法や心理療法の基礎を学びます。具体的には前期はアクスラインの『Play Therapy』を題材に、後期はワイナーの『Principles of Psychotherapy: Promoting Evidence-Based Psychodynamic Practice』を題材にします。

◇臨床心理査定演習Ⅱ◇
人が表現したイメージからその人のありようをどのようにして理解していけばよいのか、ということが授業のテーマです。具体的にはバウムテスト・箱庭を主な題材とします。

業績
■業績
  • クライエントの内的ワーキングモデルを安定化させたことがクライエントと養育者とのアタッチメント関係を促進した心理療法過程 『箱庭療法学研究』第 32巻1号
  • 虐待者コンプレックスと折り合いをつけること -児童養護施設における6歳男児との遊戯療法過程- 『遊戯療法学研究』 第19巻1号
  • 箱庭で水を用いた遊びを繰り返した男児の遊戯療法過程 『心理臨床学研究』第25巻2号
  • てんかん症児との遊戯療法過程 『日本芸術療法学会誌』第38巻1号
  • 神経性無食欲症の女性に対するスクイッグル法の試み 『日本芸術療法学会誌』第34巻2号
経歴
■学歴
上智大学大学院文学研究科心理学専攻博士後期課程満期退学

■職歴
関東短期大学こども学科
白百合女子大学発達心理学科

■所属学会
日本心理臨床学会 
日本遊戯療法学会
日本箱庭療法学会
日本ユング心理学会
日本子育て学会
Page Top