児童文学専攻

博士課程(前期/後期)

独自の学問体系を有する児童文学・児童文化の専門家を養成する

専攻主任メッセージ

「児童文学」とは、「子ども」をめぐる文化表象のひとつです。本専攻では、この観点から、絵本、ライトノベル、マンガ、アニメ、口承文芸など、多様なメディアと結びついた物語文化はもとより、おもちゃ、ゲーム、テレビ番組、テーマパーク、聖地巡礼、推し活といった文化財や文化現象も重要な研究対象として位置づけています。

本専攻が提供するのは、大人の文学・文化とは一線を画する、独自の体系を持つ学問領域としての児童文学・児童文化についての学びです。卒業論文での研究をさらに深めたい人のみならず、図書館や保育・教育現場などでのキャリアアップを目指したい人、親として子どもをとりまく本や物に関心のある人など、多様なニーズを想定し、博士課程(前期)には学部の講義科目を聴講できる制度も整えています。

本専攻での学びを通して、これからの児童文学・児童文化の創り手、担い手、支え手としての未来を、ともに切り開いていきませんか。

本専攻の特色

  1. 児童文学と児童文化を専門的かつ多角的に研究できる国内有数の大学院です。
  2. 児童文学作品や児童文化財を、メディア横断的に研究できます。
  3. 大学附属の研究機関「児童文化研究センター」の活動に参加し、最新の研究動向に触れることができます。

専攻主任 水間 千恵

大学院生の声

社会人を経て大学院を目指した私は、児童文学と児童文化を思う存分に学ぶことができる、白百合の児童文学専攻を選びました。児童文学の授業では、理論書などを精読し、国内外のさまざまな作品について、多角的に考察する力を鍛えられます。児童文化の授業では、研究書などを精読し、かつて子どもだった当事者として、当時の記憶をたどりながら、アニメやキャラクターなどについて考察します。また、ゼミの受講生は、それぞれ異なる関心領域を持っており、授業以外での何気ない会話にも、研究のヒントが溢れています。白百合の温かく家庭的な環境で学んだ2年間と、先生方や学友との出会いは、私にとって、かけがえのない財産となりました。

(2024年度修了生)

指導教員紹介

教員名 研究テーマ
水間 千恵 教授
(専攻主任)
「性」と「制度」で読む児童文学
児童文学を、「子ども」という概念を形成する制度・装置と捉え、絵本からYA文学まで、多様な素材を「性」という切り口で分析してきました。最近は『ピーター・パン』の受容史にとりくんでいます。
浅岡 靖央 教授 近現代の日本における児童文化財研究
近代以降の日本において、社会の変容とそれにともなう子ども観の変化によってさまざまに展開されてきた、各種の児童文化財を研究対象とします。
間宮 史子 教授 物語の源ともいえる口承の昔話の研究
グリム童話をはじめとするのヨーロッパの昔話と日本の昔話について、異界、異類婚姻などのテーマで比較研究をしています。グリム童話のテクスト変遷についても追究を続けています。
森下 みさ子 教授 <子ども>の表象
児童文学・児童文化の研究に欠かせない<子ども>を、表象(イメージ)から探求します。児童文学、絵本、映画やアニメ等に描かれた<子ども>の特性を、メディアの働きも視野に入れつつ研究しています。
トミヤマ ユキコ 准教授 マンガから見る日本の社会と文化
マンガに描かれたこの国のありようを分析・考察しています。とりわけマンガに登場する女子×労働に着目しており、これら「労働系女子マンガ」がいかにしてわたしたちの現実と切り結んでいるかに関心があります。
山中 智省 准教授 現代日本の活字コンテンツとその周辺動向をめぐる文化研究
日本の若年層向け娯楽小説であるライトノベルを主に研究。「複合的な文化現象」としての特質や、若い読者を小説にいざなう形式・戦略などに着目し、その特徴と可能性を検討します。

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修士論文題目

年度 題目 副題
1 2024 『かぐや姫の物語』にみる「生き方」 ―姫の悟った絶望と願望―
2 2024 「仮面ライダー」におけるヒーロー性 ―ヒーローに欲望は存在するのか―
3 2024 リカちゃんハウスの表象にみる遊びの想像力  ―ハウスの変遷を通して―

博士論文題目

※博士論文の内容は「白百合女子大学学術機関リポジトリ」で閲覧することが可能です。

年度 題目 副題
1 2024 認知言語学における事態把握を用いた日本児童文学作品の研究 ―「さよなら未明」以前の作品と以後の作品とを比較して―
2 2020 「語る子ども」としてのヤングアダルト ―日本現代児童文学におけるヤングアダルト文学のもつ可能性―

卒業後の進路

一般企業への就職のほか、大学院で学んだ専門性を生かし、教員や翻訳家、研究者となった修了生もいます。
学部生同様、学生一人ひとりと向き合う丁寧なキャリア支援を行っています。学部生向けに実施しているキャリアサポートのプログラムは、大学院生も参加可能です。

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